見出し画像

どうやって大工に弟子入りをしたか

大工に弟子入りをしたい、と思っている人の参考になるかもしれないと思ったので、自分のたどった道をご紹介します。
私の目標は「何でもできる人になる!」でした。


【簡単に自己紹介】
大工未経験で37歳から弟子入り。
本物の大工さんに弟子入りをしたくて、いろんな人に会いに行きまくり、歩き回ってたどり着いたのが今の親方です。
親方は手仕事・手刻みで建てる昔ながらの大工さん。

【補足】
現代はプレカット工法が主流です。(ハウスメーカーはほとんどそれ。)
プレカットとは、あらかじめ加工された材木を現場で組み立てる工法のことです。その方が早いんです。


本題に入ります。

よく尋ねられるのは「なぜ目指そうと思ったのか」、そして縁もゆかりもない土地でどうやって親方と出会ったのかです。

どうやって出会ったか

「何でもできる人になりたい」と思うようになった原点です。

当時、本業のかたわら趣味の域でモノづくりをしていました。
理想が高すぎなのか下手すぎるのか(どっちも?)
完成品はいつもイメージとかけ離れる始末で。。
そのたびに半べそです。


「道具をもっと使いこなせるようになりたい!」

「もっと色んな物を作りたい!」

「自分の小屋も作りたい!」

「基礎だって作れるようになりたい!」

「何でもできるようになりたい!!」

「なのにイメージ通りに作れない(泣)」

「いっそのこと職人さんに弟子入りしたい!!」

という感じで、思いは強くなるばかり。
仕事なんか行ってる場合じゃない!
(当時の仕事はフリーランスのような仕事でした。)

さてどうしようか、というわけで。

まずは調べまくった


最初にした事は、木工の専門学校や職業訓練校などを調べまくりました。
岐阜や長野などに多くありますね。

調べながらも何となく、これじゃないな~っていう感覚が離れないのです。

学費を払って、寮に入って
決められた時間数やコマ数を学友と共にみっちり学んで
教えられたやり方に沿って、カリキュラム通りに作っていく。

そういうのとは何か違うな~。
だって自分は、なんでもできる人になりたいんだから!
木工ができるだけの人じゃ満足しなかったのです。

だから、次に何をしたのかというと、

いろんな人に会いに行った


友人の知り合いの大工さんに会わせてもらったり、
最初に調べていた学校の卒業生の方々に会いに行ってみたり。
もちろんネットや YouTube で大工さんや家具職人さんも見ていました。

何でもできる人になるため、あてもなく人探しです!

出会う人の言葉の端々に注意する

気になった学校の卒業生と話せたときには、
「いま私と同じ立場だったら、もう一度その学校に入りたいですか?」
と質問するようにしていました。

この質問はけっこう本音を引き出せます。
学校見学のような場だと答えにくい質問かもしれません。
でも個人的に会っているからこそ正直な思いを聞けます。

「製作が辛かったからもう行きたくない」という方や
「また行きたい。」という方などさまざまでした。

出会う人のここを見ていた

その職人さんはプライドをもって仕事をしているか?
言葉遣いはどうか?品があるか、などをよく見るようにしていました。
そういうのを観察するのに手っ取り早いのは、相手のホームに飛び込んでいくことだと思います。
道具を大事にしているか、仕事仲間を見るのも良いと思うし、もし食事をする機会があればもっと会話ができると思います。

出会った

そうして「何でもできる人になる!」ための人探しを続けていたある日、
友人が、ある場所でモノづくりのイベントが開かれると教えてくれました。
調べてみると主催者は発明家で、自給自足の塾も開いているしなんだか面白そう。
発明家、自給自足、なんだか匂う、というので行ってみました。

で、行ってみたら親方と出会ってしまったというわけです。
イベントだったので親方はポートフォリオを持っていました。
仕事の様子の写真を見せていただくと、なんと「何でもかんでも自分でやっている」んです。

何でもできるようになりたい!と願い探し回っていたら、
何でもやる人に出会ってしまったのです(笑)

「ただの何でもやる人」ではなく、遊び心もデザインも自分の求めていたドンピシャでした。

不思議なもので、願い通りになると怖くなってしまうもの。

ついに出会ってしまった!と思う反面
「どうしよう・・・」という気持ち。

弟子のことを質問してみると、
ちょうど今探している、と(!)

ええええええええっっ!!!

本当に弟子入りしちゃって大丈夫なのか?
この先どうなるんだ??
不安と興奮でドキドキわくわく、ごちゃごちゃな心理状態です。

でももうすぐ40歳目前。

不惑。

今しかないかも。

え、本当にいいの?大丈夫?と自問しながらも

うん、やるなら今なのでは??と答える。

こんな感じで飛び込みました。
出会ったその日にです。
あの日、頭と体は完全に分離していました。
体が先に動いて頭は後からついてくる感じ。

結果、自分が求めた方向に飛び込んでみて
本当に良かった!という気持ちです。が、

今回はここまでにしておきます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?