見出し画像

お人好しな人生

ぼくは自分で言うのもなんですが、超がつくくらいお人好しだと思います。

ことお金に関しては、友達に何度も叱られています。

遡ること25年...

ぼくが二十歳の頃のことです。

出勤前の早朝に、当時付き合っていた彼女から突然の電話。

『お姉ちゃんの彼氏が、今日中に30万円作らないと連れて行かれるから名義を貸して欲しいって言われたの!どうしていいかわかんない』

と電話の向こうでパニックになって泣いているので、いてもたってもいられず彼女のもとへ。


会って事情を聞くと、その彼氏は借金持ちで、しかもその彼女(ぼくの彼女の姉)は間も無く出産という非常事態。

出産費用はなんとかなったものの、このままではパパになる人が帰らぬ人になってしまう....


それではあまりにもかわいそうだと思い、ぼくの名義を貸しました。


50万円をサラ金から借り入れその彼氏に渡しました。


その後、無事元気な女の子を出産したそうなのですが、肝心の彼氏は音信不通に...


結局ぼくはその男の彼女や、ぼくの彼女に請求はしませんでした。


友達はみな


『その男を探して取り返せ!』

『彼女たちから請求して取らないとダメだよ!』


と言いましたが、ぼくは応じませんでした。


最近では、二年前に離婚した元奥さんとの生活の中でできた借金を全部ぼくが被りました。


知り合って2ヶ月で入籍したのですが、当時その人には滞納している借金が20万円ほどありました。


『これから一生連れ添って生きていくのだから、ぼくが建て替えて少しずつでも返して貰えばいいや』

と思い、全額建て替えました。


その後、彼女のご親族への挨拶のための渡航費や、日々の生活の中での彼女の遊興費など全部ぼくの名義で借金して賄いました。


『今はお互い給料が安いからしんどいけど、頑張っていれば昇給するし、大丈夫!』

と当時は励まし合っていました。


その後離婚するとは知らずに...


結婚して二年が過ぎた頃から、彼女の様子が変わってきました。


もともと鬱を患っていて、それが徐々に悪化してきたと彼女は言いました。


入籍する時、彼女が鬱持ちなのはぼくも承知の上でした。


『完治は難しい病気だけど、穏やかに過ごしてゆっくり生きていこう』


と彼女を励ましながらやってきましたが、いつしか彼女にとって


ぼくは負担になっていたそうです。


『一緒の空間にいるだけでしんどい』


そう言われたとき、ぼくの心は張り裂けました。


ぼくと彼女は14歳離れています。


(現在ぼく45歳・彼女31歳)


ぼくにこんな若い子が『結婚したい』と逆プロポーズしてくれたのだから


ぼくに断る理由は一つもありませんでした。


その代わり、彼女にこう言いました。


『ぼくのことが嫌いになって、一緒にいるのもしんどくなったら言ってね。君は若いからやり直しがきくから。』


とはいったものの、本当にそうなるとは当時は微塵も思っていませんでした。


結局離婚することになったのですが、そこで当然借金の話になりました。


『二年半の夫婦生活の中でできた借金だけど、折半でいい?』


結婚当初の彼女の借金を建て替え、遊興費も与え、彼女の車の購入時の連帯保証人にもなっていたので


ぼくはだいぶ譲歩して提案したつもりでしたが、彼女から出た言葉は信じがたいものでした。


『今病気で働けないし、借金もそっちが勝手にやったものだから私は知らない』



絶句しました。



それまでは、離婚した後の彼女の身を案じていたのですが、その言葉を聞いた瞬間その思いは消し飛びました。



無い袖は振れない、という言葉通り、ぼくはその借金は全部かぶることにしました。その額およそ600万円...



『財産分与は負の財産は分与できない、その借金の名義人が支払う義務がある』


ということだったので、それは致し方ないなと思ったのですが、ぼくの手元に残るのが借金だけだとあまりにも惨めなので、そのとき彼女が所有していた、ぼくの名義で買ったパソコンを没収しました。


そのPCで今このnoteを書いています。


この借金に関しても、友達からは


『裁判を起こしてでも取り返せ!』


と凄まれました。


ですが、ぼくはそれはするつもりはありません。


そこにぼくの人生の大切な時間を費やすくらいなら

さっさと前を向いて、一分一秒でも早く稼いで

素敵な人を見つけて今度こそ幸せを

手に入れます。


こんなお人好しな人生を45年間過ごしてきましたが

後悔はありません。


これから必ず復活します!


最後までお読みいただきありがとうございました。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?