新劇場版のみ見たオタクのシン・エヴァンゲリオンの感想-エヴァという作品への決着-


ふせったーにも書きましたが、感想の共有がしたいためnoteの方にも同様の内容を書きたいと思います。シン・エヴァンゲリオンのネタバレを多く含んでいますので気をつけてください















シン・エヴァンゲリオンを見た感想 

0.前置き
立場:新劇場版のエヴァンゲリオン序・破・Qのみ全て視聴。旧作のオチはなんとなく聞いてる程度
僕はこのエヴァンゲリオンという作品を最後まで描き切った庵野秀明監督に感謝します

1.始めに
エヴァンゲリオンはいつかみたい名作のうちの一つとしてなんとなく見ていなかった。破のみテレビ放送でなんとなく見ており、「今日の日はさよなら」が流れる中でアスカが喰われるシーンはかなりキツかった
そして気づいたらシン・エヴァンゲリオンの公開日が目前。流行りに乗るために3月5日頃から見始めた。

2.シンの前の感想
序では「ミサトの距離感おかしい」とか「よく分からない人造人間にいきなり乗せられ転向して早々に殴るシンジくんかわいそう」「速攻で殴り返せるシンジくん好き」など思いつつ、「笑えば良いと思うよ」のシーンで安堵し続きは見たいが見たくない状態になった。

破ではアスカが面倒くさくて嫌な奴ながらも懸命に務めを果たそうとしたり、綾波レイと共にシンジに影響されて料理をする姿が微笑ましいだけに、アスカが喰われたり綾波がシンジのために犠牲になるシーンはきついものがあった。普段距離感のおかしくておちゃらけたミサトがマジになって指揮官をやっている姿にかっこよさを見出したし、シンジのことを大切に想っていることもわかった。そして旧作にいなかったマリの登場、僕はなんとなく彼女がこの救いようのない絶望的なエヴァの世界を救ってくれる救世主に見えた。

Qでは破で行ったシンジの行動が裏目に出てにさサードインパクトが起き世界が滅びかけた重い現実、殴ってくるしガキ扱いしてくるアスカ、シンジへの罪悪感の想いと周りへの示しとしてシンジに何もさせないミサト、何故だかシンジに気をかけてくれるカヲル、綾波レイじゃない綾波と情報過多だし、序盤の戦闘が初号機奪還シーンだと解説を見てやっと理解するなど情報過多!終盤のフォースインパクトなんか?ばっかりだったよ!そしてカヲル君の忠告を聞いても良かったんじゃないかなシンジ君!!!と言うあらゆる思いがあった(笑)続編が出るまで9年待たされたファンきつい終わりかただし…まぁシンゴジラは名作だったけど!

3.シンの感想
そして念願のシン・エヴァンゲリオン、ネタバレを食らう前にTwitterをなるべく見ないようにして宇多田ヒカルのOne Last Kissが流れる予告を繰り返し見る。宇多田ヒカルの声をこびりつくほど聞き劇場へ向かう。

そこには愛があった。Qでは散々厄介者扱いされたシンジ君が愛される土地だった。かつての同級生達含めた生き残りが黒綾波に生きる喜び、命令以外の愛の道を教えるシーンはとても胸が締め付けられた。アスカに無理やりレーションを食わされ、黒綾波との会話と死をきっかけ立ち直ってアスカの立場に立つ余裕ができたシンジがかっこよかった。出会いと別れを繰り返して虚構(イマジナリー)に閉じこもるのではなく、現実に向き合って乗り越えた。自分のためだけに泣いて閉じこもるシンジは死んで、妻の死の孤独に囚われた言動よりも強くなった。初号機に自分の意思で乗り込み父と向き合うシーンここが一番よかった…やっっっっっとシンジに対する想いをぶつけるミサト、あの頃のシンジと上手く向き合えなかったミサトが、お互いに成長しお互いの選択を尊重するところでミサトとシンジ、2人の困難に立ち向かう大人が素晴らしかった。世界を変えるために自身を犠牲にしようとしたシンジの身代わりになる言動があれだけ会いたがってたユイ、母親が駆けつけた…愛ですよこれは…

最終決戦の始まりでの艦隊同士の対決ややアスカとマリの使徒化はかなり好きです…
父の過ちと生まれてきた息子を守るために戦う死を覚悟したミサトはかっこよかった…以前シンジに大人は戦わなくてずるいと言われていたけど、とても立派に戦っていた…髪がいつものミサトに戻るシーン大好きです…多分ミサトが一番好き…
裏切り者のマリのことをイスカリオテのマリアと呼ぶセンスよかった…
1人になったシンジを迎えにきたのが新劇場版でやってきた救世主のマリで良かった…

Qと比べるとかなり登場人物達の事情を説明してくれたので満足です。
カヲル君とシンジ君の関係性はよく分からなかったので解説を読みたいところだけどね!(笑)

4.「エヴァの呪縛」と「全てのエヴァにさよならすること」について
Qからアスカの口から「エヴァの呪縛」と言う言葉が出た。意味合いとしてはエヴァパイロットは老いない、人間と言えるか微妙なところであるとしていたが、これはエヴァという作に囚われた監督や視聴者のメタファーでもあるのかなと思った。エヴァという作品はあまりに抽象的で救いのない暗いエンディングであると聞いた。Qが終わった後に続きが気になり、いつまで経ってもエヴァンゲリオンを求め、囚われる視聴者や、エヴァンゲリオンという作品を描ききれない監督が老いないパイロットに重なる。

だからこそ、総監督である庵野秀明は最後は「すべてのエヴァンゲリオンにさよならを告げ、エヴァンゲリオンの存在しない我々が生きている世界に書き換えたかった」のかなと感じた。「エヴァンゲリオンという作品に本当の意味で区切りをつけてエヴァンゲリオンに囚われた全ての人を前に進めたい、人の愛でエヴァンゲリオンに囚われないで欲しい」という願いがあの結末にはあったのかなと思う。

5. 最後に

辛くて楽しい作品をありがとうございます。旧作や漫画を見た上でこの結末を噛み締めていきたいと思います。

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