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書面でのやりとりと利益相反

 事業者からの相談で、新車の見積書を販売店に依頼したところ、値引き額が提示された見積書がファックスされてきた。
 (手書き文字ではないきちんとしたもの)

     それをユーザーに提示すると間髪入れずに「購入する」との返事があり、すぐに販売店に発注をかけた。

    事業者のインセンティブは1台いくら(紹介料)と決まっており、値引き額も販売価格も関係ない、らしい。

    ところが数日後、販売店の所長から「そんな額の値引きでは販売できない」と連絡が入り、条件を一方的に破棄する旨、通告があった。

     しかし、購入条件は相談事業者が提示したのではなく、販売店が見積書を書面でファックスしてきたものなので、事業者もさることながら、ユーザーが怒ってしまって大変らしい。

     相談事業者も面目丸つぶれで、当方に「販売店がこのように書面でした約束を一方的に破棄してもいいのか?」という問い合わせをしてきた、というわけだ。

     見積書をこちらにもファックス送信して来たが『有効期間は見積り時より30日間』とハッキリと明記してあり、相談時点においても期日は過ぎていない。

    ただ、送られてきた見積書には営業担当者の押印はあるものの責任者である所長等上司の印はなかった。

     ユーザーは「ファックスに書かれた金額で車を購入する」といい、販売店の所長は、「営業担当者が勝手にやったことでその見積書に書かれている額の値引きは出来ない。提示価格の半分程度(非公開)ならなんとかする」と言って押し問答になっている状況。

 

    販売店も譲歩しているようだが金額の乖離が大きく、ついにユーザーは相談事業者を介さず、「担当者と話をする」といって販売店に出向いたという。(なかなか骨っぽい)

 

    すると販売店の所長もこれに対し毅然と対応したようで「何度も言うが、当初の値引き額は担当者が確認もせず勝手にしたもの。その部分については謝るが、社として所長印のない見積書の金額では売れない」と、非は非として認め謝り、出来ないことは出来ないと撥ねつけたらしい。

 

    しかも、「これ以降、これ以上の問答については弊社顧問弁護士に連絡しておくのでそちらと話をしてほしい」と言われたという。

    そこで相談事業者が、当方が講習などで「約束は書面で」と言っていたことを思いだし、「こんなことがまかり通るのか?」と当方に聞いてきたわけだ。

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