自由学園明日館にいってきた。
久しぶりの病院のために池袋へ。帰りにずっと行きたかったのになぜかタイミングが合わなかった自由学園明日館(みょうにちかん)へ。
秋晴れの穏やかな空気と柔らかな日差しに、今日、この日に来るために、今まで来ていなかったんだな。と思いました。一人で、静かな気持ちになるまで、必要な時間だったのかもしれない、とも。
江戸東京たてもの園にある、前川國男邸がわたしの中のベストオブ建築なのですが、
『うわぁぁぁ〜師匠の師匠やば〜!!』という謎の言葉を心の中で繰り返しながら歩きました。最高。前川國男の師匠のアントニンレーモンドの師匠がフランクロイドライト。
喫茶室の上にある小さな資料館で、この建物の数奇な人生ならぬ建築生を知りました。動的保存という言葉を知って、なるほどなるほど、と。
安来で聞いた、銀行を作るために、イギリスからやってきたフランネルの布に一枚づつ包んだ煉瓦を荷揚げしてところを前田さんのお祖父さんが少年時代見ていた話と、銀行が取り壊されるときに持ってきたという、お店の奥の中庭に置かれたその赤い煉瓦のことを思い出した。しっとりとして冷たくて、ずっしりとしていた。
煉瓦も土と炎から生まれたもの。
とにかく窓が素晴らしかった。
飾られている花も生花のみ、さらに花入も邪魔にならないデザイン。わかってる、、わかってる!!てなるやつ。気持ちいいですね。
空間を美しくする時、仲間はずれを入れないことが大事だし、それが何より難しいのよ、と日頃から思っているので、すばらしかったな。暖炉のイベントポスターだけ、もっと目立たなくていいと思うけれど、ポスターってそういうものだから仕方無いのかもしれない。(行けないので僻んでいる気持ちもあるかもしれません笑)
本直線で構成された意匠なのだけれど、木という素材の柔らかさと、ピッチの違いやちょっとずらしたり、無機質にならないデザインの力。
写真撮ってきたのを見返すと、この感覚の冴え方すごいってなる。直観って美術の授業があった学校というのも頷ける。あとは天井の低さとドアの小ささが、この学校の愛らしさみたいなものを形作っているんだろうな。全体的に小ぶり。小さきものは皆愛おしき。
復元されるときに、当時の生徒のスケッチから緑色だったことがわかったそう。そういう小さな記録の積み重ねが大事だなと思ったのでした。
民藝館の西館も動的保存にしないかな、、庭の管理もするし、喫茶室やりたいです。一般に加えて喫茶券付きの入館券にしたら、少しでも利益出ると思うのですが‥
建物を保存すること、活用すること、改めて考えさせられました。8割は新たな木材を必要とするほど、傷んでいた明日館、これが令和の今も同じ場所に建っていることが奇跡みたいに思えてきて、素晴らしい光の中、良い時間を過ごすことができました。
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