見出し画像

ブルックリンのウィスキー蒸留所

ブルックリンの人気スポットの1つ、ダンボ。イーストリバーを挟んで、マンハッタンとブルックリン・クイーンズを結ぶ橋がいくつかある中で、一番南にかかるブルックリンブリッジを渡った所にあるのが、ダンボだ。よく見かける写真がコレ↓

画像1

いつも誰かがこの場所で写真を撮っている。ダンボは、「ブルックリン=赤レンガの古い建物をリノベしてかっこよく」という人々が持つイメージを忠実に示してくれる場所だ。そんなダンボから歩いて15分ほど奥地に入っていくと、ウィスキー蒸留所が見つかる。(ブルックリンは「再開発」エリアでもあって、昔の工場跡地や広いスペースが沢山ある。蒸留所もそういう、ひとけのない場所を歩いていくと、どーんと登場する。)

まず、ネイビーヤードと呼ばれる、軍関係の敷地(壁に囲まれ、入り口にはレンガ造りの門がある。門に警備員はいない。スーパーマーケットもあって一般人も入れる様子)内の、門を入ってすぐ右側にある、小屋みたいなところに入る。そこが蒸留所のウィスキーを売ったり、カクテルを出したりするバーであり、ツアーの受付カウンターだ。あいにく外観の写真を撮り忘れたが、中の様子は↓

画像3

画像2

嫉妬するぐらいハイセンスだ。。見学ツアーをするまで気づかなかったが、この整然と並べられたビンが、この蒸留所の作るウィスキーだ。

ツアー客はさらにネイビーヤードの奥に進む。奥の方には警備員がいて、ツアーガイドと一緒でないと入れない。すると、いかにも、というような建物が出てくる。

画像4

これが蒸留所の施設。ただ、この趣とは裏腹に、蒸留所は11年前にできた比較的新しい会社だそうだ。逆に言えば、ブルックリン流に建物をリノベしてウィスキー工場にしたということだ。く~っ、カッコいい。。中の様子は↓

画像5

画像6

1階に蒸留の機械、2階に保管樽があった。樽はここだけでなく、別の倉庫にも保管しているそう。バーボンは新しい樽に入れないとダメで、いぶした樽に入れることで香りが変わってくる、という説明を試飲とともにしてくれた。

画像7

試飲のスタイルもめっちゃクール!樽の一部を使って試飲スタンドにしてる。説明の中で面白かったのが「moonshine」という単語だ。創業者がケンタッキー州に住んでいたころ、moonshineをニューヨークに持ってきてそれで作り始めた、というような説明があった。私は説明の最中は、moonshineというのはウィスキーの原料の1つか何かだと思っていた。後でググってみたら「密造酒」という意味だった。。(笑) そのエピソードもあって、上の写真の一番左の無色透明の液体は蒸留直後の原酒なのだが、これを「moonshine」として商品にしている。試飲して美味しかったのが↓

画像8

ただ、750mlで99ドルという驚異的な値段。。2年物で。。希少性と「ニューヨーク産」というプレミアムブランド、作り手の矜持。ニューヨークでは安売りされるものよりも高いものの方が信頼される、というカルチャーがあるのも事実ではあるが。。無名とはいえ安売りはしない(作り手が、良いものを楽しく作り続けるために必要な利益を確保する値付け感)、その心意気は日本人が見習うべきところかもしれない。 …とはいえ私は根っからの日本人、、値段におじけづきつつ、それでもやっぱり記念に何か欲しくて、小瓶を買った。200mlで30ドル。シェイプがスキットル(アルコールを入れる持ち運び容器)と同じように、ズボンのお尻ポケットに入れられるようなちょっとカーブを描いたビンになっていて、これまた脱帽のハイセンス。。↓ 

画像10

画像9

コロナ禍の間は、Hand Sanitizer(手を消毒するちょっとドロッとした液体)を作って売っていたそう。当初は消毒ウェットティッシュも、ハンドサニタイザーも商品棚から消えていたから、むしろ社会貢献でもあったと思う。

改めて今書きながら、ストーリー性とデザイン性で消費者の心をくすぐるあたり、アメリカらしいなあと思った。無から有を作るスピリットの神髄かもしれない。様々な意味で、勉強になった1日だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?