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会社のお金は賢く正しく使おう

コロナ禍も出口に向かっているのに、経営は兎にも角にも経費削減を呼び掛けていませんか?
そうかと思えば今度はDXを推進しろと言っていたり…え~っと、会社も自動車もアクセルとブレーキを同時に踏んだら故障するって習わなかったのでしょうか。
っという冗談はさておき、今回は著書『マネージャーの問題地図』の5丁目 削減主義より問題点と改善案を考えたいと思います。

削減主義は百害あって一利なし

先ずは認識合わせから。
削減主義が引き起こす2大不幸は何といっても『お金を使うことは悪』という考えと『時間を使うことは悪』という考えが引き起こします。
お金を使わないという事は何でも内製化するか、取引先にタダで働いてもらうしかありません。根拠なき値引き交渉をしたり、なんでも相見積を取って競争させたりしていませんか?
次に時間を使わないという事は残業(申告)出来ない、勉強(成長)出来ないということです。指示された仕事をこなすだけの日々になっていませんか?
その結果何が起こるか。言わずもがなです。
取引先からは相手にされなくなり、有能な社員から順番に転職していきます。

原因解明

ではなぜそんなことが起こるのでしょうか。
理由は3つあると考えられます。
1.不況期の負の体験
  バブル崩壊時のムダだらけの時代に削減主義で成功した。
  その体験が削減できるはずという思い込みを生んでいる。
2.株主からの要求
  短期で売買する株主は持続的な成長よりも目先の利益を優先する。
  よって経常利益を多く見せるために経費削減を求める。
3.投資対効果に対する誤解
  少ない投資で大きな成果がでれば利益は大きくなる。数学的には正しい。
  しかしビジネスの世界では投資を減らせば比例して成果も減る。

当たり前ですね。それでも削減主義の経営者って一定数いるのも事実。
コスト削減でモチベートされる人はいないということを今一度認識してもらいたいです。

正しく削減

ではどうするか?前述の3つの理由の中にヒントがありました。
バブル崩壊時に企業は無駄を削減したのですから、今も無駄を削減すれば良いだけの話です。
当時と比べてテクノロジーは信じられないくらいに進化しました。つまりバブル崩壊時には削減できなかった無駄が、今なら削減できるようになってきているのです。
いくつか例を挙げてみましょう。
※業種・業態によって削減対象にならない点もあります

・意味のない会議
上意下達の通達が目的の会議なんかはもはや意味のない会議です。
メールで文書を送っても良いし、動画メッセージで伝えても良いです。もちろん一堂に会する必要もありません。
・煩雑な事務処理
押印手続きや経費処理って煩雑じゃないですか?ここもテクノロジーで十分削減効果が見込める分野です。
・会議調整
参加者の空き時間を調べて、空いている会議室を探して…この作業って時間ばかりかかる上に何も付加価値を生んでいません。ぜひ削減しましょう。
会議日程を調整するアプリもありますし、会議はオンラインで行えば良いのです。
・移動、通勤
リモートワークが実現できればどちらも削減できます。大企業だと他拠点展開しているので、役員や取締役達が集まろうとするとかなりのコストが発生します。飛行機はビジネスクラスが当たり前で、場合によっては自家用ジェットが必要になったり…
あとは社員の交通費ですね。

これらは今であれば削減可能なのではないでしょうか。

所詮は会社のお金、賢く正しく使おう

最後に、なにはともあれ会社というのはリソースを投下してそれ以上の利益を生み出し続けることが存在意義です。
後々の利益を生み出す準備にはお金を使うことはむしろ必要なことです。
研究、チャレンジ、学習の時間であったり、職場環境の維持・改善であったり。また、これからは人材確保が難しくなってくるので人件費も使うべき費用だと思います。

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