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【特別コラボ】『伝説の論理思考講座(東大ケーススタディ研究会 編)』著者に聞く!ケース面接対策法

本日は、『東大ケーススタディ研究会 伝説の「論理思考」講座 〜ケース問題で「広い視野」「深い思考」をいっきに鍛える〜』の著者である白木湊さんを特別ゲストとしてお招きし、コンサル就活・ケース面接をテーマに特別対談を行いました。

白木さんは元々東大ケーススタディ研究会のメンバーで、コンサルティングファームに勤める傍ら、外資就活.comでの記事執筆や書籍の出版、ロジカルシンキング講座の開催等、ケース面接やコンサル就活の領域のプロフェッショナルとして積極的に活動されてきました。

今回の対談では、そんな白木さんに

・ケース面接で求められる「考える力」の正体

・小手先のテクニックではなく、真のケース力を身につけるためのトレーニング方法
・今後のケース面接の傾向はどう変化するのか?

をはじめ、ケース面接やコンサル就活に関して、徹底的に掘り下げていきます。

ありきたりな内容ではなく、お互いの専門領域だからこその濃い記事となっているので、コンサルティング業界を目指す方には必見です。

ぜひ最後までご覧ください!

白木 湊(しらき みなと)Minato Shiraki
「東大生が書いた」シリーズで有名な東大ケーススタディ研究会メンバー2011年、東京大学理学部卒業。2013年、東京大学大学院理学系研究科修了。同年より外資系コンサルティングファームで経営コンサルタントとして勤務、マネージャーとしてさまざまな企業のコンサルティングに従事する。2021年より日系コンサルティングファームのマネージャー。
 大学院修了以来、大学生や新社会人を対象に「論理思考」に関する個別指導の実施や、外資就活.com等でのWebコラムの執筆経験も多数。直近はご自身の論理思考講座を開催中(詳細は記事の最後に)著書に『東大ケーススタディ研究会伝説の「論理思考」講座』(2022年発売、第三刷:3万部)がある。

▲こちらの書籍は代表自身も感銘を受けた書であり、マンツーマン指導のお客様には必読の書籍として推薦しています。


オープニング〜白木さんについて〜

――白木さん、本日はよろしくお願いします。

白木さん(以下白木)「どうぞよろしくお願いします。」

――最初に、白木さんの活動内容について教えていただけますか?

白木「はい。元々私は東大ケーススタディ研究会という組織に所属しており、新卒でコンサルティング業界に就職して以来、ファームでの勤務の傍ら、外資就活ドットコムさんにてロジカルシンキングやケース面接に関する記事の執筆や、友人経由の紹介で就活生に対するマンツーマン指導を行っていました。また直近の活動として、ケース面接対策講座のセミナーを開催しています。」

――様々な媒体で、ケース面接に関する発信や指導をされてきている白木さんですが、指導において大事にしていることはありますか?

白木「基礎力の養成を大切にしています。どうしてもケース対策というと小手先のテクニックが強調されがちです。しかし、面接官が見ているのは小手先のテクニックが身についているかではなく、候補者の方がロジカルシンキング、つまり「考える力」を身につけているか、ということですから、指導においてはまずはその「考える力」をしっかり身につけていただくことを重視しています」

――基礎力の養成を大事にされているんですね。確かに、我々も「知ってるか知っていないかで大きく振る舞いが変わるようなテクニックやコツ」最低限お客様にはお伝えしつつも、ベースとなる「考える力」をしっかり鍛えられるようなコンテンツや指導の設計を心がけています。個人的にはここのテクニックと本質的な力のバランスが大事で、感覚的な話にはなりますが、それぞれ3:7くらいの配分で意識できていると良いのではと考えています。テクニックだけで固めている人は面接官からはすぐに分かるので、しっかりと本質的な思考力を伸ばすことに、就活生や転職を考えている方は目を向けるようにしていただきたいですね。

ーー具体的にどのようにそうした「考える力」をどのように鍛えるのか?については詳細に後ほどお聞きできればと思います。

ケース面接の出題傾向はどう変わるか?

