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喀痰吸引(5) 人工呼吸器


人工呼吸器が必要な状態


何らかの理由で十分に換気ができなくなった人に対して人工的に換気を補助するため人工呼吸器を装着する

呼吸の補助としては、全面的に呼吸を助ける場合と本人の呼吸に合わせて一部分的を補助する場合がある

それぞれの人により装着する時間も決められており、一日中の人もいれば夜間のみ装着している人もいる

そのため人によっては喀痰吸引のために人工呼吸器を外せる時間が非常に短くなるため短時間で確実に行うことが求められる

長時間人工呼吸器を装着する場合には、手術によって気管に穴を空けて気管カニューレを挿入して人工呼吸器を装着する

人工呼吸器の仕組み


人工呼吸器とは圧力をかけて酸素を肺に送り込む医療機器で、この機器を装着して呼吸の維持・改善をする治療を人工呼吸法と呼ぶ

人工呼吸法には、気管切開し気管カニューレを挿入し、そこからホース(蛇管)を通して空気を送り込む「侵襲的人工呼吸療法」と口や鼻をマスクで覆い、そのマスクを通して空気を送り込む「非侵襲的人工呼吸療法」がある


人工呼吸器は本体と回路などの付属品を接続して使用する

人工呼吸器本体は室内の空気を一旦本体に吸い込み、フィルターを通して体内に送り込む

本体内は各利用者の呼吸状態に合わせた設定にして空気を送り出している

電源には通常居宅の場合に家庭用電源を用いているが、停電時に備えてバッテリーなどが必要

人工呼吸器から送り出される空気は蛇管を通して運ばれ、この管はいくつかのホース状の管の他に空気を一定方向に流すための弁、感染を予防するためのフィルター、温度や湿度を保つための加温加湿器、ホース内にたまる水滴を集めて廃棄するウォータートラップを接続して使用する

利用者の気管切開部や非侵襲的人工呼吸療法時に使用する口や鼻のマスクは回路とコネクターで接続する

人工呼吸器本体には空気の送り込みが設定通りに作動していない場合にアラームが鳴るようになっている


多くの付属品を接続して使用する回路は接続が緩んだり、捻れたりすることで容易に空気が漏れる

また、加温や加湿や呼吸の状況によって回路内に水が貯まるため適切にその水を廃棄しなければならない


人工呼吸器には多くの機種があり、それぞれの特徴や取り扱い方法が異なる

適切に作動しなければ利用者の身体に悪影響をもたらし、生命への危機のリスクもあるため医師や看護師、提供会社による定期的な点検や整備によって故障やトラブルを未然に不正でいく必要がある

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