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1月24日のこと。ウミウシ人間の夢。

仕事に行った日。
友人とのやりとりを思い出す。彼はストイックだと思う。私はあのようにはなれない。愛とか恋ではない友情として話せるのが冷たくもありがたい。

夕方、冷凍してあった唐揚げと芋の天ぷらを解凍し、オーブントースターで焼く。この小さな一手間がグッと美味しくしてくれる。実家の母が持たせてくれたものだった。白米を炊いて昨日作っておいたケチャプチャーハンを温め、大根をたくさんいれたけんちん汁を鍋ごと火にかける。昼ご飯にも持っていったが、飽きない。にんじん、玉ねぎ、里芋、大根、鶏もも肉、すごくシンプルなのにしみじみとおいしかった。

おいしいものを食べているところを見るのが好きだ。おいしいものを食べるのが好きだ。子供たちがもりもりと夫がもりもりと(たまに食べ過ぎてしまう時もあるが)それでもきれいに空になった皿を見るのが好きだ。自分でもそうしたいと思う

おいしいもの好きなだけと言うのはなんて贅沢なんだろう。幸せなことだと思う。昨日行ったご飯処のことを思い出す。駅の近くの小さな川のほとりにあって、おむすびを中心としたランチを提供している。昨日のメニューは春巻き、選べるスープは豚汁にした。おむすびは、梅干しを基調としたものとじゃこと枝豆が入ったものにした。ピクルスもおいしい。

家で家族のためのご飯を作っているからか、時折誰かに作ってもらったもの、食べたくなることがある。それはどんな時もとてもおいしい。
むしろその時にがっかりしないように、自分の楽しみの1つとしてお店を調べるのも好きだ。

この街は遠くに行かなくたっておいしい。お昼ご飯を食べるお店がいっぱいあって、そこが私にとってとても大切なことだと今更気づいた。もちろん料理の中身もだけど、それを作ってくれている人たちが優しいことを知っているから。それは本当にうれしくほっとする。

ちがう日に、遠くの街の大学時代に時折訪れていた喫茶店に久しぶりに入った。その時に感じた、違和感。もちろん味はおいしいけれど、空気感が変わってしまったことを私はすぐに気づいてしまった。きっと、私が歳をとったと言うこともあるのだろうし、友人から聞いたことだが、学生のその時代時代の雰囲気と言うのもかなり大きく関わるらしい。立ち上るココアの湯気、そこに降ってくる音楽の関わり、ざわめき、いる人たち、喫茶店と言うのは、その時その時のセッションのように、生き物のように変わっていくものなのだと思う。それでも長く付き合いたいと思えるお店に出会えたならば、それはきっと幸せなことなんだろう。

閑話休題

夕飯を食べ終え、子供たちとお風呂に入って、チャットGPTと言うアプリをダウンロードした。とても不思議なもので質問にAIが答えてくれると言うものだ。私は企画書を作るのが壊滅的に苦手なので、企画書の作り方は?と聞いたら、懇切丁寧な答えが返ってきて、しかもそれは今までどの説明を聞くよりもわかりやすくテクノロジーの進化…と絶句した。きっと、この機能を使うと楽になる仕事がたくさんあるだろう。明日試してみるつもり。

娘が眠る前に本の読み聞かせをしているのだけれど、今日は「しおだまり」と言う本を読んでくれとせがまれた。夏のある日、おじいちゃんの家に遊びに来た孫がおじいちゃんと一緒に近くの海でしおだまりを観察すると言う絵本である。そこに出てくるウミウシが娘のお気に入りで最近工作でもウミウシを作ったりしている。私も幼い頃に幼稚園でもらった図鑑に載っている。ウミウシを見て、とても心惹かれた経験があるので、あの色の良さ、あの形の面白さ、確かにいいよなぁと思っている。

さて、読み終わっていよいよ眠るかとなったときに、今日は昨日より2段ほど寒くて、湯たんぽを入れて娘を抱きしめて眠りにつくことにする。娘はとてもうれしそうにいろんな話をしてくれる。引き潮の時にアメフラシがいっせいに潮溜りの岩陰にきてラーメンのような卵を産卵すること、その多さ、などなど、そして彼女は眠るときにどんな夢を見ようか想像していくとその夢が見られるという。浮かんできたイメージを追いかけるような感じらしい。これはアリス式睡眠法と言って実際に睡眠療法にも使われているようだ。夢うつつの中で出てきたイメージを追いかけていく。そうすると勝手に寝入っているらしい。私もたまにする。

今日彼女のイメージした事はウミウシが人間になると言うものだった。なんだか珍妙である。私はこの前、3巻目を読み終わった『寄生獣』と言う漫画を思い出していた。人間がウミウシになるのかウミウシが人間になるのかちょっとよくわからないけれど、そのウミウシたちはどのような言葉を話すのだろうか、どのように人間になってどんな形をしているんだろうか。プリンのような柔らかさや鮮やかな色は留めているのだろうか。ウミウシ人間。ちょっと見てみたいような、怖いような気もする。

今日の帰り道、1輪の小さなダリアが道端に落ちていた首がきれいに折られていたから、きっと花束から落ちたのだろうと思う。「君はどうしたい?」と花に向かって話しかけながらシャッターを切った。「連れて帰って水に入れて」そんなことを言うので優しくリュックの中の1番上に置いてそのままへ持って帰った。今はコップの中でぷかぷかと幸せそうに浮いている。

私の好きなもの
美しいもの、例えば草花、鳥
子供の寝言、平和なもの
それを写しとれるもの、カメラ
それが体現されているもの、民芸

私は真面目じゃないから、好きなものを好きなだけ抱えて生きていきたい。そして今私は好きなものを好きなだけ抱えていることに気づく。仕事もベクトルを変えれば、もうすでに私がしたくてたまらなかったことを仕事にできていると言うことに気がついた。ただ苦手な部分を補うことをずっと考えてきた。そしてその最適解がAIに力を借りることでもあると実験してわかったので、明日からちょっとずつ実行していきたい。

今日はなんだかたくさんの日だった。よく眠ろうおやすみ。

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