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【クウェート#42】走った師がへとへとになった
12月12日(火)
1週間近くかけて『アルキターブ』13課を終わらせた。
今までに比べると相当進度が遅い。今日も2時間の授業だった。
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これまで1学期を駆け抜けてきた我らが師、イブラヒーム・ジャアファル教授もへとへとと見える。
疲れたときは急がなくっていいのだ。
16課以降は2学期に学習することになった。284ページの教科書を2ヶ月半で終わらせたことになる。
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放課後はスーク・ムバラキーヤに遊びに行った。疲れた肉体を癒すのは休息だが、疲れた精神を癒すのは時としては更なる行動である。
行きは野良のタクシーを捕まえた。1KDで済んだのは格安だった。
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スーク・ムバラキーヤは様々なスーク(市場)の複合体である。
肉、青果、香辛料、貴金属、香水、衣類、家電。スークごとに主要な商品は異なっている。歩いているだけでも楽しい。
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香水エリアを歩いていると、香水専門店の店主から呼び止められた。特に買う気はなかったものの、15分ほど世間話をしていた。
店主は私たちのことが気に入ったみたいだ。
「せっかくだから、秘伝の香水をかけてあげよう。一瓶何百ディナールもする代物だよ。」
彼は店の戸棚から、慎重に茶色い小瓶を取り出した。テスティング用のガラス棒を小瓶にそろりと浸し、私たちの手に数滴たらしてくれた。
やや滑りのある琥珀色の液体を掌で伸ばし、首筋や耳の裏に塗り付ける。
はっきり言って動物園の匂い――よりはっきりと言えば動物の糞の"臭い"――がする。
やられた。
これはクウェート人一流の皮肉、「買わないんだったら帰れ」というサインではないのだろうか。
「これはヤバい香水だよ。アラブ人が嗅いだら、『お前、どこでその香水を買ったんだ?俺も買いたい!』なんて言ってくれるだろうね。」
などと店主は嘯く。こちらは行事続きで疲れているんだ。勘弁してくれ。
しかも匂いは2日は持つと言うではないか。私は2日の長きにわたって、動物園に囚われることになるのか。
私は落胆し、時折首筋の匂いを確かめるようにしながらスークを後にするのだった。
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帰り道、ディスダーシャにイガール、グトラを付けた紳士が私の肩をトントンと叩いて言った。
「お前、どこでその香水を買ったんだ?俺も買いたい!」
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12月13日(水)
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授業後、「シークレットサンタ」をしようと誰かが言い出した。
要するに匿名のプレゼントを交換し合う会である。紙の裏に書かれた相手に、2KD以内の予算でプレゼントを買う。
私はアブー・バクルというナイジェリア人学生にプレゼントを買うことになった。
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午後は「NIHON」というレストラン(https://nihonkw.com)のオーナーに招かれ、和食を食べた。
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家庭的な味がする。心休まる気持ちだ。
話をしていて面白かったのは、ベドゥ(بدو)とハダル(حضر)の話だ。
クウェート人はベドゥ(遊牧民)とハダル(海辺に住む定住民)の2つに大別でき、どちらに属すかは見た目や話し方ですぐに分かるのだという。
例えばベドゥはジーム(ج)をJで、ハダルはYで発音するのだという。
カタカナで表記すれば、「ウスブールアルヤイ」「ウスブールアルジャイ」の違いとなる。同じ「クウェート方言」と言っても違いがあるのだ。
正直なところ、解説をされても私にはどう違うのか分からない。
強引に例えれば、「関西弁」における「大阪弁」と「神戸弁」の違いのようなものだろうか。
慣れていなければ同じものに聞こえるかもしれないが、実は大きく異なるのである。
12月14日(木)
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今日はファイサル先生の日本語クラスに招待された。
先生は日本語講師兼、クウェート外務省の職員兼、Instagramのインフルエンサー(gaijinxpress)である。
先生はもともとInstagramで「あるあるネタ」を(アラビア語で)投稿していたという。しかし友達から日本語能力を生かした動画投稿を勧められたのだという。
先生の日本語能力はネイティブレベルだ。日本で勉強し働いた経験に加え、日本のサブカルチャーへの尽きることのない興味――「アイゼンボーグ」「アストロガンガー」「ときめきトゥナイト」「伊賀の樺丸」などがお好きらしい――が、語学力を下支えしているのかもしれない。
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私はスピーチとmcをした。
知っているクウェート方言を可能な限り使った。面白がってくれたようでうれしい。
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今日のテーマは「書道」だ。
日本・アラブ双方の書道体験をした。
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平和裏にイベントが終わった。
怒涛のイベントラッシュは今日で終わりだ。
寮に帰ると、週末恒例の鍋パーティーをした。
あっという間の一週間だった。
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