人生を決めた本
あなたは30歳の誕生日をどこで過ごしただろうか?
30歳の誕生日がこれから来る方は、どこで過ごす予定だろうか?
覚えていない、もしくはそんな場所は決めてない、という方がほとんどだろう。
私は30歳の誕生日はイタリア、フィレンツェのドゥオモで過ごしたいと、ずっと思っていた。
ここまででピンときた方、今すぐご連絡ください。
アマレット片手に語り合いましょう。
今日は 書くWeekly Challenge #03 のテーマより、
私の人生を決めた本をご紹介します。
「冷静と情熱のあいだ」という本
初めて読んだのは、たしか高校生の時。
本の中の世界に、熱烈に憧れた。
日本で運命の恋をした男女が、別れた後もお互いを想い続ける。
それぞれイタリアのミラノとフィレンツェで暮している。
2人には約束がある。
女性の30歳の誕生日に、一緒にフィレンツェのドゥオモに登るのだ。
離れていても2人は約束を覚えている。
そして30歳の誕生日を迎える。
江國香織さんと辻仁成さんが、女性視点、男性視点から1つのストーリーを書き、2つの本がセットとなっている。
授業中にも夢中で読んだ。
世界史の資料集でイタリアにまつわるページを読み込んだ。
その過程で美術史に興味を持ち、大学の専攻に選んだ。
大学の第二外国語はイタリア語を選んだ。
初めての海外旅行はもちろんイタリアだった。
一緒に行ったのは従姉妹。
古い石畳の細い道。
温かみのあるオレンジの屋根。
中世にタイムスリップしたような街並み。
美術館でルネサンスの絵画を飽きるまで観た。
フィレンツェのドゥオモはお休みの日で、登れなかった。
本と同じように、30歳の誕生日に愛する人と登りたいと思った。
そして30歳の誕生日
私はカリフォルニア、サンフランシスコ近郊の街にいた。
青い空。広い道。
近代的な建物。
美術館には現代アートやネイティブアメリカンのアートが並ぶ。
夫のアメリカ駐在に帯同する事に決め、数年間住んでいた。
現地の大学の授業を取ったり、国立公園へハイキングに行ったり、アメリカ生活を満喫していた。
フィレンツェとは全く違う街で、
愛する人と一緒に、楽しく30歳の誕生日を迎えた。
本と同じようには行かなかったけど、
これはこれで面白い人生。
本は私の人生の一部を決めたけど、
人生を楽しむのは自分。
フィレンツェのドゥオモは、60歳の誕生日に登りたい。
それまで夫と仲良くいられますように。