ディスってるわけじゃないけどさ教育だってビジネスだよ
フェイスブックを眺めていたら、とある記事が飛び込んできた。
https://kodomo-manabi-labo.net/big-date
教育心理学を生業としているので、ここに書かれていることは何も今初めて明かされたことではないことを知っている。
わたしが学生だった時から、詰め込み式の超早期教育なんて科学的に根拠のないことは自明のこととして扱われて来た。
人はよく稲に例えられ、実るほどこうべを垂れる稲穂かな、とか、伸びるのが早い稲は早稲【わせ 早稲田大学はここから来てるのかもしれない】、遅いのが晩稲【おくて】と呼ばれる発達のスピードの違いをそのまま、教育法に当てはめることもある。
そう、伸びるスピードが速いか、遅いか、それだけの違いで、その人固有のリズムの違いに過ぎない。
今の時代は、情報量が増え、学校で教えることも増え、高学歴化し、学校卒業の時期もどんどん後ろに伸びて、自立もまた遅くなっている。
確かに、早く成長した方がアドバンテージがあって、なにかと有利に働くことも多いけれど、人には個性というリズムがあるのだから、そのリズムを生かして、わたしたち大人や教育者はサポートするまでだ。
そのリズムを無視して、100倍速に!I.Qを120以上に!とか、やりたくなるけれど、それは無茶な話だ。
それに、I.Qは伸びるとしても20ポイント程度だし、知能は遺伝子の作用が50%だから、残りの50%の環境を整えてあげるのがよいのだ。
だもので、大学院の教授や同期たちは、だれも自分の子どもに早期教育なんてしてなくて、ひたすら遊ばせてた。それでも、高学歴だったり、その子にあった進路でのびのびしている。
ここに書かれている、日本の教育にエビデンスがないなんて嘘だ。
ちゃーんと、微々たる科研費もらって、科学的な教育法の精査を研究してデータ出しておりますよ!
だがしかし!
学会誌や研修会、教員の間だけで留まっているだけとも言える。
先生たちは、ちゃんと審議会で発言してるし、国立校で実験してるよ。
公教育に必要以上に不安にならなくていいのだけど、公教育だけじゃなく、家での家庭教育も必要なのも当たり前のこと。
でも、知識の詰め込みは小学校入学してからのスタートでいいんだよ〜
だって脳機能がまだ未熟だもん!
それに人は何歳からでも育つのよ!
能力にリミッド(臨界期)はなく、人は何歳までも死ぬまで発達するいきものなのだから。
ディスってるわけじゃないけど、親の不安を煽るのが教育ビジネス。だから、自分でデータ集めて、文脈を読んだり、グラフを読み取ったりして、親も自分で情報の精査をすることをおススメする。
なんでもかんでも受け入れて、情報過多になって、子育てや教育に不安になっている時間がもったいないし、カモられている。
親が情報、つまり、社会とどう向き合って、対処しているかを子どもは見て、自分の社会性の学びに取り込んでいる。それは、心理学者のバンデューラは、【社会的学習】と読んだ。
バンデューラも統計でデータを証明して、科学的な教育法を発表しているんだよ。古典にもいいデータがたくさんあるんだよ。
もちろん、知識やデータは、日々アップデートされて行くべきだし、常識はどんどん刷新されてゆくのだけど、変わらない発達のセオリーもあるのだわ。
論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。