見出し画像

配信モデレーターで最も大事なこと


1.はじめに

 この記事は、以前書いた↑の記事の中から、単発のトピックを取り上げて掘り下げたもの。
 この記事で扱うのは、↑の2(4)で書いた「モデレーターとして真に重要なこと」。そこでは、モデレーターにおいて最も重要なのは信頼だという話を書いた。そのことを、もうちょっと掘り下げていこうと思う。
 ちなみに、モデレーターとして最も重要なのは信頼だというのは、あくまで個人的な意見である。特に一般的な共通了解などではない。

2.誰からの信頼が、なぜ必要なのか

(1)配信者からの信頼

 モデレーターは、まず配信者からの信頼を得なければいけない。もちろん、配信者はあなたを信頼してモデレーターにしたのだろう。しかし、それはあくまで単なる「期待」にすぎない。モデレーターとしての期待に応えうるかは、未だ未知数なのだ。
 対処しなければならない事態に対し、適切かつ迅速に対応できるか。逆に、対処してはいけないにもかかわらず、不適切に対応してしまっていないか。そういうところを見て、配信者は「任せて正解だった」「ちょっと荷が重かったかな」などと評価をしていくのだ。
 配信者から信頼されれば、ある程度裁量を認めて貰える(ことが多いはず)。そうすれば、モデレーターも自分なりの判断で対応することができ、やりやすくなっていく。
 たとえば、私の場合であれば、定型文を流すだとか、リスナーからの質問に(私が答えても問題なさそうなものは)答える、リスナーが求めていそうな情報を提供する等々のことをやったりしている。これは、そうした方が結果的に楽だからやっているのだが(他のリスナーが間違った回答をして混乱したりややこしいことになるため)、モデレーターになりたててこれをやるのは結構きついと思う。「そういうことをやっても良い」という明示的な許可を貰っているわけではないが、「キャス狐がやっていることは、結果として良い方向に向かう」という信頼があれば、そういうことをやることも黙認されるようになるし、動きやすくなっていく。
 配信者から信頼されるかどうかで、モデレーターとしての行動の幅も変わってくるので、やりやすさも段違いになっていくということだ。

(2)リスナーからの信頼

 配信者からの信頼だけではなく、リスナーからの信頼も必要となる。リスナーからの信頼がないと、リスナーはモデレーターに従ってくれないし、モデレーターに反発してさらにコメント欄が荒れたりする。あるいは、リスナー同士で他のリスナーに注意したりし始めて、コメント欄がカオスになりがちだ。
 モデレーターがリスナーから信頼されれば、モデレーターが注意したりすれば従ってくれるし、不適切なコメントがあってもリスナー同士で注意したりせず、スルーしてくれる。そうすると、不適切なコメントがあっても誰も反応せず、モデレーターが粛々と削除やタイムアウトをして、何事もなかったかのようにコメント欄が流れていく。そういう理想的なコメント欄になっていく。

 では、どうすればリスナーから信頼して貰えるのか。
 配信者が信頼してモデレーターになったといっても、リスナーの預かり知らぬ事情であるから、リスナーからすれば「誰だよお前」ということになりかねない。基本的には常連がモデレーターになることが多いと思うので、「あの人か、あの人がモデレーターになるなら納得」ということも多いだろうが、必ずしもそうなるとは言い切れない。

3.どうやって信頼を得るのか

(1)配信者からの信頼

 配信者から信頼されるためには、配信者の意に沿ったモデレートをすればよい。削除やBANして欲しい場合に削除・BANをし、逆に配信者が「そのくらいのコメントはまあいいかな」と思ったときに削除・BANしないことだ。要するに、配信者と同じように考えて対応すればいい。
 削除・BANして欲しいのにしてくれなかったら、モデレーターとしての存在価値はなくなる。逆に、何もしないで欲しいのに削除・BANされたら、やはり「余計なことをする人」という認識をされてしまう。
 配信者から削除・BANの基準は言い渡されているかもしれないが、重要なのは、その基準を表面的に受け取って墨守することではない。配信者のスタンスはどういったものか、何をして欲しいのか。割と厳し目に対応して欲しいとか、基本的には余り何もしないで欲しいとか、色々あるはずなのだ。そういった配信者の考えを汲み取っていくことが大事だ。

(2)リスナーからの信頼

 リスナーからの信頼を得るために重要なのは、問題が生じたときに適切かつ迅速に対応すること。きちんと削除やBANをしないと、「このコメント削除してよ」「こいつさっさと追放してよ」となってしまう。また、対応されたとしても、5分も10分も放置されると、「モデレーターはコメント欄見てるの?」ってなってしまう。
スピーディに対応する必要もある。それによって、「このモデレーターはすぐにちゃんと対応できる、この人がいれば安心だ」となる。
 逆に、過剰に対応することもよくない。この辺も、モデレーターになりたての人が案外犯しがちのミスだ。つまり、「ちゃんとやらなきゃ」と張り切りすぎて、削除したりBANするほどではないにもかかわらず、削除やBANしてしまうことがある。場合によっては、よく読んだら問題のないコメントなのに、特定のフレーズに反応して「これは削除しなきゃ!」となって削除したり誤BANしてしまうこともある。実際、私もやってしまったことは何度かある。そうならないように逸りすぎないことも大事だし、万が一誤BANしてしまった場合にはちゃんと非を認めて謝ろう。

 それと、私が意識しているのは、きちんと説明すること。語弊を恐れずにいえば、モデレーターとは権力者なのだ。リスナーを配信から除外する権力を持っている。けれども、モデレーターが独善的に振る舞っていると認識されてしまったら、信頼を失う。
 だから、削除したりBANしたのはなぜなのか。なぜそのコメントが許されないのか。それをきちんと説明することが大事だと思う。それによってリスナーも納得するだろうし、「このモデレーターは、ちゃんと考えて行動するし、それをリスナーにちゃんと説明する姿勢のある人だ」と認識して貰えるだろう。

4.おわりに

 モデレーターは信頼を得ることが大事だと書いたけど、信頼を得たら終わりなわけではないし、慢心も驕りもいけない。常により良くすることを考えなければいけないと思う。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?