「SLS Tokyo」(スケボーのプロリーグ)を観客目線で振り返ってみた
2023年8月12日、東京「有明アリーナ」で「SLS Tokyo」が開催された。ので、観に行ってきた。本稿はその興行の「良かったところ」「悪かったところ」を観客目線で振り返ってみよう、というのが趣旨でございます。
「SLS」とは2010年に設⽴されたSTREET LEAGUE SKATEBOARDINGという組織の略称。要するにスケボーのプロリーグである。2021年東京五輪のスケボーはこのリーグが制定しているルールに則っているので、「アレと同じことをやっている」と考えてくれれば大きな間違いは無いと思う。
競技の結果はスポーツ紙などでも報じられているので、そちら(例えば下記リンク)を参考に。念のため書き添えておくと、男は日本の堀米雄斗が、女はオーストラリアのクロエ・コヴェル(なんと13歳!!)がそれぞれ優勝した。
この「SLS」、日本では公式大会は初開催。4月に開催されたシカゴ大会は10,000人以上収容のWinteust Arenaでやっているので、その規模の興行だと思って下さい。ちなみに有明アリーナの収容人数は15,000人です。調べても観客数は出なかったのだが、大体7割くらいは入っていたかな?という感じ。
そもそも観て楽しいのか?
で、本題に入る前に、大事なことを書いておく。
「SLS Tokyo」、めちゃくちゃ楽しかったです。
スポーツ好きだけでなく、音楽、アート、ファッションなど、何かしら「カルチャー」と呼ばれるものに興味がある方なら、まず“つまらない“なんてことはないんじゃないかと。
おそらく、楽しみ方として他ジャンルで1番近いものは「クラブ」だと思う。
主役はもちろんスケーター達なのだが、小気味よいスタジアムアナウンスやHIP-HOPミュージックに絶え間なく彩られ、7時間強の興行ながらアリーナ滞在中な弛緩する時間は全くなかった。
お酒も販売さらているし、飲酒持ち込み自由ということで、友人・家族達と複数名で楽しそうに飲み食いしながら観戦していた人がとても多かったのが印象的だった。
そして改めて後述するが、出場者・観客がみんなオシャレ。しかも、出場者達のほとんどはコース横のソファ席でリラックスしながら待機しているので、心理的にも肉体的にも距離が近い。サインや写真をおねだりする人の列も絶え間なく続いていた。
同行した妻(スケボー初観戦)も「みんなの服装見てるだけでも結構楽しかった」と帰り道に話していた。
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とまあ色々書きましたが、この辺、全部クラブと楽しみ方が被ってると思うんですよ。
1番安いチケットだと4,000円なので、興味がある人は次回是非足を運んでみて欲しい。関係者によるとこれから定期的に日本で開催される様です。
では、本題。
そうして観客目線で楽しんだ「SLS Tokyo」の「良かったところ」「悪かったところ」を列記していこうと思う。いわゆる、「運営に届け」というヤツである。
コレを通して、改めて読者の皆様にも雰囲気が伝わればこれ幸いである。
(あ、出場選手のパフォーマンスが素晴らしかったことは大前提ね)
良かったところ
・タイムスケジュールが遵守される
コレ、事前に配布されていたタイムスケジュールなのだが、驚くべきことにほぼこの通りに進行されていた。
もう一度書く、驚くべきことにほぼこの通りに進行されていた。
これがどれだけ凄いことか、一度でも興行やイベントの仕事をしたことある人ならお分かりいただけるだろう。
そして当然観客からすると、スケジュール通りに進行してくれると大変ありがたいのである。
筆者カルロス矢吹は、感動に震えながら、そして関係者の努力に身悶えながら観戦しておりました。
・事前のルール説明がちゃんとある
野球やサッカーの取材、そして日本ボクシングコミッション試合役員として興行運営にも携わっている身としては、これが一番仕事の参考になりました。ちゃんと丁寧にルール、採点基準の説明をしてくれる。
