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設計の段階から、主寝室はそこまで大きくする必要はないと思っていた。30㎡弱の広さしかないが、それで十分。

主寝室に隣り合わせたウォークインクローゼットとバスルームそれぞれが収納スペースたっぷり(というか、バスルーム広すぎ)なので、ベッドとサイドテーブル以外に家具を置く必要がない。二つの寝室の間はオフィスというか工房スペースなので、そこにも私たちの居場所はある。もし仮に、仮に、だ、上の4部屋が今後常にお客さんでいっぱいになっていたとしても、それでも階下の半分は私たちの居住スペース兼収納倉庫、オフィス工房スペースなので、やはり私たちの「個人のスペース」はそれなりに保つことができる。

そして何より、平面のこじんまりさを補う天井の高さ。広々感じる3.7m。

この時、ブロックとセメントだけの状態のこの部屋を、ここから漆喰塗ってシーラー塗って、ペンキを塗っていきます。先に済ませておいた北側の寝室2と同様、窓の上にぽっかり空いた空間があるので、そこも空きボトルで埋めていきます。

 それと、クロゼットのドアスペースと、バスルームのドアスペースの間に約80cmの隙間があり、ここは元々は土壁にしようとしていた(んだけど、ご存知のように土壁中止)。なのでここはレンガで埋めなければ。

 まず、この二つの空間を埋め埋めする作業から。

窓の上のスペースがボトル埋め込みの場所


 この時、窓の外はテラスの天板を作る作業の真っ最中。分厚いアルミのシルバーで、昼間は反射がキツくて目がやられるというか、何もできない。朝起きてすぐにセメントを練って、ボトルを置いてセメントで固定する。下の段が乾かないと次も固定できないので、朝のうちにできるのは一段だけ。そしてまた夕方日が陰ってからもう一段。

 その間にレンガ積み。ここも、やはり同じ理由で一度に何段も重ねていくことができない(と素人は万が一を考えている)。

 朝と夕方の合間は、同じくセメントを練ったもので壁や天井のブロックの隙間(隙間に見えるだけで、貫通はしていない。よかったよかった)を埋めていく。

 一日中、セメント。

 でもね、半年以上の間、週3〜4日、毎日数時間、こういう作業してきて体が慣れてきたのかもしれない。道具や体の使い方も慣れてきたのかもしれない。割とスイスイ行けるようになってきた。

いらんことするのは必ずエビ

 窓の上にボトルを並べて数日後、残念な知らせが届いた。

 私がメキシコで暮らすようになって最初に仕事を手伝ったテキーラ会社の社長ベトさん。彼がコロナにかかり、クリスマス直前から入院して約1ヶ月の闘病の末亡くなった。数年前には心臓病の手術もして元気になり、この地発祥のチャーロ(カウボーイのロープ競技)のシニア選手として復活したばかりだったのに。とても敬虔なカトリック信者で、いつも胸のポケットに家族の写真とマリア様のカードを入れていた。私に親身にテキーラの作り方や畑の管理の仕方を何度も何度も教えてくれた。

 ベトさんの作ったテキーラと彼に敬意を表して、南に向いたこのスペースのど真ん中に、彼のテキーラボトルを置いた。

真ん中にベトさんのボトルを置きました

 漆喰塗りもなかなか(素人の割には)スイスイいくようになった。天井に漆喰を塗る作業も、乾季真っ最中だからか?わりに楽にそしてうまくできるようになった。部屋全体の漆喰も味のある感じに仕上がり、色もいい具合に塗れた。少しくすんだアップルグリーン、とでも言う感じ。

廃墟感ある?いいえ、新築です。
漆喰塗りもスイスイいけるようになりました

色塗りしている間に、脚立にカニちゃんが登ってまったりしている姿がなかなか様になったのでいい写真撮れた。

まだ子猫っぽさあるよね、カニちゃん

 床も、ペンキを何色もハケでマーブルっぽく撒いて、薄く薄く塗り込んで。まあまあいいんでないの?ぐらいで。

大ちゃん先生のチェックも終了

 

何層にも薄く塗って

  この部屋を仕上げるのにかかったのは(途中あれこれやりつつ)2ヶ月半。お疲れ様でした〜。
この間ずっと、iPadで昔の歴史情報番組を流したり、歴史家の講演会などを流して聞いていたせいで、ずいぶんお勉強もできた。ありがたいありがたい。

新たに寝室として出来上がった部屋で最初にくつろぐのはもちろんエビ


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