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占い師廃業

この夏,わたしは占い師稼業を捨てた。

言葉が強すぎるか。占い師稼業を辞めた,と言い換えれば,スマートだろうか。

いや,変わらないか。

捨てた,と言っても,ほぼ半年ぐらい放置していたものだったので,緩やかな下降曲線を描いた,ソフトランディングだった。

そもそも,わたしは占術を極めた占い師ではなかった。数秘術という,古代バビロニア時代から続くものを1つだけやっていた。

タロット占術や西洋占星術も一通り習ったし,占いに行くと,決まって,こう言われた。

「あなた,自分で占えるでしょ。え?やってない?すぐに開業できますよ」

リップサービスにしては,占いスクールをやっている先生たちでもないので,本気のリクルートでもなく,適性があると踏んだのだろう。

占いの3分類とは?

占いは,大きく3つ,命・ト・相に分けられる。

命とは,産まれた時の場所や生年月日など,自分の力では変えられない種類で,数秘や占星術,算命学,紫微斗数など。

ト(ぼく)は,タロットやダイス(さいころ),ルーン,易。筮竹をじゃらじゃらしている易者さんはここ。つまり,その時その時に変わる偶然性の高い占い。

最後の,相とは,風水や顔相など形から占うもの。

と,書いていて,あれ?1種類しかできないと言っておきながら,わたし,命(数秘,占星術)もト(タロット)も相(風水)も全部,それなりに習ってきたじゃないか!

そうか!わたし,占い師だったのか!と,一人合点して笑ってしまった。

うーん,それより,わたしが好物のオーラ読み,過去生(前世)読みなど,霊感というかインスピレーション系はどこに入るんだ?

謎である。

心理学と占いの違い

そもそも,わたしは心理学者だ。まぁ,心理学も占いも似たもの同士だし,日本の人は,血液型占いとか,星占いが好きだから,心理学も占いもごちゃまぜで,どっちでもいいのかもしれない。

「せんせー,すごい! 当たってる! 占い師になれるよ! 」

スクールカウンセラーとして派遣された中学校で,簡単な心理テストをした時に,生徒から言われた。

「先生。すごいですね。占いみたいですね。こんなに詳しく,見てもらって,解説してもらったこと,初めて。いや,すごいですね。まるで,普段の様子を見ているようです」

これは,診療報酬として加算される種類の知能テストを取って,クライエントさんに結果をお伝えした時に,言われた言葉。

「い,いや,占いではないんですけどね。これ,統計的に証明された,病院臨床でも有効性が確認されているもので,治療のための検査です」

占い師に間違われて,内心どっきりしながら,そう答えていた。

うーん。心理テストと俗にいう占いの心理テストは,ポップ心理学という民間心理学。

あんまり大きな声では言えないのだけど,コーチングもこっちに入る線引きだ。コーチングは,もともとスポーツのコーチからきたもので,つまり,イメージングとかそういう手法を使ってスポーツにおける成功を目的とする。

スポーツ指導が由来で,これがビジネスにも使われだして,主に健康的な人を対象とした,自己啓発として発展した。ポジティブシンキングとかだ。

はっきり言ってしまえば,精神医学や心理臨床とポップ心理学を分けるものは,1)健康度,2)ビジネス,つまりお金だ。

だから,大学ではコーチングは習えない。

やるからには,極めたいわたしは,臨床心理士の資格をとるように,大学院で習えるのだと思って,大学や大学院でコーチング資格を取得しようと調べた時,全くヒットしなかった。

臨床心理士(今は,公認心理師にシフトしつつあるけど)の資格は,公的資格と言われて,文部科学省のふりわけで,スクールカウンセラーとして必携の資格だったし,病院臨床でもほぼ必要だった。

もちろん,この資格ができる30年以上前から勤めている方には,無用な資格だし,国家公務員として心理職にある場合はいらない。

だから,てっきりコーチングも,大学や大学院での単位が必要なのだと思ったら,さまざまな民間の団体で学べることを知った。

結構,すみわけができているようなのだ。

ということで,あっさりとコーチングの資格をとることをあきらめ,臨床心理士だけでは心もとないので,国家資格で,心理学と近いソーシャルワーカー(社会福祉学)資格の精神保健福祉士をとることにした。

1年10か月の座学と3か月の実習を経ると国家試験受験資格を得られて,勤務先の病院スタッフに受験することがバレバレなので,一発合格しないと恥ずかしいので,一発合格した時は臨床心理士試験に合格した時より,かなり嬉しかった。

2年前に,いきなり団子で受験が決まった,心理業務初の国家資格,公認心理師資格を受験して,一発合格した時も,へんな汗をかいていたけど。

で,ポップ心理学に話を戻す。

なぜゆえに,ポップ心理学は,アカデミックな心理学になれないのか?ズバリ言ってしまえば,心理学のテクニックで説明できちゃうから。

身もふたもない話なのだけど,そうなのだ。

長くなるので,いったんここで〆。







論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。