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ニューヨークの子供たち、そして親たち

ニューヨークの子供たちは単独行動しない。基本的に、大人を伴っている。高校生くらいの子達が通学するのは見かけるが、友達同士で外遊びしてる姿は見ない。スーパーやデリ、ドラッグストアでも見かけない。もっと年齢が下がるとなおさらだ。親やナニーさん(ベビーシッターのような雇われ保護者係)が学校/ スクールバスのお迎えをし、公園遊びに付き添う(離れて見ているのが主流)。逆に、家に1人でお留守番させるのもNG。虐待カテゴリーの1つ、育児放棄扱いで捕まるのだそうだ。

実際に何歳までがNGなのか、調べてみた。…しかし、具体的な年齢は定まっていないようだ。そして必ず、「子供の成長の度合いに応じて」というような含みを持たせた言葉がくっついていた。具体例として、お留守番についての ny.gov のサイトの文言を紹介しよう。

Some children are responsible, intelligent, and independent enough to be left alone at 12 or 13 years of age (十分に責任感があり、賢く、独立心のある子であれば家に1人にしてもよい、12-13歳位でできる子もいるだろう。)

訳が下手っぴぃで申し訳ないが、とにかく、個人の感覚によってどうにでも解釈できそうな表記である。

バス、地下鉄、郊外行きの電車を運行するMTAの公式ルールによれば、

MTA Metro-North Railroad recommends that children under the age of 8 be accompanied by an adult or a responsible youth (at least 12 years old) when riding its trains(8歳以下の子供は大人か、少なくとも12歳以上の責任ある未成年と一緒に乗ることが推奨される。)

こちらもまた、「推奨」という曖昧な表現でぼかされている。ただ、ニューヨークの学生は7年生(日本の中1)からMTAの交通機関を利用できるメトロカードが支給されるそうなので、12歳以上なら単独行動OKなのだろう。(とはいえ、見たことがない。…単に私と子供達の行動時間が違うのか。)

日本人からしたら、ずっと子供を見ていないといけないなんて、それでなくても忙しいのに発狂するのではないかと思い、友人に聞いてみた。すると「確かに大変だけど、ニューヨークは交通量が多くて危ないし、1人で子供が歩いているのを見て警察に通報されたら困るので仕方ない(結構な割合で通報する人がいるのよ。。)」というような答えが返ってきた。…確かにマンハッタンでは家を一歩出たら、すぐに車がビュンビュン走る道路に出てしまうのは事実だが、。。明確な年齢の規定がない分、親としては疑心暗鬼なのだろうか。マンハッタンの雰囲気だと、18歳以下NG、という空気感を感じる。

そういうわけで、子供のアテンドをするにあたり、共働き夫婦の場合、学校の送りはパパが、お迎えはママが、とフレックスタイムを駆使して、双方が分担するケースもあるそう。(定時で仕事が終われるアメリカだからこその話!)コロナ禍になり、在宅勤務がニューノーマルになってからの、学校再開後はパパと子供が一緒に歩いているのをよく見る。両親共に不可能な場合、あるいは労力を手放したい場合にナニーさんが登場する(家事代行然り)。ナニーさんは大体、ヒスパニックか黒人の女性だ。(私の観察の範囲では、白人の子供たちも、ナニーさんを慕い、リスペクトしている。)…知らない人に子供を預けたり、家の中に入ってもらうのって、嫌じゃないの?と聞いてみたら「多くの場合、知人の紹介経由で雇うし、こういう仕事をする人はReference(前の雇用者の評価)がキモで、悪いことしたら次の仕事はできなくなるから、普通なら大丈夫」ということだった。

それでも、ナニーさんには任せられないような、子供の部活動の遠征引率を分担しながら、滞在先ホテルで必死に仕事をしているママもいるようだ。(学業以外の実績は大学入学時の必須アピールポイントなので、親たちも全力でサポートする。)

だから、大学に入った学生たちはめっちゃパーティーをしてはしゃぎまくるのか。私が1年だけアメリカの田舎の大学に留学していた時の、学生たちの週末の騒ぎっぷりといったらすごかった。18歳になると、皆、車の免許を取りに行く。やっと自由に行動でき、やっとお酒が飲めるようになる♪♪(社会人になったら酔って路上で寝るなんてできないし、泥酔は学生の特権だ!)…ある意味腑に落ちる。

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