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センバツ 広陵vs敦賀気比 見どころ

大会2日目 第1試合

広陵  vs  敦賀気比

好ゲーム必至の名門校対決

初戦から秋の中国チャンピオン広陵と北信越チャンピオン敦賀気比の名門校対決となった。
近代の高校野球を語る上では欠かせない両校だけにとても楽しみな対戦だ。

戦力も遜色なく好ゲームが期待される。

面白い発言があった。
「右投手にはだいたい対応出来る、冬の間に140キロを超えてくる左を打てるようにならないと」
去年の秋、神宮の初戦4-8で大阪桐蔭に敗れた後の敦賀気比・東監督の言葉だ。

秋の神宮では大阪桐蔭の先発右腕川原投手から5回4得点、中盤まで互角以上の戦いをしたもののリリーフした前田投手を打てずに逆転負けを喫した。
その試合から見つかった課題である。

一方の広陵は神宮で決勝まで勝ち進み、大阪桐蔭と対戦した。結果は7-11の敗戦。
こちらは敦賀気比とは対称的に序盤から大量リードを許す展開で、終盤に追い上げを見せるも届かずに敗退した。先発して大阪桐蔭打線に捕まったエース森山が連投であった点、そして終盤の追い上げ、と敗れはしたものの中井監督は納得のいく部分があったのではないかと推測する。

さて、その両校の対戦である。

右投手との対戦に自信を持つ敦賀気比・東監督の前に立ちはだかるのは、広陵の速球派右腕・森山、松林の両投手。
ともに常時140キロを越える今大会の注目右腕だ。リリーフにサウスポー中谷、内海が控えてはいるが、やはり軸は2人の右腕になる。

エース森山は恵まれた体躯からの重そうなストレートに目を奪われるが、非常に曲がりの大きいカーブが印象的。中国、神宮の試合を見ると思わず打者の腰が引ける光景が何度もあった。
神宮で146キロを計測した右スリークォーター気味の松林は森山とは少しタイプの違う好投手だ。

一方の敦賀気比は昨夏から4番も兼ねるエース上加世田への比重が大きい。U15でも活躍した経験を持つ。ストレートはMAX144キロだが、印象としては130キロ代後半のストレートとキレのあるスライダーで丁寧にコーナーを突き詰まらせるタイプの投手。リリーフ陣に不安は残すが、昨年も公式戦初登板のサード本田がセンバツで好投して夏にはエースに成長したことから、あっと驚く展開が待っているかもしれない。

打線に目を向けると広陵は内海、真鍋という2人の強打者の存在が大きい。特に2年生になる真鍋はスケールが大きく今大会注目の強打者。中井監督は「現段階では金本の同時代より上」と話している。
だが筆者は2人のスラッガー以上にチームとしての選球眼、そして小技を含む機動力からプレッシャーをかけるのが広陵打線の強みと感じている。

敦賀気比は神宮でも活躍した先頭打者浜野のセンスと春山、上加世田の強打が光る。大阪桐蔭・川原の速球に力負けすることなく攻略した攻撃力は見事だった。長打力もあるが大振りせず、全員が低く強い打球を心がけており相手投手にとってやりにくい打線だと言える。バント・盗塁数は多くなく、どちらかというとオーソドックスな攻撃スタイルを展開する。

試合展開としては投手戦よりも、両校とも5点目を取りに行く勝負になるのではないかと予想する。

どのように最小失点でしのぐか、またどのように得点を重ねるか、ともにセンバツ優勝経験のある中井・東両監督の手腕が問われる、目が離せない一戦になりそうだ。

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