無性に可愛い格好がしたいと思ったら、春だったというお話。
無性に可愛い格好がしたくなった。自転車を漕ぎながら、叫びたくなるくらいに。
ワンピース、ショートブーツ、髪はもう少し切って襟足をスッキリさせて、ピアスは真珠、それから爪も薄ピンクに塗りたい。
そんな私の今の格好は、ワークマンで買った素晴らしい防水防風の中綿入りの紺色ジャケット、そしてワークマンのフリース、インナーは何年着てもくたびれないボーダーのロングTシャツ。下は裾上げし損ねたままのジーンズ、面倒なのでベルトはしていない。おとといから同じピアスに、もうくたびれ果てたスニーカー。唯一靴下だけは白い。
空が喚いている、といえるくらいの大雨や大風が終わり、今日はピカピカの太陽に、現れたばかりの花々が咲いている。こうして緑道のベンチに腰掛けていると、法面に推薦の群落。日当たりがいいからか、見事に黄色い大輪の花々。
そうか、春が来たのか、と思う。毎年、重いジャケットを脱いで、軽やかなワンピースに身を包みたくなるのは、いつだって春の始まり。
くたびれ果てたスニーカーと、ロングTシャツは役目を終えてもらおう。
好きな服を着よう。だってそう、大丈夫、春なんだから。
好きな服を、可愛い服を、着よう。
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