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2023年秋・勢いまかせの弾丸ひとり旅~九州ほぼ最北端から最南端まで・デッパツ編~

もともと車を運転するのは好きなほうだ。若かりし頃には日帰りで自宅(福岡県)から出雲大社(島根県)、正確にはそのもっと先の名前も思い出せないような記念館的な場所に安彦良和氏の画展を日帰りで見に行ったこともある。もちろん翌日は仕事。正確に計測したことはないが、一日の走行距離で言うならあれがMAXだったと思う。
いや嘘です。その10年後くらいに通称ベタ踏み大橋を通過して境港に到達して帰宅したことがある。食事とか小休憩以外は車から降りていないので、妖怪モニュメントを見てもいない謎の旅。何がしたかったんだ当時の自分。

そんな私が、ただ何となく「3連休取れたからせっかくだし普段できないような旅をしようぜ!」と思って企てたのが今回の旅行である。
別に大きなハプニングやイベントがあるわけでもなく、ひたすら車を走らせて見つけたものを食べて……という行き当たりばったりな旅程であり、何なら当初予定していた「国道3号と10号使って起点と終点往復してやんよ!」という目的すらも途中で変更してしまったのだけれど、そんなゆるさ120%な旅が自分としてはとても愉快で楽しかったので、覚書として書き留めておきたいと思った次第であります。移動中の目線で綴った内容も多いのと、九州の地名や土地勘になじみがない人には特に面白くもなんともない長文だと思います。先にレッツラ謝罪しておく。

いざ本編!!

・初日/AM2:30ごろ
正直「寝れねえんだよ興奮して」状態だった。いろいろあって、一人で好きなように過ごせる旅というか時間自体がものすごく久しぶりで新鮮だったこともあり、長距離運転に備えて早寝を心掛けたにもかかわらず日付を超えてもさっぱり眠れず。
ぶっちゃけ帰宅直後からショーン・ビーンの出ている聖闘士聖矢実写版映画を見ていたのも原因だとは思う。ショーン・ビーンやっぱり死んだ。わかってたけど。あと見るまでファムケ・ヤンセンがアテナ役だと思い込んでて、さすがに年齢的なものがどうなるの……???って思ってた。んなわけないんやん。
個人的には設定やシナリオをめちゃくちゃに改変してるくせに妙な原作リスペクトを感じたり、何あの無駄にジェントルでかっこいい辰巳ポジションのオジキ!?ってなったりして前評判ほどは悪いとは思わなかった。まあ聖闘士星矢かと言われたら首が90°傾くけど。

別に映画の話が本題ではない。うだうだとyoutubeをつけてみたりホットアイマスクを当ててみたりそれでもどうしても眠れなくて、そのうちなんだかマックが食べたい気分にまでなってきた。
こうなったらもうさっさと出発して、普段走ることのない深夜ドライブを楽しんだうえで、眠くなったらコンビニとかで仮眠を取ったらいいんじゃね?
そう思い切って荷物を抱え、できるだけ静かに廊下や階段を移動して玄関に向かい、外に出た。星がかなり多い夜空で、ちょうどオリオン座が見えた……気がする。今となっては定かではない。オリオン座の聖闘士に謝って許されよう。
荷物を車に積み込み、りすちゃんたちをダッシュボードに乗せてタイムスタンプも兼ねた出発前の記念撮影。先週までの半袖でも過ごせる暑さが嘘のように寒い、澄んだ空気がもはや冬を感じさせる。外気温は6℃。トリップメーターを0にセットして、さあ出発(デッパツ)だ!!

市内で24時間営業をしているマックのうち、一番3号線に近い店舗に向かって走る。当初は門司区の関門トンネル出口付近にある、2号終点・3号10号起点のモニュメントに向かってそこから出発しようかとも微妙に思ってはいたけれど、いつでも行ける場所過ぎてありがたみがないのと、めんどくさかったのでやめた。そもそも「完全トレース」を目的としているわけじゃなかったし、まあ長い走行距離に比べたら誤差の範疇だ。
普段は0時くらいまではまあまあ交通量があるはずの大通りにほとんど車がなく、異次元みたいに感じてちょっと感動した。まあ謎の蛇行運転をしている怪しい軽自動車に追い抜かれはしたが。さっさとどっか行け、と思いつつ、マックに到着。
ドライブスルーでてりやきマックとポテトとオレンジジュースのセットを注文し、快活なクルーのお母様に「こんな夜中にすみません」という気持ちで出発。敷地から出る直前、黒と白と赤のアイツが目の前の国道を通過していったので、いくら交通量が少ないとはいえ無謀な運転はやめようと改めて心に誓う。

