ミルメルモ。

写真×エッセイ。 日々のことを綴ります。 フィルムカメラが好きです。今はZfをよく使…

ミルメルモ。

写真×エッセイ。 日々のことを綴ります。 フィルムカメラが好きです。今はZfをよく使っています。GR3もときどき使います。 コメントは返信できないこともあります。

最近の記事

夏越の祓え、大国魂神社に行ってみた。

おはようございます。涼しい風が吹いて、あともう2時間くらい眠りたい気分です。 夏至もすぎて、気づかないほどひっそりと日が短くなっていきます。 冬至のことは全く想像できませんが、きっとすぐにやってくるのでしょう。 この時期神社に行くと、大きなしめ縄がまあるく巻いて立てられています。 この習慣とても面白いなと思うのですが、世界各地で草を編んだ円をくぐったり頭に草冠を乗せる儀式というのが存在するそう。 エネルギーが増える、から、減るに変わる区切りのためだとか、いろんな説がある

    • 胎の中に月を飼う。

      今日は持つかなと思ったけれど 午後から雨降り。 娘の習い事の待ち時間に思い立って10年以上振りにカラオケに一人で行きました。1時間切れ目なく歌って歌って体の中のものを全部出すみたいな感じに歌って歌って。 酸素が足りなくて頭がくらくらするのも、喉がざらつくのも久しぶりで、終わった後にやけにすっきりしていました。 歌い終わってトイレに立ったら、生理が来ていて、来る前までは感情がぐしゃぐしゃと昂るのに、今はぼんやりと沈滞していて、満ち潮と引き潮を思い出しました。 体内に月を

      • 文月、手紙をしたためる。

        手紙をしたためた。 葉書は折に触れ書いて送るのだけれど、ちゃんと書く手紙となると久しぶりで、以前買っておいた便箋を引っ張り出した。二枚で足りるかなと思って、寓話に出てきそうな動物たちが描かれたものを使うことにした。 友人に今の住所を聞いた。私なら住所を教えるのは躊躇うこともあるか、と思い「嫌だったらいつか会った時にでも渡したいと思います」とメッセージしたら、次の日の朝すんなりと返信が来ていた。 気に入っている白軸の万年筆で書くとちょっとインクが乗りすぎたので、もう少し細

        • 海のそばで眠る。

          ざざざぁぁあ ざんざらざらざぁぁ 窓の外の欅が、毛を逆立てた猫のようになって風に揺られている。 葉が擦れる音が、波の音のようにそこここから聞こえてくる。 一晩中すごい風で、どこかに何かが飛ばされて カッカランカランッ と大きな音がしたり 娘が暑いというので開けた窓から、 無遠慮に入ってくる風に髪をなぶられたり ずっと落ち着かなかった。 気圧の乱れ。 朝4時45分に目が覚めて、寝たような寝ていないような、夢なのか現なのかわからない時間を通り過ぎて目覚めたこの感覚を私は知っ

        夏越の祓え、大国魂神社に行ってみた。

          惰眠を、むさぼる。

          昨日は、ザワザワした1日だった。 まず、娘が咳をこほこほとし始めた。 熱はないので学校へ行った。 私は民藝館で雑誌民藝の編集会議があった。7月号が発売され、それは自分の初めて担当した特集号だったので、オンライン会議に出てもいいのだけれど直接の御礼と振り返りをせねばと駒場野まで行くことにした。雨がひどくふっていた。 ここのところ、生理前だからか夜中に目が覚めてしまってうまくねむれなかった。 夜中に目が覚めても朝5時にはきっかり目が覚めてしまって、本来なら7時間8時間寝るとこ

          惰眠を、むさぼる。

          傘が届いた。とてもかわいい。 ミズクラゲ。

          傘が届いた。とてもかわいい。 ミズクラゲ。

          慈雨。

          今朝も朝から雨降りで、蒸し暑い空気は鎮められて、よくよく眠れます。 眠たい目をこすりながら、こうしてパソコンの前に座るのが、勿体無いくらい二度寝日和です。買った傘が届くのは、まだもう少し先でしょうか。 慈雨。雨はもちろん洪水を起こしたり、恐ろしいものでもありますが、今日の植物たちは黙って雨を受け入れて、心地よさそうにしています。 雀の群れの声が雨垂れの音に混じって聞こえてきます。遠くの森から時鳥の囀りが響いてきます、大きなよく通る、切実なまでの囀り。血を吹いたように口の中

          光の波。

          ここ二週間と少し、返ってくるあてのない手紙のようなものを書いていました。 送ると夜、既読がつきます。 自分でも何をしているのだろうと思いました。見てくれたら嬉しいし、読んでくれたら嬉しい。でも、読んでくれなくなるかもしれないな、とも思います。そしてそれを責めることもしないし、めんどくさくなったら読まないでいてくれていいとすら思っています。 でも、私は言葉を綴り、写真を撮ります。 というよりも、勝手に言の葉が集まってきて、勝手に美しいものが撮ってくださいと声をかけてきて

