見出し画像

喀痰吸引(4) 喀痰吸引の必要な状態


喀痰吸引とは


貯留している痰を迅速に除去しなければ酸素を取り込むことが困難になり場合によっては生命に関わる

貯留している痰を出しやすくするためには環境調整や体位の工夫などを行うが、それでも自力で痰を排出するのが困難な場合に喀痰吸引を行う

喀痰吸引は医行為であり、「医師の医学的判断及び技術を持ってするのでなければ人体に危害を及ぼし、または危害を及ぼす恐れのある行為」で介護職が実施する場合は必ず医師の指示書が必要

吸引器を繋いだ管(吸引チューブ)を口や鼻から挿入して、痰を吸い出す

口の中から管を挿入する場合を「口腔内吸引」

鼻の穴から挿入する場合を「鼻腔内吸引」

口から吸引したからといって鼻からの吸引が不要なわけではなく、同様に鼻から吸引したからといって吸引が不要なわけではなく、医師・看護師の指示に従い実施する

喀痰吸引は吸引チューブを口や鼻に挿入するため、使用する器具や実施する介護者の清潔の保持や体内を傷づけないように静かに挿入したり、個々の利用者の決められた挿入の深さや吸引圧を守ることも重要

喀痰吸引が必要な状態


①痰が増加している場合

痰が増加する原因としては、呼吸器官に細菌などが侵入することで起こる感染症や誤嚥性肺炎、治療器具の入れっぱなしなどが予想される

またケアによっても増加する場合があり

食事によっては唾液の量が増え、少量の食物が喉に引っかかる場合もある
清拭で体を動かした時に体の向きで肺の奥底の痰が喉まで上がる場合もある
入浴で湿度が上がることで痰が増えることがある

このようなリスクに備えて、その前後で痰を除去しておくことも重要

②咳をするための喉の力や反射が弱まっている場合

咳には体に細菌などの異物が入り込まないように排出する働きがある

自発的にお腹や胸の筋肉を使用して出す場合と痰が貯留した際に、無意識のうちに神経を通じて「反射」で出す場合がある

それらの働きが低下している場合喀痰吸引が必要となる

③痰が硬くなった場合

痰が呼吸器官にへばりつくような粘り気が強いものであると痰が硬くなり、十分に排出しきれないことがある

痰の粘り気は細菌の種類や水分量によって変化し、体内の水分が不足していたり、乾燥した外気を吸って居る場合などにも痰が乾燥して粘り気が強くなるので喀痰吸引が必要となってくる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?