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メルツェルの人形狩り

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第1回逆噴射小説大賞の二次選考を突破した「人形狩り人形の長い夜」と、その続編を気が向いたら投稿しています。こちらも1回の投稿は400文字以内(※「続く」と「承前」の文字は除外)に…
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2018年12月の記事一覧

人形狩り人形と廃業の危機(#26)

(承前) 対物ライフルでの狙撃で壁に出来た風穴に身体を滑り込ませて僕らは六階から内部に侵…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#25)

(承前) 「それでは気を取り直してハックそしてスラッシュと行きますか」 現金なもので軽食…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#24)

(承前) 半透明の容器から銀紙に包まれたキッシュパイを取り出し、咀嚼する。 「この世のも…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#23)

(承前) 今のところは何ともない。今のところは。目を瞑れば、瞼の裏には青い炎が灯っている…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#22)

(承前) 「大丈夫か!?❝呪い返し❞は受けなかったのか!?」 呪い人形(つまり、現世を彷…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#21)

(承前) がしゃり。甲冑が鈍い音を立てて地面に落ちる音が背後から聞こえた。僅かに遅れて、…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#20)

(承前) 「ヴォルフガング!」 相棒の声。早朝の太陽。 ひび割れた床。見渡す限りの灰色の街。 何もかもが遠くに感じられる。 極度の集中。彼我のみが世界にあるような錯覚。 アカゾナエは力を溜めている。恐怖は無かった。 僕は、それを迎え撃つ。 「早く離れるのだ!」 相棒の声が聴こえる。 何かを言っている。 何を言っているのかは分からないが。 「そやつをグレネードで吹き飛ばす!」 赤い甲冑が跳躍した。質量と斜方投射による運動エネルギーで僕の頭に兜割りでも叩き込もうという

人形狩り人形と廃業の危機(#19)

(承前) 「ヴォルフガング、無茶だ。お前が戦うなど……」 僕とアカゾナエが、互いに半身に…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#18)

(承前) 赤い甲冑からは青い炎が立ち昇る。だが、何か様子がおかしい。 「こいつ、まだ戦う…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#17)

(承前) 魂を炙られたアカゾナエがたたらを踏んで、長剣を杖のようにして体勢を立て直す。そ…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#16)

(承前) 「アカゾナエって?」 「精鋭部隊が身に着けていたとされる赤い甲冑だ」 確かに事…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#15)

(承前) 敵の正体は見当がつかぬ。しかし挑まれたからには受けて立たねば。これは正当防衛だ…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#14)

(承前) 甲冑の増援は現れない。逐次投入からの各個撃破を避けようという知能が❝呪い人形❞…

グエン
6年前
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人形狩り人形と廃業の危機(#13)

(承前) オートマトンの脚力と推進剤を併用した跳躍、そして建築物の屋上から屋上への着地を繰り返しながら目的地を目指す。あの魔窟へ近付くごとに空気の淀みが強くなるように感じる。それは僕の不安から生まれる錯覚だったのかもしれないが……否、そうではない。剥き出しの敵意。何かが近づいてくる。建築物の屋上から屋上へと跳躍する黒い影。 「あれは……事務所を襲った例の甲冑か!?」 「一、二、三、四領が確認できた」 昨日の襲撃者は事務所の❝仕掛け❞を利用して損害無しで倒せたものの、今は