――上の話にも関連しますが、「考える力」をしっかりと見抜くためにも、対策本にあまり載っていないような発展系のケースが今後増えていくのではないかと我々は考えています。実際、ベインやカーニーの面接で直近新しい傾向が見られています。

いわゆる「〇〇の市場規模」「カラオケの売上向上」のような典型的な問題は、皆さんの対策を結構されているという背景もあって、候補者の実力を見抜くのにふさわしく無くなってくるのかなと思っていますが、白木さんはどのようにお考えでしょうか?

白木「確かにパターン暗記で解けるような問題は無くなっていくでしょうね。特に、店舗系・小売系の売上向上のお題だとアイドルタイムの稼働率を上げることがボトルネックになりがちなので、取り組むべき課題が明確で「まずはそこを考えれば良いよね」みたいなある程度最適解が見えてしまっています。そういうお題は確かに減ってくるかもしれませんね。とはいえ、一見典型的でつまらないお題に見えても、質疑応答で詳細を深掘りしていけば、しっかりと候補者の方の考える力を見抜けるような問題が多いのもまた事実です。多かれ少なかれ昔から、一筋縄ではいかないような問題を出題しようという考えは出題側にはあったはずですから、いわゆる「〇〇の売上向上」のような従来型の問題が今後姿を消すということはないと思います。

――なるほど、若干の変化はありつつ、ケース面接という選考のしかただったり、お題の形式それ自体は大きくは変化しないという見立てなのですね。

ケース面接で重要な「考える力」とは?

――では、先ほど話に出ていた「考える力」について深ぼらせてください。

白木「面接で見ている「考える力」というのは、入社後の研修とかで教えればできるようになるようなこと(MECEであることや、綺麗に構造化されていること)ではなく、例えば当事者意識や主体性を持って考えられているのか?、ということや、トヨタ方式のなぜを5回するのようなwhyをひたすら深ぼる姿勢だったり、1つ可能性ではなく複数の可能性を検討できるかだったり、そういった様々なスキルの総合力のことだと考えています。
 こうしたスキルは普段から思考する癖がしっかりついている人であれば、特に教わったりしなくても身についていると思いますし、そういった方は短期的にいわゆるケースの対策をすれば内定できるんじゃないかなと思います」

――なるほど。結構具体的でかつ興味深い要素ですね。ちなみに今出てきたような「考える力」の具体化・言語化は白木さんの書籍である「伝説の論理思考講座」でもしっかり行われていて個人的にすごく感銘を受けました。

白木「ありがとうございます。そこは重視して執筆したので嬉しいです。」

ーー個人的には東大ケーススタディ研究会の書籍で言うならば、以前からあったフェルミ、ケースのほうは入門本という印象が強い反面、今回の書籍は中級者〜上級者であっても非常に学びになる内容だなと思ったのですが、がいかがでしょうか?

白木「「私としては『入門書』のつもりで執筆はしました。『最低限これくらいのことはできないと内定を取るのは難しいんじゃないかな』と考える基礎的なことを書いたつもりです。ただ、基礎的な内容とは述べましたが、常に・確実にミスなく実施するとなると、かなりの難易度です。実際、私も、今でも少なからず書籍に記載したようなミスをしているのが現実です。そういう意味では広い範囲の方に学びのある内容になっているかもしれません。」

「考える力」を身につけるためには?

ーー次に、そうした「考える力」が現状身についていない方に対して、白木さんならどのようなことをするべき、とアドバイスをするのでしょうか?

白木「結論、普段からとにかく考える癖をつけるということだと思います。TVでCMをみたら、そのCMの意図だったり戦略に思いを馳せてみたり。コンビニに入った時に『自分が何を考えて選んでいるのか?』を考えてみたり。普段からアンテナ貼って物事を見てるかが大事で、これは私は思考力の延長だと捉えています。」

ーー我々もお客様に普段からよく考えるようには言っています。コンビニに入って新商品があったら「それが流行るのか流行らないのか?」予測を立ててみたり、電車に乗って広告を見たら、「なぜその商品が今その場で、なぜその訴求で行われているのか?」と考えたり、とにかくアンテナを張って、日常から考える癖をつけるようにおすすめしています。実はこれって、思考力が鍛えられるだけじゃなくて、非常に"活きた"インプットなんですよね。ケース面接で発表する施策に使えるアイデアの種がそこら中に転がっています。

白木「とにかく普段から癖をつけていれば、考える力は自然に身につくと思います。」

ーーなるほど。そういった日常で考える、という際に工夫するべきことはありますか?

