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妻が口をきいてくれません✖️キャリアコンサルト

「妻が口をきいてくれません」

「妻が口をきいてくれません」野原広子著 集英社
なんて恐ろしいタイトルでしょうか。私もたまに夫婦喧嘩するとこのような状況になりますが、数日間の辛抱です。それが1年以上続いているというのだから驚きですよね。これは何かミステリーの小説なのかとずっと気になっていたのですが、先日、いよいよ読みたい衝動にかられて、電子書籍で読むことにしました。

自己紹介が遅れました。キャリコン・サロン・ジャパン メンバーのふるたです。ネタバレになるので、詳細はここでは割愛しますが、こちらは家庭内を描いたフィクションとして楽しむことができる作品です。

ここでは、キャリアコンサルタントという立場から、こちらの作品を取り上げてみたいと思います。
こちらの作品は、「夫の章」「妻の章」「夫妻の章」と3章に分かれており、それぞれの視点で見えている日常が描かれています。

「見ている世界」

家庭内で起きている事実は一つですが、夫の視点と妻の視点で、こうも見ている世界が違うのかと思い知らされます。どうしても男性ならば夫の視点、女性ならば妻の視点で見がちです。しかし、視点を変えることで受け止め方も異なるため、キャリアコンサルティングを実施する際は、男性視点、女性視点、上司視点、部下視点など様々な視点が存在し、偏った視点になっていないかを意識する必要があります。
キャリアコンサルタントは相談者と同じ景色を見るイメージで話を聞きましょう、と言われることがありますが、まさにその感覚ですね。

「共感してほしい妻と共感しない夫」

夫に悪気はないが、妻への共感が足りず、妻への不満は高まるばかり。これは夫婦だけでなく上司と部下の関係でも起こります。ビジネスの世界で、常に問題解決を迫られる男性にとって、ただ話を聞いて共感することの難しさを本作品は教えてくれます。自分自身も頭では理解していますが、ついつい妻の話に余計な一言を差し込んでしまいます。キャリアコンサルタントを目指すものにとって、問題解決思考との向き合い方は大きなテーマです。
ビジネスの場面ではスピーディーな問題解決が重要とされるのに対して、夫婦の会話やキャリアコンサルティングの場面では、まずは共感することが求められるということですね。

「大切なこと」

この作品を読んで、大切なことは何かを考えました。それはお互いの存在を尊重し、相手の言っていることを受容し、共感することではないでしょうか。これはまさに、キャリアコンサルタントに求められていることと同一です。夫婦という関係と、キャリアコンサルタントと相談者という関係で大切なことは共通点が多くありそうです。
ということは、キャリアコンサルタントとして一人前になれば、夫婦関係や会社の人間関係がうまくいくのかもしれません。人間関係で悩んでいるうちは、まだまだ半人前のキャリアコンサルタントなのかもしれません。仕事では傾聴を心がけるのに、家庭では傾聴ができない、そんな人は意外に多いのかもしれません。

「最後に」

今回の読書で改めて自分自身の夫婦関係を見つめ直すきっかけになりました。もし、こちらの作品をまだ読んでいない方はぜひ、一読してほしいです。その上で、この記事を再読すると、理解が深まるでしょう。
キャリコンに関する本に出会った際は、キャリコン読書日記の第2弾として、投稿したいと思います。次の機会をお楽しみに。


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