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30. 人間のトイレの歴史を2ヶ月で辿る旅

先週のバイオトイレとその液肥についてまず追記。
「液肥は畑に撒く」は、気をつけないといけない点がある。
それは、畑で育てているものが生食用の葉物や生で食べる果物(きゅうり、トマトもふくむ)には直接かからないようにする必要がある。液肥には様々なバクテリアがいるので、それらがかかったレタスやトマトなどを水洗いしただけで食べるのはとても危険。なので、レタスなどの葉物は液肥がかからない場所で育てることにする。具体的には、家の裏側(北)に作る柵に垂直に棚などを作り、そこで液肥を使わずに栽培を計画している。また、畑には「撒く」というのではなく、地中に適度に穴を開けたホースを埋め込み、土の中で染み込ませていく方法をとる。こうすれば、直接食べる部分にかからなくなる。

さて、トイレ。
毎日、私かクマ夫かどちらかがArkadiaで寝泊まりするのだが、まだトイレ(便器)もバイオトイレ自体も設置していない。でも自然の摂理で出るものは出る。
それよりも前に、この土地で6ヶ月間作業していた彼らはトイレどうしてたの?日本の建設現場には必ず簡易トイレが設置されている。メキシコでもまあだいたい似たようなもの。けれどそれはまだ一般的ではないので、近隣のお宅に借りにいく。か、うちのように周囲が雑木林というか手付かずの土地があるのでそこでみんな済ませていた。小も大も。
 西側の空き地(低木が茂る雑木林)にはちょっとした窪地があり、周囲からも見えないこともあって大体みんなそこで済ませていた。
 地球は大きなトイレ。
 人間や動物の排泄物は土の栄養素にもなるし、使ったトイレットペーパーは3ヶ月で土に還る(らしい)。
 それなりに都会育ちの私たちの最初の試練はトイレ。

トイレその1 
何度も外でお世話になりました。
 けれど季節は変わり雨季になってくると、トイレに行きたくてもものすごい豪雨だったり、流石に夜は出歩く気にはなれない。草も一気に生えてきて、そのうちトイレまでの獣道すらわからなくなってしまった。
 

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朝などはお気楽お散歩中の牛さんにトイレ場所を阻まれてしまい、ちょっと困ることもあった。


トイレその2
建設チームが残していったペンキの蓋付空きバケツ(19L入り)。
これを、2階のバスルームの一つに置き、横に砂を入れておく。セメント練る際に使う砂を篩にかけ、余った小砂利まじりの砂をもう一つのバケツに入れておく。便器用バケツにトイレの便座を乗せて用を足したあと、そこに砂を少し振りかけておく。翌日、交代要員が来て自分が帰る時に、バケツを裏に持って行きノパル(うちわサボテン。もちろん食べられる)が10数本生えているあたりに穴を掘って中身を埋める。ノパルの栄養にもなる。それで茂ったノパルの新芽をトングで挟んで切り、棘をおとせば美味しいおかずやサラダになる。

トイレその3
バイオトイレを購入、設置する。設置してすぐ使えるわけではなく、タンク1に砂や新鮮(?)な牛糞を入れ、十日ほど熟成させる必要がある。その間、クマ夫は階段下の共有トイレを作る。まずはトイレの壁に漆喰、止め剤を塗る。雨季なので湿度が高く、狭いトイレは漆喰から発せられる熱と水分でサウナみたい。数日後、トイレの便器とタンクを設置し、配水パイプをつなぐ。だがしかし、まだ屋上の貯水タンクは設置していないので水は通らない。ようやくバイオトイレが使用可能になり、バケツじゃない「本当のトイレ」の便座に座って用を足した時、軽い感動を覚えた。これで文明の仲間入りができた(だけど流すお水はまだバケツから組んでいるので、言うなれば1950年代ぐらいまで戻ってきた感じ)

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この「トイレの歴史を辿る2ヶ月の旅」はなかなかなものだった。一段階ずつ現代に近づいていくに従ってワクワクというか、感動も一入。雨後の夜中のトイレも1人ではお互い不安(チキン)なので、クマ夫にドアの外であかりをつけて待っててもらい、その灯が見える範囲で用を足しているときなど「家の形はできたけど、このままだったらどうしよう」とちょっと不安になったりもした。
でもそれも、今となってはそこそこ良い思い出。
もちろん、お尻を蚊に刺されないようにトイレットペーパーでパタパタやりながら(「水どう」から学んだこと)。 

ちなみに、電気はお隣のホアキンさんから延長コードで借りています。毎月の彼らの平均使用量を引いた分を支払う形。

家の外の電球を保護するためにランプシェードが必要になり、リサイクルのオレンジドリンク3L入りボトルを使って、クマ夫がささっと拵えてくれる。これがまた良い感じなので、家の外壁はこれでいきましょう、ということに決定。

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