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雪組「Sweet Little Rock 'n' Roll」感想

みなさん お久しぶりです。
carolです。

 私が「好きな月組公演」についてあれやこれや考えているうちに宝塚歌劇団には色々とありましたね…(私の最後の花組観劇が無くなってしまった※追記 再開決まった!おめでとう!)。
 そのような中で無事に雪組バウ公演千秋楽配信を観ることが出来ました。
ネタバレしつつ、感想書きたいと思います。

雑感

青春‼︎  

といった感じの作品でした。正直内容はあるようでない。とにかく高校生(+大人3人)がワチャワチャしているのを楽しむ作品なので、キャストやキャラクターのノリが好きな人は大ハマりし、そうでもない人には全く引っかからない作品だろうなという印象でしたね。私はとっても楽しかった。というか劇場では無理なくらい大爆笑しました。


キャスト感想(以下敬称略)

ビリー(縣千)

 とにかくお疲れ様でした(肉体的にも精神的にも)
 彼女はやっぱりがあるし、あと身体能力が高い(リフト何回あったんだろう?)。オープニングで飛び出してきた所から相当気合い入って決めてて良かったなぁ。個人的に彼女の歌はあまり気にならないというか、歌えないとは思っているけれど、なんか大目に見てしまうというか、という感じなので本当に何とも言えないんです。もう歌えてたかどうかもよくわからない。(もはや私の問題です。)
 先程も書いた通りストーリーよりキャラ重視の作品ですし、若者達のワチャワチャがメインなので若手男役のバウ主演デビューにはうってつけの作品…に見せかけて結構大変そうなところもあったなぁ。というか彼女意外とドッシリとした役の方が合うよね。こういう所謂コメディの軽妙なイケメンみたいなのは意外とキャリアが必要なのかなと思いました。
 とはいえやっぱりカッコいいし、夢白シンディとは息もピッタリでお似合いだったし、ハイスクールにいる人気者の男子感がすごくあって段々しっくり来ました。シンディに向ける優しい顔も素敵。個人的には男子たちの「シンディってビリーのこと好きなんだってー」という噂話(嘘)を聞いたあとの妙にシンディに優しくなるところと、2幕のスタージョンを羽交締めにして問い詰めるところが好きだったなぁ。


シンディ(夢白あや)

 実はこれまであまり彼女のことをちゃんと観たことがなくて、(その後も見てるはずなのにサパのイエレナでイメージが止まっている)とりあえず「綺麗な子」というイメージだったんですけれど、その「綺麗な子」が動いたらとんでもなく可愛くなった笑
 劇中「マシンガン」と評されるシンディですが、まさしくそのマシンガンの如き辛辣さとパワフルさを持っていて、それがそのまま愛らしさに繋がる。可愛いなぁって目を細めてしまう。ビリーに突っかかって軽くいなされてさらに燃え上がるという展開がとても可愛らしい。大人っぽい見た目の彼女がキー‼︎って怒るのがたまらん笑
 彼女はザ・宝塚な見た目だけど意外とここまで弾けた役の方がハマるのかなぁ、声質的に。割と低めというか、ハスキーとは違う、深さのある声で賢そうな美人顔である彼女はこれからどんな役に巡り合うのか未知数。彼女ならではのお役にこれからもたくさん出会えますように。


ロバート(彩海せら)&メアリー(音彩唯)

 某新聞評に「美声コンビ」と称されていた2人。とにかく安定感が素晴らしいカップルでした。1幕半分くらいですんなりくっつき、そこからはとにかくイチャイチャしているわけですが「ビリーとシンディくっつけよう作戦」は割とこの2人が話を回していくのでその分技術的な安定感が求められる役回りだったと思うのですが、2人とも見事だったなぁと思います。

 とにかく彩海ロバートがじれったくってしっかりしろよ!と言いたくなる気持ちもわかる。というか彼女本当に上手いな!もちろん歌えるし、小ネタで笑わせるところは外さないし、結構踊れる。ついでにシンディの真似が似てる笑 1幕ラストあたりはメンバー引き連れて歌い踊るシーンがあるのですが求心力も感じました。まぁ正直この手の役は彼女もう出来るだろうなと思ってた(もちろん期待を超える素晴らしさでしたよ)ので月組でまた新たな顔を見せてくれるのを楽しみにしています。
 音彩メアリーは可愛い!夢白シンディとは違う可愛さ。夢白ちゃんよりも正統派娘役っぽい発声というか、柔らかいソプラノという感じの声が素敵。ロバートに「無茶はダメよ」(だっけ?)みたいなこと言う声が優しくて可愛らしくて、ロバートもっと好きになっちゃうよ〜と思って観てました。ロバートとのデュエットも素晴らしく、ダンスも息ピッタリでした。もうこの並びは見られないのね泣


ロッキー(眞ノ宮るい)&ミリー(華純沙那)