          朝が好き。

          朝が一番好きです。夜は何とも寝苦しく、タイマーでエアコンが切れれば窓を開けて、目玉のオヤジのようなサーキュレーターをまわします。小さなモーターの音が、夜に溶けていきます。 トイレに行こうと引き戸を開けると、そこはむわりとした湿度の、みっしりとした空気に満ちています。濁った水の中にいるようで、私のような人間は、肺からも皮膚からも呼吸がうまくできません。 やっとのことで再び眠りについて、起きた時、たった三時間しか変わらないのに濁った水は流されて、さっぱりとした朝が来ていること

          朝が好き。

          風船葛。

          「はちさん、ぜんぶの花を回ったらつかれてしまうね」 ぶんぶんと花から花へ忙しそうに飛び回る蜂を見ながら娘が言いました。 白い小さな雪のように、風船葛がたくさんの花をつけました。 去年一粒だけもらってきた種が、うまく芽吹かずに残念がっていて、「今年こそはそだてたい!」と春先からずっと言い続けていたので、同僚に頼んでタネをもらってきたのです。 一晩水につけて、深めのプランターに等間隔で植え付けていきます。多かったら間引こうともらったタネを全て撒き終えました。 予想以上にしっ

          はじめてのクリームメロンソーダ。

          ことの発端は、この前江ノ島に行った時、友人と飲んだクリームメロンソーダがとても美味しくて、ああこれを子供達にも飲ませたいなぁと思ったこと。 小さな頃、デパートの喫茶店で母と飲んだという記憶や、家でコーラフロートを飲んで満足そうな母の顔を覚えていて、わたしにとって、しゅわしゅわにアイスがのっている飲み物、はとっても特別なのだ。 クリームメロンソーダがあると、つい頼んでしまうほど好き。 まず見た目がいい。お風呂の入浴剤かと思うくらいの透き通ったグリーンに、ぽてっと白いバニラア

          はじめてのクリームメロンソーダ。

          とある日曜日の記録。

          日曜日、それは安息の日。 日曜日、それは戦いの日。 というわけでとある日曜日の記録。 朝から雨が降っていて、娘が歌っている。 「あめがふったらざーざーざ、あめがやんだらにじさんだ♪」作詞作曲娘。 梅雨入りした東京は、この間から雨が降ったり止んだり。しとしと、というよりざあざあと、時折激しく降っている。 日曜日というものは、好きなだけ寝てダラダラ過ごしてぷらぷら出かけるものとばかり思っていたが、子供達が生まれて、それぞれが小学校と幼稚園に行くようになってからというもの、最

          とある日曜日の記録。

          一人じゃないから一人がいい。沼津港に行ってみた。後編

          この旅にでた直接のきっかけはムカデだったけれど、水族館でメンダコの標本を友人と見たことや、前日の娘との会話もきっかけとなっていたように思う。 その日はワンオペで、二人を送り出し、仕事に行き、迎えに行き、ちょっと疲れてそのまま外でごはんを食べた。 車で家に着いた時、娘が聞いた。 『ママって計画するの得意なの?』 「いやいや、そんなことないよ。無計画の極みみたいな人だよ」 『え、じゃあなんで今は計画できるの?』 「きみたちが生まれて、どうにかして健やかに生かさねばと思っているから

          一人じゃないから一人がいい。沼津港に行ってみた。後編

          一人じゃないから一人がいい。沼津港に行ってみた。中編

          ずっと行きたかった沼津港は、日本でいちばんの水深を誇る駿河湾にある。また、湾から港がとても近く、深海の生き物が水揚げされてすぐに水族館に運ばれるため、深海の生き物に特化した水族館が、ここ、沼津にある。 着いたら10時20分くらいで、家をでてから約三時間半かかって沼津までようやく着いた。ようやく、と書いたけれど体感としてはもっとスムーズで、あ、着いたんだ。という感じだった。確かに遠かったけれど、行けなくはなかった。行ってはいけない、とわたしは強く思っていたのか、と感じた。

          一人じゃないから一人がいい。沼津港に行ってみた。中編

          一人じゃないから一人がいい。沼津港に行ってみた。前編

          沼津に行こうと思い立って、Googleマップに入力する。そうだった、この感じ、旅に出る前のこの適当で軽やかな感じを私は愛していたと思い出した。 沼津への目的は二つ、「沼津深海水族館」と「海鮮丼」。その二つ。 夜の寝かしつけまでに帰るとして、7時から19時までの12時間。 どうやら小田急線の最寄り駅まで自転車で行って、そこから新百合ヶ丘で乗り換えて小田原、熱海から沼津が最短ルートのようだ。 ざっとパッキングをする。旅慣れた友人のパッキングを参考にする。財布と携帯と鍵に加えて

          一人じゃないから一人がいい。沼津港に行ってみた。前編

          朝4時半にムカデが出たので、沼津に行くことにした。

          土曜日の朝、ムカデが服の中に入ってきた!と血相を変えて夫が2階の部屋に飛び込んできた。目を擦ると朝の4時半。 「刺されてない!?」と何度も確認してくるので、「ムカデには刺されない、噛まれる。そして噛まれたらそんなこと言えないので大丈夫」といって夫の脱いだTシャツに隠れたというムカデを捕まえに階段をおりた。 トングと、虫網を一応用意して、Tシャツをそっとめくると、体長12センチほどもあるきれいなトビズムカデだった。ううん、大きいなぁ。きっとこの辺りの虫の王で、昨日からの雨と

          朝4時半にムカデが出たので、沼津に行くことにした。