白木「①自分の頭だけで考えず調べたり人と議論したりする②頭の中だけだと整理されないので紙にメモしながら考える③自分ごとで考える の3つが大事かなと思います」

ーーなるほどです。ちなみに、3つ目の「自分ごとで考える」に関して、自分ごとで考える場合とそうでない場合でどのような差異があるのか詳しく教えてもらえますか?

白木「コンサルでよく言われることに『他人事じゃなくて自分ごとで考えろ』というのがあって、「当事者意識」や「主体性」「リーダーシップ」みたいな言い方をするケースもありますが、それをすることで思考が机上の空論ではなく、具体的でリアルな想像や分析に根ざしたものになるのですよね。
 例えばカラオケの売上向上だったとして、具体的に店舗を頭の中で想像して「1日の営業の流れで店長がどんなこと考えているのか?」「店舗にどのような課題があるのか?」のような思考をすることで、課題の発見や施策の立案を行う際の解像度が上がります。」

ーー我々も普段指導していて、お客さんの発表で結論で出てきた施策がいまいちリアリティがないものなので、「それって本当に〇〇さんが店長だったらやるの?」と聞くと「どうでしょう…」のように言い淀んでしまうことがあります。それはやはり「自分ごとで考えられてない」ゆえに、生じている問題なのでしょうね。

中途半端に対策すると逆効果?

白木「中途半端にロジカルシンキングだったりツリー構造のようなものを学んだ結果、それまで普通に考えていた時にはできていた考えるということができなくなってしまう人もよくいます。自分がこれまで指導してきたのは、東大の学生が多かったのですが、対策の初期では東大生であっても半分程度の方がそうしたいわゆる”対策病"に陥っていました。」

ーー「ロジカルシンキング」と聞くと、構造化だったりイシューツリーのような「うまく整理する」手法だと考えてしまう方が多いと思いますが、白木さんのお話を伺っていると、「具体的に考える」「自分ごとで考える」「なぜを繰り返す」のような「深く思考をする」手法までがセットになっていることがわかります。そしてケース面接で重要なのは、構造化やツリーのような「うまく整理する力」よりも「深く思考をする力」だ、ということなのですね。

インプット学習は不要?

ーー書籍を読んだりするインプット学習はあまり必要ではないのでしょうか?

白木「基本は普段の癖が大事なのですが、そうはいっても座学が効く領域もあるとは思っています。私自身もマンツーマンで指導の際にはある程度は頻出の業界についての事例だったりをインプットしてもらってます。というのも、事例を知ることが普段思考する際にヒントになったりもするからです。
 またケース面接においてはある程度頻出のテーマ・業界が存在して、そういった事前の知識があった方が有利になるお題(思考力を見る上で筋の良くない問題)に対しては、事例のインプットとそのアナロジーが効果的だったりはしますからね。ただし、面接官の立場からすると、このような対策が効率的なケースは基本的に望ましくないので、対策やインプットが効果的なケース問題は避けられるでしょうから、座学がそこまで重要とは考えていません。」

ーー個人的には、2つ目のポイントに関連しますが、実際の施策事例やビジネスモデルのインプットがない状態で一人で頭の中で思考しても、思考が浅くなってしまうので、一定のインプット学習をしておくことで、日常での思考のトレーニングの質にも相乗効果があるのではと考えています。

オーソドックスな売上向上問題でも差をつける方法

ーー少し具体的な話になるのですが、昨今登場しているような発展的なケースではなく、「カフェの売上向上」「カラオケの売上向上」のような、オーソドックスなケース問題の場合、課題もある程度明確ですし、施策単体で評価されるようなオリジナリティあふれるかつ妥当性も高いような施策を出すことは難しいのではないか?という悩みを先日お客さんから頂きました。白木様はこの疑問、どうお考えになりますか?