野球もサッカーもボクシングも、みんながルールわかってる前提で来てるけど、常に「初めて競技を観る」人の視点に立つことは、これからもっともっとやっていかなきゃいけないと教わった次第。
・スケボー用のクロークがある
これはもうこの競技の特性で、みんな自分のMyスケートボードを持ってくるのである。
まあ家から乗って来る人もいるし、ボードにサイン欲しがる人もいるので。
トラブルにならない様、ちゃんとそれ用のクロークがあるところは、当たり前のこととはいえとても良かったと思う。
例えば、プロ野球のスタジアムにバットやキャッチャー道具を預けるところなんてないわけなので。
・観客層が老若男女、そしてみんなオシャレ
文字通り、観客の年齢層が「老」もいれば「若」もいて、「男女」の比率も気持ち男が多いかな?くらいだった。
ベビーカーのクロークが賑わっていたことからも、かなり小さい子どもと一緒に来ている人も多かった。実際、自分も4歳の双子の娘と一緒にいったしね。それでも受け入れてくれるvibesが会場にちゃんとある。で、子ども達もちゃんと楽しく観ていた。なかなかこういう娯楽はないと思う。
で、前述の通りみんなオシャレ。
あらゆる興行において、出場者・出演者だけでなく、観客も一緒になって作り出す良いムードってあると思うんだけど、それがちゃんとあった興行だった。
悪かったところ
で、楽しかったんだけど、そらどんな興行でも反省点や要望は出るワケなので。敢えて「悪かったところ」と改善して欲しいところを強い単語で書いておきます。
・コミケと興行が被った
この日は有明アリーナのちょい先、東京ビックサイトでコミケが開かれており、有楽町からバスに乗ろうと思ったら大大大混雑でバスに乗れない人が続出していた。自分もその1人で、幾つか人数制限でバスを見送らざるを得なかった。
例えば、(またクラブとの比較で申し訳ないが)かつて新木場「ageha」が渋谷からのシャトルバスを出していた様に、東京駅や有楽町からSLSチケット所有者用のシャトルバスを出すことを検討しても良いかと思う。
・飲酒が弱過ぎないか
まあ飲食持ち込み自由だったので、これは持ち込めばいいじゃん?となるのだが。とにかく飲食が有明アリーナのカフェ頼みだったのはあまり良くなかったと思う。常に結構な列出来てたしね。
しかもSLS Tokyoの協賛にHUBが入ってたので、屋外エリアでもいいからHUBが出店したって良かったんじゃないか?後、飲み物だけでも客席で売り子さんが移動販売するとか。
この辺はスタジアムグルメ探索を続ける身からからしても強く要望するところでございます!
・観客のフリーダム具合
自分ね、結構良い席で観てたんですよ。で、トイレとかで席外す度に、誰かが座ってたんです。直接注意してどいてもらってたんですけど、もうホントめんどくさくて。
みんな自分の席で見よう!
他にも、階段やヘリに座って観ている人が、いくらなんでも多過ぎたかな…。良く言えばフリーダム、悪く言えばマナーレス。スタッフもセキュリティというより座席案内のアルバイトさんしかいなかったから、ちゃんと自分の席で観る様に促すセキュリティスタッフなり、自由席以外はチケットの提示・確認をするとか、そういう工夫はしてほしいと思った。
というのも、そういうことする人のほとんどが酔っ払ってんだよ。
それ自体は悪いことじゃないけど、前述の通り子どもも多かったし、注意することに気後れする人も多いだろうから、そこはこれからの大きな課題として解決して欲しい。
とまあ色々書いてしまいましたが、楽しかったのも、興味ある人にもっともっと来て欲しいことも嘘ではないので、次回大会開催時は興味ある人連絡ください。みんなで一緒にワイワイ観ましょう。
最後に追記
このnoteは、書く仕事をしている上で後進の参考になることを書いていくつもりでしたが、付き合いのある媒体では書けないor書かせてもらえないこともnoteに溜めていこうと思います。
というわけで、参考になった人は(課金という名の)応援よろしくお願いします!
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