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102.トウモロコシとカニちゃん

もうすぐ、今年の雨季が終わろうとしています。

この地方では6月から9月の終わりまでが雨季。雨と雨の間隔が広がり、最後に雨が降るのは大体10月10日。今年の雨量は平年並みのような気がします。去年がふりすぎだった。去年と比べると、当社比で半分程度。その代わり、今年の畑はバッタがすごい。奴らはなんでも食べるくせに、雑草は食べてくれない。

インゲンは6月のうちはまだバッタも小さかったので収穫できたが、7月半ばにはもう葉っぱは全て食べられてしまった。

その勢いで奴らはトウモロコシにしがみつき、若芽をかじりどんどん大きくなっていく。葉っぱを齧られたせいなのか、トウモロコシは背丈を伸ばさない。そのうち、嵐で数本が倒れてしまい、残ったものも幹の太さが去年より細い。それでも、少しずつ実をつけて少しずつ大きくなっていった。

こちらのとうもろこしは日本の黄色いスイートコーンのように甘くてジューシーではなく、ほんのり甘く、まるで玄米のようにムチムチもちもち、噛み締めるたびに穀物の甘味がしみじみと美味しい。塩も醤油もマヨネーズも何もいらない。茹でるときは皮付きで茹でる。トウモロコシ自身で蒸しているようだ。一枚一枚皮を外して中身が見えるまで、どんな姿なのかわからない。一粒一粒色が違い、淡いピンクや紫、緑がかった粒まである。食べるのを忘れてくるくる回しながら眺めてしまう。

翡翠のような緑の粒もあるし


葡萄のような紫の粒もあるし
紫も色々なトーンで美しいでしょ

雨季で朝晩冷え込むとやはりあったかいものが欲しくなる。先日作って冷凍しておいたさつま揚げ、畑で取れた野菜、安いソーセージはギョニソ代わりに、それと初挑戦の「ちくわぶ」。小麦粉を練ったものをストローにアルミホイルを巻いたものにつけて蒸す。下茹でしておいた牛すじも入れちゃう。出汁をたっぷり吸い込んだ熱々のおでんを雨季寒の中食べる。最高やね。

はんぺんとかつみれはないけれど


メキシコでおでん作ってます


ある朝、犬の散歩を終えていつも通り猫たちを外に出してしばらくすると雨が降ってきた。結構な量の雨。猫たちは濡れるのを嫌い、テラスのドアに来て中に入れてくれと言っている。残りはカニちゃん。この土砂降りは結構続きそう。クマ夫がもう一つの玄関から外に出ると、屋根をつけ終えた横の通路で雨宿りをしているカニちゃんを見つけ、抱っこをして中に入ってきた。Everybody in!全員帰宅。もっと遊びたかったのにね。

で、突然始まった猫同士の喧嘩。いきなり激しく喧嘩し出したところで、彼らを止めようと階段の踊り場に行くと、カニちゃんの正面にエビ、3段上がったところにピッコ。カニちゃんの目から血が出ている。一番体の小さいカニちゃんを保護し、作業部屋に連れて行く。血を綺麗に拭いたあと少しその部屋で落ち着かせていると、様子を見にいったクマ夫がパニクってる。目から出ていた(もう出血は止まった)血を見て動揺して、彼女が失明したらどうするんだ!と。すぐにカニちゃんを連れていつもの動物病院に行く。先生によく見てもらって、3種類の投薬を支持される。目薬1が4時間置き、目薬2は12時間置き、抗生物質のシロップは一日一回。これをまずは1週間。ということで、しばらくカニちゃんは作業部屋にて隔離治療。

痛かったねぇ

一番体が小さく、でも運動神経は優れていて狩りの名手。夕方の犬の散歩にいつも一緒に出てちゃんと帰ってくるお利口さん。しばらく外にも出られない。夜中の投薬は夜型のクマ夫に任せ、クマ夫もそのまま作業部屋に泊まり込むことに。

 失明も心配したけど経過は先生も驚くほど順調で、1週間後には部屋から出られるようになった。そこからまた1週間は屋内で、ようやく外に出られるようになっても彼女は自分の状況をわかっているためかあまり遠くに行こうとしない。朝の投薬もちゃんと待ってくれている。なんて良い子。可愛いカニちゃんはうちの末娘だね。

 カニちゃんは滅多に鳴かない。他の猫のようにニャンとは鳴かない。小鳥の囀りのように「チッ」と声を出す程度。お散歩の道ではいつも、私たちについてくる時にチッチッと鳴きながら歩く。帰宅するときにはクマ夫は抱っこして入れる。怪我も良くなって今はもういつも通り庭で遊びまわっている。カニちゃん、喧嘩ふっかけられそうになったらすぐに逃げるんだよ。

お散歩にも一緒に出られるようになりました!

 畑で取れたトウモロコシを食べていると、カニちゃんがやってくる。目が私のもつトウモロコシにロックオン。まさか?と思って粒を与えてみると食べる食べる。もりもりトウモロコシの粒を食べる。再びまさか?と思って残り少なくなったトウモロコシを目の前に置くと芯に齧り付いてぼりぼり食べている。猫ってトウモロコシ、好きなんだね、知らなかった。カニちゃん以外はエビちゃんがちょっと食べる程度で、他の3匹は無反応。カニちゃんはキャベツやノパル(うちわサボテン)などもむしゃむしゃ食べるので野菜も好きらしい。


 面白い。5匹いれば5匹それぞれ。個性豊かなCasa Arkadiaの猫たちです。

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