白木「結論としては、質疑応答で見るということになると思いますね。もちろん、発表内容が非論理的であれば、そこで評価が低くなると思います。しかし、発表内容が論理的であったとしても、覚えている内容を話しているだけの可能性もありますので、高い評価を与えることはできません。その場合、次は質疑応答で見ることになります。
 例えば課題自体はありきたりだったとしても、どこまでその課題の背景にある重要な点を押さえられているかは見たりします。例えば、『昼の時間帯の稼働率が低いのでそれが課題です』ということをおっしゃられたとして、なぜそれが課題なのか?という問いに、ただ『空いているから』じゃなくて『店舗型ビジネスは固定費率が高いから』というところまで言えるのかを確認します。
 あとは絶対に対策してきていないような、細かい論点について深ぼることはあります。例えばその店舗のコスト構造に関する議論だったり、コストの中でも販促費の部分だけにフォーカスした深掘りだったり『流石に事前には対策できないよな』という部分でその人の自力を見るということはあると思います。」

ーーありがとうございます。発表のところでも「前にその問題の解説を本で読んだ」程度であれば、自分で説明するという過程でボロが出て、自分で思考していないことが露呈するパターンもありそうです。

ちなみに、全体の議論にインパクトの低い論点に時間を割くのは原則NGというのが原則だと思いますが、面接の中ではそういうイレギュラーなことが起こりうるということでしょうか?

白木「ええ、おっしゃる通りなのですが、面接ではあくまで思考力を見抜くことが目的なので、そうした瑣末なポイントの深掘りで自力を見ようとする面接官は結構多いですね。もちろん自らそうした議論をすると、問いに答える上で何が重要なのかを判断できていないという意味で減点になる可能性が高いので、あくまで面接官から問われた場合が例外と割り切ってください。」

考える力は対策で伸びるのか?

ーー最後に、ここまで議論してきたような「考える力」を基盤にした真のケース力が現状まだ身についていない方であっても、対策やトレーニングを真剣に行うことで、真のケース力を習得することは可能なのか?という問いにお答えいただけますでしょうか?

白木「結論、私は伸びると思っています。数ヶ月〜半年しっかり長期的に取り組む前提であれば、ケース対策という枠組みでのインプットやトレーニングはもちろん、日常からアンテナを張って様々な思考をする癖付けをしっかりと行い、それを長期間継続することで変化が現れてくると思います。」

ーー長期的に取り組めば十分に伸ばすことは可能と考えているのですね。

白木「ええ。期間は対策を始めた時点でのレベルによります。はじめた時点で既に思考力の高い方であれば、少し対策を行っただけで仕上がってしまうこともありましたし、そうでない方はじっくりとトレーニングすることが必要です。
 いずれにしても、早い段階で信頼できる方に見てもらって自分の現状の立ち位置を把握しないことには、自分に必要な期間がどれほどなのかはわかりませんから、まずは信頼できる人に見てもらって、必要なトレーニングや必要な期間をみてもらうことをお勧めします。」

ーー小手先のテクニックではなく、真の力を身につけるのは、一朝一夕にできるものではないのは同感です。我々のお客さんでも1ヶ月等の短期的な支援でMBBに内定した方も数多くいますが、元々ビジネスが好きでよく考える癖がついていたり、日々様々なことにアンテナをはっているような方が多かったです。もしそういうことに自信がない人は腰を据えて「考える力」を磨くことを目指してみてください。

ーー最後に白木さんから何かございますか?

白木「今後も定期的にケース面接講座を行っていくだけでなく、学生の方や社会人の方を対象に個別の1on1に近いような形でのケース面接に関するサービスを行っていく予定です。最新のサービス情報はこちらのアカウントでお知らせしますので、是非フォローをお願いします。」

ーー白木さん、ありがとうございました。

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