こころ屋でなくてしんり屋です!

数日前,メンタルヘルスのネット界はちょっとしたザワつきがあったようです。

超人気カウンセラーで,性格リフォームカウンセラーの方がカウンセラーを辞めると発表したから。

「あなたが子どもを虐待してしまうのは,子どもがあなたに虐待されるために生まれてきたのだ」

という,びっくり仮説を相談者に説いたことで,メンヘラ界を超えて,そのぶっとびぶりがフューチャーされるようになり,引いては引退へ繋がったのでしょう。

虐待3法(児童虐待防止法,DV防止法,高齢者虐待防止法)など,心理援助技術者には,当たり前の知識があれば,こんなこと言えないずら。

自己紹介に書いているように,わたしは,取得年月日順に「臨床心理士で精神保健福祉士で公認心理師」です。

臨床心理士は,国家資格ではありませんが文部科学省が管轄している「公的資格」です。

精神保健福祉士は精神保健福祉法,公認心理師は公認心理士法により定められている国家資格です。

実は,公認心理師が2018年に誕生するまで,日本には心理職の国家資格がありませんでした。

約30年前に臨床心理士が誕生して以来,心理技術を使う専門家として,高学歴で(心理系大学院修了が臨床心理士受験の条件)高度の専門家です(取得後も5年おきに更新で,研修などでポイントがないと更新できない)。

一応,知名度はそれなりにあるようですが,公的資格なので,病院内では,国家資格がない「心理技術者」扱いなので,高学歴低収入ゆえに,臨床心理士は相当な変人でしょう。

取得するのが困難だし,ご想像の通り,仕事は大変な上に,責任は重いにも関わらず,心理職を選び,続けるって,高学歴にありがちな,自虐趣味の変人じゃないとできません。

だもので,病院では「心理屋(しんりや)さん」と言われて,「心の問題」をごそっと,丸投げされてきたわけで。

ですが,最近では「心理屋です」なんて,自虐で言いますと

「ああ,性格リフォームの●●屋さん系のカウンセラーさんですね」なんて言われることの方が多くなりました。

それだけ,カウンセリングがメジャーになってきたのは,嬉しく思いますが,心理士としては,胸中複雑でございます。

おっと,話がそれました。

ここでは,心理士を臨床心理士,公認心理師を総称して呼びましょう。精神保健福祉士は,福祉領域のケースワーカー(福祉職の心理っぽい分野)なので除外します。

心理屋だけでなく,ちまたには,●●カウンセラー,●●コーチ,●●コンサルタントなど,心理士以外の肩書がたくさんあります。

どんな肩書を標榜してもオッケーなのです。問題ありません。ただ,公認心理師でないのに,「心理師」と名乗るのは,公認心理士法に触れて罰金なので,アウト。

仕事の内容は,似ているけれど,心理師という名称は独占(名称独占)なのです。

でもね,仕事の内容,本当に似ている?同じ?

心理士としては,違うと,思っているけれど,世間的には同じに見られているのかもしれません。

どのような心理の専門家に相談しても,そのことがクライエント(相談者)の最善の利益になるのであればよい。

だけども,公的資格,国家資格の心理士でしか,できないこともあり,それがプロの矜持です。



論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。