いったん3号線に沿って走行を開始するも、黒崎あたりでふとこう思う。「宗像から福岡市内入るより、犬鳴峠越えて行ったほうが楽しくね?」
今にして思えば、営業用の明かりが大半消えているであろう真夜中の福岡都市圏を走るのも滅多にできないことだからこのまま3号線トレースでよかったかもと思うが、あの時はなんだか夜の犬鳴峠を通りたかった。
そんなこんなで200号線方面に進路を変え、馬場山・八幡IC辺りから鞍手・宮若方面に進む。犬鳴川と並走していたどっかで、めちゃくちゃ川から霧が立ち上ってきて幻想的だったのを覚えている。まあ寒かったからな。
犬鳴ダム前の大きな橋も、明るいときは高さを感じるが、真っ暗な中ではただの道。ぐいんぐいんとハンドルを切りながら山道を登り、新犬鳴トンネルに突入。ゾゾゾの皆さんはほんとによくここを生身で歩こうと思ったもんだ。本当に怖いのは幽霊ではなくトラック。
トンネル通過直後、久山側の旧道入り口に車が3台ほど停まっていて、車内の明かりがついていて外にも複数人がいて何かしていた。一瞬だったのでよくは見えなかったけど、どっかのオカルト系YouTuberの撮影だったのかもしれない。ちなみにこの時だいたい4時過ぎたくらいだった。

そのまま粕屋警察署のところで201号に、しばらくして再び3号線に合流。
時間帯によってははちゃめちゃ渋滞する場所だけど、余裕で走行。しかしさすがに福岡中心部、この時間帯でもちょこちょこ車が走っている。
日中であれば飛行機を身近に感じられる空港付近を通過して、都市高速の下を走り、大宰府へ。この辺りは地元に比べたら(当たり前だけど)めっちゃアーバンシティ感があって楽しい。いうてモノレールがある光景っていうのも全国的に見たら珍しいはずなんだけども、なんかごちゃっとしてる……小汚い……感じが否めんのよな地元の街。逆にそこが味がある景色だったりもする場合もあるんだけど。日常と非日常の差ということにしておこうと思う。

・初日/AM5:00ごろ
正確な時間は覚えていないけど、たぶんこのくらいの時間に基山・鳥栖あたりに入っていたはず。ここら辺からそろそろ8:30めどに熊本県庁に到達できる時間配分を考え始める。
なぜ熊本県庁かというと、毎年このくらいの時期に銀杏並木が色づいて、めっちゃ映えなスポットになるからだ。数年前に立ち寄った時にちょうど見ごろでたいへん綺麗で、またいつか行ってみたいなあと思ってはいた場所。とはいえどうしても時期限定な点や、567なんかのアレもあって、気が付いたらもう時期が外れている……という年を繰り返していた。今回、もちろん目的地は鹿児島ではあるけれど、3号線を使おう!と決めたのは熊本市街を通りたかったのも大きい。

うっかり通いなれた佐賀方面に曲がりそうになる自分にツッコんで、鳥栖ICをスルーして南下。ここで一部高速を使うことも考えたけど、まだ時間に余裕はあるし、この時間なら久留米市街も快走できると踏んだ。
日中はなかなかの混雑にイラっとすることも多い久留米駅周辺も難なく通過。夜中の駅周りの、照明で明るいけど人気のない空間ってなんかいいよね。異次元感強くてほんと好き。
ここでとうとう3号線も1車線となり、まだ明けやらぬ街を進んでいく。でろでろ南下し、広川SAも通り越して、たぶん八女あたりに到達。この辺も昼間走っても結構好きな辺りではあるけど、知らない道みたいな感覚が強かった。
「道の駅たちばな」の看板が見えてきて、いったん休憩を取ることに。この道の駅、何回か来たことがあるけど、売店も広くてなかなかよいところである。到着時点で6時ちょっと過ぎ。少し仮眠を取ろうかとも思ったけど、シートを倒しても眠くならなかったので、もう少し進むことにする。

ここからまた山間部が続き、峠越えをして熊本県に入る感じになる。推しYouTuberの一人である西園寺氏が路線バスだけで日本縦断の旅をしたときに、ちょうど接続の切れ目になって徒歩で進んだ場所として私の中で名高い聖地でもある。昼間でも木が生い茂ってなかなかの山道間で好きな場所。
空は少し明るくなったかな?くらいの色味ではあったけれどまだまだ暗く、それでも前後に車の流れもあり対向車もそこそこいたので、バックミラーに何かが映るんじゃないか的な心配はしなくて済んだ。しかしこの辺りでふっと眠気を感じるようになり、熊本県に突入してすぐの「道の駅鹿北」で最初の仮眠タイムに突入した。
寝た。
起きた。
一応アラームを7:30にかけてはいたが、自然に7時過ぎに目が覚めた。追加の眠気もなかったので、再び出発。空はだいぶ明るくなっており、山に囲まれてさえいなければ綺麗な朝日が拝めたかも、という感じ。
山鹿市街地に入るまではのどかな田舎の風景が続き、謎の要塞感を醸し出すオムロンも出現する。初見では女性の頭に亀が乗っているように見える山鹿灯篭の踊り子さんの銅像のある橋などを渡り、いつの間にか周囲はすっかり朝。せわしない通勤の空気をまとった地元ナンバーに混じって、非常に場違いな修羅の国ナンバー。なんかすいません。

そうこうしていると、再び強烈な眠気が襲ってきたため、植木IC手前のローソンに飛び込んでまた仮眠タイム。R.I.P。


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