ユーミンの曲を紹介する②:雨の日の曲 ―「Nobody Else」

「Nobody Else」(1988)

この曲は、雨の日の夕暮れを描いた曲で、1987年の「SWEET DREAMS」にも通じるような、キラキラしているのに切ないメロディが気に入ってます。

通り雨 全てがあなたに見えてしまう街は
どこまで続くの

同じような背格好の人とか、一緒に出かけた場所、ちょっとしたことで「あなた」を思い出してしまう。

あふれる人の波、という歌詞、キラキラしたメロディ、1988年という華やかな時代背景から、きっと街は賑やかなんだろうなと想像してしまいます。

「どこまで続くの」と「あふれる人の波」って歌詞の後に追いかけてくる伴奏の4音がとても好き。

さらに、雨に濡れている描写が、「私」の健気さや、みじめさ、切なさを引き立てています。

バッグを抱きしめて 濡れながら走るのよ
込み上げるような懐かしさをふり切って
髪をふきながら ホームで待ってるのよ

 ところで、この「~のよ」のところの歌い方大好き。

曲はその後2番のサビで高まって、あとは案外静かに終わって、イントロと同じメロディでフェードアウトしていきます。この終わり方が好き。

そういえば最近って、フェードアウトして終わるタイプの曲をあまり見かけないような気がします。

賑やかな街並みがつらくなったとき、健気な自分を慰めてあげたいとき、「Nobody Else」を聴いてみてください。

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