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【3日目】サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼ポルトガルの道 Póvoa de Varzim →Marinhas それ食べ物じゃありません

おことわり
2023年の5月に巡礼路を歩いた記録を1年後に同日付でアップしています。当時の記録に加筆して旅を振り返ります。


2023/05/20(土)

サルガッソー、それ食べ物じゃありません

6:45
まだ寝ている人に気を使いながら、身支度をして巡礼宿をでる。鍵をボックスにドロップして勝手に出ていくスタイルだ。

キーボックス。張り紙の掲示を見ると、丁寧にもポルトガル語、英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語の6カ国語で書いてある。
市街地に矢印を見つける
猫様は撮影を待ってくれない
SIGMA dp3 Quattro ƒ/10 1/50 50 mm ISO 100
町外れまでくると木造のデッキの遊歩道に導かれる
SIGMA dp3 Quattro ƒ/6.3 1/100 50 mm ISO 100
建物にマッチした郵便受け
SIGMA dp3 Quattro ƒ/4 1/100 50 mm ISO 100
SIGMA dp3 Quattro ƒ/6.3 1/100 50 mm ISO 100

7:40
海岸で仕事する人に話しかける。サルガッソSargaço干しをしてるのだそうだ。用途を問えば畑にまいて肥料にするのだという。濡れたままのと乾いたのを見せてくれた。これは昆布かな?ワカメかな?日本人の悪い癖で食べられるのか咥えてみたら、食べるものじゃないとたしなめられた。

サルガッソ採りはこの土地の名物であった。中世から19世紀までは産業として栄えていたそうだ。用途はやはり畑の肥料である。化学肥料ができるまでは農家の必需品であったそうだ。
また、ある記事には化粧品の材料として日本にまで輸出されたというのもあった。海藻としてはホンダワラということになるのだと思う。同じ記事に、サルガッソを肥料にしてじゃがいもを育てるとうまいと語っている人もいた。

道を行くと案内板が現れる。帆立貝は巡礼者のシンボルだが誰が始めたのか、道にアクセサリーをたくさん括りつけられている掲示板を見る。色んなところでもらったバッジや装飾品を持て余していたりもするのだろうと詮索してみたりもする。

帆立貝はサンティアゴ巡礼者のシンボル
SIGMA dp3 Quattro ƒ/6.3 1/50 50 mm ISO 100

ポボア・デ・ヴィルジンからエシュポゼンデに向かう海岸路は大変整備がされていて、歩きやすかった。

矢印はどこに出現するか油断ならない

それは競争ではない

8:20
デッキに腰掛けて手製のサンドイッチを食す。潮騒を聞きながらの朝食。

フランスパンは入手しやすく、安い
水は大きいボトルで持ち歩いた。

歩きだすと不思議と止まれなくなるものだ。人には固有の歩行速度があり、ある人は歩くのが早く、年配の人や、複数人連れなどはたいていゆっくりだ。僕はというと中の上くらいでそこそこ速い方だったと思う。
ここまで、数組の巡礼者を僕は追い越してきたと思うが、休憩をしているとさっきゆっくり歩いていたひとが、追いついてきて、あれよあれよと見えないところまで行ってしまう。止まってみると人の歩く速さに驚いたりする。それで、少し歩いたりするとまたその人を追い越したりして、その内にそんな抜き抜かれつの仲間を認識するようになる。

最初のうちはどうもこの感覚に慣れなかった。「一度抜いた人に追いつかれると気まずいな」などと考えてしまったりしていたのだと思う。

これはずっと後のことだが、「カミーノは競争ではない」とある巡礼者が言っているのを聞いて膝を打った。カミーノとは巡礼路のことだが、巡礼行そのものも意味する。その頃には自分も固有のペースで歩くことができるようになっていたので、たいへん腑に落ちたが、振り返ってみればこの時点ではまだしっくり来ていなかったのが思い起こされる。

SIGMA dp3 Quattro ƒ/6.3 1/50 50 mm ISO 100

10:12

サルガッソ博物館Museu do Sargaço
後ろの女性の像が鋤をもっている。今朝のおじさんも同じことをしていた。

アプーリアApúliaに着き、住宅地を歩くとサルガッソ・ミュージアム(Museu Do Sargaço)が出てきてびっくりした。さっき見たよ、さっき見たやつだよ。サルガッソ。
ぐるりと建物を一周してみるも、残念ながら開いてなかった。

Apúlia - Museu Do Sargaço - Esposende Virtual - Realidade Virtual Turística (visitesposende.com)
調べてみたらこのミュージアム、4月にできたばっかりであった。

掃除具で世直しでもしていそうなマルガリーダさん

町ゆく女性がなんか可愛らしいもの持ってたので声をかけてみる。聞いたら、壁とか掃除するやつだといってわさわざ伸ばして見せてくれた。ご近所さんまで手伝いに行くということのようだ。
別れ際には「ボン・カミーニョBon caminho(良い旅路を)」と声をかけてもらった。

県境を越える

ファン教区教会 Igreja Matriz de Fão
こじんまりしているかと中を除くと思いのほか豪華な教会

エステーラEstelaからアプーリアApúliaが県境であったらしい。ポルト県からブラガ県にすでに入っていた。

11:00
ファンFãoからエシュポゼンデEsposendeに架かる橋。カヴァド川Rio Cávadoをこえた。

SIGMA dp3 Quattro ƒ/14 1/125 50 mm ISO 100
SIGMA dp3 Quattro ƒ/16 1/160 50 mm ISO 100
エシュポゼンデEsposendeの町の入口には巡礼者を迎えるモニュメント。
SIGMA dp3 Quattro ƒ/10 1/80 50 mm ISO 100

12:38
食事をしようと砂丘に登ってみるも、風が強くて断念。見晴らしは良かった。緑地内のベンチで腰を掛けてサンドイッチを頬張る。散歩や巡礼の人々が通り過ぎていく。

SIGMA dp3 Quattro ƒ/16 1/250 50 mm ISO 100
SIGMA dp3 Quattro ƒ/14 1/160 50 mm ISO 100
定番のスピリッツがならぶ酒コーナー。右下にはブラジルのピンガも見える。

13:45
宿到着のタイミングを図るために買い物を先に済ませる。

干し鱈を見ると新巻き鮭を思い浮かべるようになった

宿ねこが出迎えるマリーニャス

こんな素敵な建物に宿泊できる。巡礼者冥利につきる。

エシュポゼンデEsposendeの町を抜けきってマリーニャスMarinhasには14時についた。スケジュールについて考えてみる。洗濯して買い物して食事して、かつ日記や写真の整理などすることを考えるとあっというまに夜になる。14時に宿につくのが良いのではないかと思うようになった。
宿の名前は「巡礼宿サン・ミゲル」。Albergue de Peregrinos de S. Miguel de Marinhas
建物は地域教区の評議会の所有物で行政との取り決めで運営しているそうだ。
ここも巡礼宿で手帳がないと宿泊資格がない。一泊10€。大変清潔感ある建物であった。レセプションは2階でキッチン、シャワー、洗濯はひとつ下の地階で行う。

マットレスに使い捨てのシーツと枕カバーをかける。このシーツのことをsábanaという。
キッチンは地階
コーヒーマシンの自動販売機
休憩ルーム
宿猫が出迎える

ひんやり曇り空なので、洗濯物の乾きが心配だ。

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