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[読書の記録]村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(2013.06.08読了)
村上春樹の新作を読んだ。(※本稿は2013年6月に書かれています)
すごく読みやすい的なことがネットや各誌で書かれていたのだが、個人的には読みにくいなぁと。。
続きが全然気にならない感じの文章がずっと続くのでページをめくる手が進まないというか。
1Q84はワクワク感とともに読める作品だっただけに、これは・・・
正直最後まで読みとおすのがやや苦痛だった。
それでも意地で最後まで読んだったが、ストーリー的にもなんか微妙かなと。
そもそも仲良しグループにある日突然シカトされたくらいで「死ぬことだけを」考えるようになって痩せてトラウマになる展開とかちょっとあり得なくないか。
再帰的な問いだが、いまの若者はもっとタフで柔軟で、地に足着いていて、賢いんじゃないだろうか?
少なくともメンヘラ女の言っていることで仲間を見捨てたりはしないだろう。
あと、無自覚モテ男=好感のもてるハンサムボーイ(リア充願望の結晶のような存在)ってのは、きょうびあんまりいないかなと
リア充層はだんだんハイブリッドになってて、わりとオタクと兼ねている。
カッコつけてないオレがカッコイイっていう自意識もない。
何の障害もなく自然に彼女できてましたパターンも、少なくとも私は共感できない。
春樹はこれまでと同じく、具体的な地名とか大学名とかで、作品世界を読者側の生活世界と共有化する戦略をとっているけど、この辺のズレ感が残念である。
あえての形式美ならそれはそれで文学としてアリだと思うが。。
まあ、主人公はロスジェネ世代ということなので、私には理解できないだけかもしれない。
30代の人が読めばまた違った感想を抱くかも。(※本稿を書いたタイミングで私は20代)
主題としては、相変わらず35歳問題を扱っている。人生の折り返し地点で、前半戦を清算しましょうというアレ。
自分に引き付けて考えると、なんか将来的に清算すべきことを今積み上げてる感覚は特に無いんだけども、もしいつか巡礼の年をやるとしたら、誰に会いに行きますかっていうのは、とりあえず考えたら楽しいかも。
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