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コミュ障で社会に適応していない私が今までの人生を振り返る壮大な自分史(13)

万全ではない朝

3日目の朝。
オードブル形式の朝食会場に行きますが、風邪気味のため全く食欲がわきません。
パンを一つとコーヒーしか取らなかったため、後輩からパンを一つあげましょうかと心配されるほどでした。
この会場にはエコノミクス甲子園関係者以外の団体も利用しているようで、朝食時に斜め前に座っていた外国人から「Hello」と声をかけられました。急に英語で話しかけられると上手く返せないもので、小声で「Yes……」とトンチンカンな挨拶を返しました。日本人は何でもYesと答える典型のようなものでしょうか(笑)。

朝食を終えると、部屋の荷物をまとめて決戦の地である大きなイベント会場に移動します。ここまでの過程で参加者同士が仲良くなっていることもあり、移動途中では和気あいあいとした様子が見られました。もちろん、私は体調があまり良くなかったため、他のチームはおろか相方ともほとんど会話を交わしなかったと思います。もしかしたら会話していたかもしれませんが、あまり記憶に残っていません。

いよいよ決戦開始

最初は4チームずつに分かれての早押しラウンド。
参加校の紹介も兼ねたラウンドで、時間の関係もあるのか2問しか出題されません。しかも間違えてもその問題に答えられなくなるだけでお手付きはありません。
正解したらリードにはなりますが、4チームに対して2問しか出題されないため仮に2問とも正解できなくても大きく差をつけられる心配がありません。ですが、当時の私はそこまで考える余裕なんかありません。
グループの分け方は五十音順で分けられます。「県立○○」という登録名だった我々は慶應義塾と同じグループになってしまうのではと思っていました。順番待ちをする通路では我々の直前に位置しており、同じグループになる可能性が濃厚でした。
クイズが進み自分たちの出番が近づくと、前のグループは慶應がケツで、次のグル-プのアタマが自分たちのチームであることが判明しました。
ほっとして、慶應の人にあなたたちと同じグループにならなくてよかったと話しかけると、二つ後ろのチームは予選でラサールに勝ったチームだから油断できないと言われました。そのチームは女子二人だったので、ここがラサールを倒したのかと驚きました。

大舞台での早押しクイズ

いよいよ自分たちの出番。大勢の観客が見守るステージ上に向かって歩みを進めます。
4チームが紹介され、いざ勝負開始。

第1問。「大阪の堂島米会所が世界で初めて/」
もらった。早押しボタンに力をこめる。
しかし、解答権を示すランプはついていない。隣のチームから解答が聞こえ、数秒後正解を示す音が流れる。

これが全国大会のレベルだと実感しました。分かって押せたと思っても、解答権が得られない。まさにレベルの高いクイズ大会で起こる現象です。

第2問。「日本経済新聞に掲載されている/」
隣からボタンを押す音が聞こえ、自分もとりあえず押す。頭の中に浮かんでできたのは「日経平均株価」ぐらいだ。もちろん確信なんてない。

「日経225」

数秒後に誤答のブザーが鳴り響く。
用意していた答えが誤答であると隣のチームによって証明されたため、答えの見当がつかなくなった。
問題の続きが読まれる。

「日本経済新聞に掲載されている企業の名物社長や文化人などが自身の半生を一か月に」

ここで問読みが止まる。ボタンを押したのは、ラサールを倒した女子チームである。

「わたしの履歴書」

正解の効果音がなり、拍手に包まれる。

完全に自分の知識にはなかった問題でした。
クイズをやっていればこういう問題に出くわすこともあり、レベルの高い大会であればなおさら知識外の問題が増えるものです。

チャンスはあった

「チキってボタン押さないとかするなよ」同級生にニコ生で配信されることを伝えたときに言われた言葉です。2問目に関しては、まさにその通りになってしまいました。

2問目の問題。実は押していればチャンスがあったのです。舞台裏で、相方と話しているとき、家で日経新聞を取っており私の履歴書というコーナーも読んだことがあるため分かっていたとのことでした。とりあえず押しておき、相方に聞いていれば答えられたかもしれません。千葉県予選でもすべて自分で答えていたため相方に託すという選択肢があたまのなかにはありませんでした。今思えば非常に惜しいことをしたものです。

後から知ったことですが、相方の父親は金融関係の会社に勤めているとのことです。それで日経新聞を取っているのだとか。一日分でもいいから日経新聞を読んでおけばよかったと思います。

早押しが終わると、昨日のプレゼングループで固まって背の順で並ぶようにという指示がでます。過去の全国大会の傾向から協力して戦うラウンドであることは想像できましたが、背の順に並ぶ意味は分かりません。どんなラウンドなのか考えを巡らせていましたが、単純に舞台上で記念撮影をするためだったことが判明します。

この後、相方の背がグループ内で一番低かったことが功を奏します。

チーム戦

撮影が終わると、舞台に上がったまま次のラウンドの説明へと進みます。このラウンドでは3択クイズが出題され、背の順で前にいる人から順番で答えていきます。正解なら列から抜け、間違えたらもう一度列の後ろに並びなおしです。8人全員が抜ければ上がりで、早く上がった順にポイントが加算されます。

1問目。クイズ大会の定石通り、最初はルールの把握という意味も込めた比較的簡単な問題が出題され、全チーム正解。うちの相方も無事に抜けることができました。

相方は私に連れてこられたため、経済についてあまり詳しくありません。現代社会の定期テストで100点中50点を取るレベルです。恐らく相方本人が一番緊張していたことでしょう。自分が足を引っ張ってはいけないというプレッシャーは計り知れません。

グループ戦になると、個人戦ではとはまた違った緊張感を味わうことになります。運よく自分の番では簡単な問題が出題されたため、一発で抜けることができ、チームに迷惑をかけなくて済んだと安堵しました。

最終的に自分たちのグループは真ん中くらいの順位で勝ち抜けることができました。この後、昼食休憩でまい泉のカツサンドが出ましたが、緊張のせいか味はよく覚えていません。

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