 1幕ラストのダンスパーティーでいきなりカップル成立したと思ったら、2幕は実質彼らの物語でしたね。おそらく1番ドラマがあった2人。女の子の方に横恋慕している男(ヘナチョコ)からの妨害→2人のすれ違い→仲間の協力のもと和解というベタっちゃベタな物語を丁寧に演じていたと思います。

 眞ノ宮ロッキーは最初ガラ悪いなぁと思っていたら思った以上に純情ボーイでした。多分ワルに憧れているんだけど、人の良さが出てしまう感じが面白くて好きなキャラでした。彼女はこれまでどちらかというとクールでニヒルな役のイメージだったのでこういう役も出来るのか!ということを私が知れたのが今回の1番の収穫かも知れない。
 華純ミリーもまた可愛い。夢白、音彩両名西洋人形系(メーカー違い)の可愛さだとしたら華純ちゃん妹系の可愛いらしさが魅力。どう考えても浮気なんて出来るタイプじゃないので、ロッキーも被害者なのに割と全員から責められるのはまぁ仕方ないよね、となる笑 ロッキーに一方的に怒られた後座り込んでシクシク泣いているのが庇護欲をそそられるというか、いじらしくてみんなが味方してしまう女の子でした。


ぐいぐいジョー(天月翼)&スタージョン(麻斗海伶)&マーガレット(妃華ゆきの)

 先述のヘナチョコ横恋慕男(ぐいぐいジョー)とその仲間のひねくれイケメン(スタージョン)とイケメンの彼女(マーガレット)。敵役といえばそうなのかもしれないがなんせヘナチョコというかポンコツなので弱そう。絶対主人公たちが勝つわコレ、と安心させてくれるタイプの敵役たちでした。

 天月、妃華両名はいつまでも顔が若々しくて的確 だし、麻斗くんは初めてちゃんと見た気がするけれど顔がタイプだった笑 いけ好かないイケメン感が素晴らしかったです。これから注目しよう。


グッドマン(奏乃はると)&フレディ(真那春人)&マクリーン(愛すみれ)

安心安定のお三方。この若手中心の作品できっちり締めるところは締め、盛り上げるところは盛り上げ、時には若手以上のテンションで作品を楽しんでいたのが伝わってきて、こちらも楽しかったです。


フィナーレ 

前評判通り素晴らしかった‼︎

 なんといっても縣くんのダンス!最初のK-popも良かったけれど、黒燕尾の美しさよ。夢白ちゃんとのデュエダンも夢夢しくて。「スモークがどっかにいく」リフトは実際に見ると「おぉ…」みたいな声が出るな笑 高い、そして速い。
 あとはこちらもショースターだなと思ったあみちゃん(彩海せら)。とにかく1人で歌わせても平気だし、自分の魅せ方分かってるなという感じが心地よかった。


カーテンコール

 こういう書き方すると誤解を生みそうな気もするが、それでも書く。今回に関してはむしろカテコがメインでしょう。
 スカステで初日映像を見た時に縣くんが「この作品では毎日出演者が2名ご挨拶します!」と説明していたのを聞いて「確かに今回若手ばかりだからそういう試みもありかな」と思ったんですよ。けれど実は千秋楽のサプライズ演出に上手いこと持っていけるように、という作戦もあったのかな。
 最初奏乃さんの千秋楽のご挨拶がやけにあっさりしてるな、と思ったんですね。私は奏乃さんが退団したり組替え決まってたりする子たちに向ける言葉が暖かくて好きなので、今回あっさりしていて少しショックだったんだけど、その後の展開考えると逆に上手いことバランス取ってた&巻いてたのかな。

 本当にあみちゃんの組替えは急すぎて、私は組替え発表を出先(駅)で知ってしまったものだから、そのまま乗る電車間違えるほどにはショックだったし、次の大劇場公演に彼女がいないのちょっとまだ信じられないけれど、今回のサプライズ演出で少し昇華された部分はある。
 あとは私はやっぱり宝塚好きだな、と思った。本当に心臓キュッとなるようなことも沢山してくる劇団だけれど、その痛くなった部分を癒やしてくれるのもやっぱり宝塚だよなぁ。そして昔からいる演出家の先生の作品って敬遠されがちなところはあるけれどやっぱり昔から宝塚に関わっている先生ってツボを押さえてるよな、と今回のサプライズ発案者が中村先生だと知って改めて感じた。ある意味今回私の中で1番株上がったのは中村先生かもしれない。


 とにかく公演関係者の皆様本当にお疲れ様でした。もうカテコで誰よりもボロ泣きしている縣くん見てたらこちらも泣けてきてしまって大変だった…。
 作品内で印象に残ったセリフにグッドマン校長がビリーに言う「人生は理不尽なものだけれど、それでも本当に美しい瞬間がある」(細部曖昧)がありました。その言葉を借りるならこのバウ公演はまさに「本当に美しい瞬間」でした。

関わったすべての人に幸あれ。



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