文庫小説同人誌・組版、印刷見本など
A5の二段組み http://privatter.net/p/600882
文庫のワードでの組版 https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=52201883
今回は、ピクシブでのレイアウトに追加してもう少し、見本画像を大きくしたものと印刷見本を出しながら書いていきます。
少しでもご参考になれば幸いです。
まずは組版、それから印刷見本、カバー、印刷所比較などについてという流れで進めます。
1:組版
例1 17行×40字 8pt
使用フォントはリュウミンLです。細めですが文庫にはLでいいのではないかと思います。
8ptにした場合、行間を詰めると昔の岩波文庫のようにぎゅっといっぱいなイメージになります。
個人的にですが、8ptは慣れているものの、だいぶレイアウトに気をつけないと「疲れる」ことになります。近年の市販の文庫は、8,5~9、10ptも多いように感じます。
例2 17行×40字 9pt
(出だしのページのため3行目からの開始になっています)
話の内容がライトタッチのため、ポイント数を上げました。
もし9.5や10ptにした場合は、行間の調整が必要になってきます。市販でも9~9.5はよく見かけますので、文字の大きさは完全に好みに応じて変えてください。
※ルビは現在行間6ですが5でもいいかもしれません。
組版上で気を付ける点
◆字間・行間に気を付ける。
字間・文字詰めをゆるくすると間延びした印象になります。
その代わり、字間がぎゅっと詰まっていても、行間に余裕があれば読みやすく感じます。
一行あたり38~42文字くらいにおさえると目の上下の動き的に楽で、読みやすいのではないかと思います。
◆ノドはページ数や使用する用紙によって調整する必要があります。
◆あまりがばーっと開いて読むことはないと思うのと、同人誌で使用する本文用紙は、市販の文庫よりも少々厚めだったり硬いことがあります。ノドを多めに取っておくに越したことはありません。
◆左右余白は指をかけることをも考えて10ミリは必要です。
◆ノンブル、ノンブル+タイトルは天の左右であることが多いですが、これも好みなので地に入れたりセンターでも。
2:印刷・製本見本
美弾紙ノヴェルズは、クリームがかった読みやすい用紙です。厚みは上質90くらい。200ページほどまでなら、このくらいの用紙が読みやすいと思います。
300ページと少しページがかさんだため、読みやすさ・めくりやすさ、場所(在庫置き場的な意味で)の確保のためにもできるだけ薄いものをと考えた結果、この用紙になりました。
現在ブロスさんだけでの取り扱いだと思いますが、他社さんでもありましたらこちらは後ほど修正します。
コミックモールさんで印刷した本体にカバーをつけたもの。
重版をコミックモールさんでお願いしましたが、ブロスさんの美弾紙ノヴェルズ→書籍用紙クリームへの変更も、ほぼ変わりはありませんでした。どちらも本文160ページくらいです。
3:カバー
一つの印刷屋さんですべて一貫してお願いするパターン(パックなど)と、
本体とカバーは別印刷所、という手もあります。
<ブロスさんで本体とカバー印刷をお願いしたもの>
どうしても特殊紙カバーにしたかったので、一つの印刷所さんでお願いしたパターンです。相談がしやすく特殊紙の使用もできるので、慣れないうちは一つの印刷所さんでお願いした方が安心かもしれません。
パックの場合はスジ押しがあったり、PPをかけてくれることもあります。
カバーは他社さんにお願いするパターン
カバーを作ることに慣れてきたら、お財布のためにもカバーだけ他社さんで刷ることを考えてもいいと思います。
◆グラフィック http://www.graphic.jp/
◆プリントパック http://www.printpac.co.jp/
など、一般印刷所さんでの発注は【B4サイズ フライヤー・チラシ】にサイズが相当します。
用紙は好みで、コート110~135など。PPやスジもオプションであります。
どちらにしても、自分でカバーを巻くと納期と予算の削減になります。
ただ、初動で100部以上頒布できるような方は、朝スペースでカバーを巻くのは、だいぶ辛いです。
カバーだけは事前に自宅着にして、表1側だけ折っておくようにしておくと少しは楽ですが、200部以上の方は人海戦術か印刷屋さんにお願いするのが無難だと思います。
例のような濃いベタ色カバーの時は、オンデマンドではなくオフセットをおすすめします。折ると色が割れます。
巻いた見本
3:印刷所比較
ふだん利用しているのは、ブロスさんとコミックモールさんです。
ブロスさん http://www.bros-comic.co.jp
コミックモールさん https://www.comicmall.jp/wiki.cgi?page=FrontPage
ブロスさん
・300部未満くらいであればオンデマンドで充分
・それ以上になったらモノクロ表紙パック+カバーで
・何ページでも大丈夫ですという安心感が心強い
・製本には絶対的な信頼感
・とにかく早い
コミックモールさん
・少部数~80部未満くらい向け ※5部、10部でも
・カバー無しでも特殊紙表紙もあり、かわいい
・オンデマンド!!というテカテカ感が少なく、ふわっとした印象
・本文、表紙ともにPDF入稿
両社とも、印刷製本ともに綺麗で、文字のテカりも感じません。
また、印刷して二年経った本でもうねり・たわみもありません。
基本的に、モノクロ表紙パック+カバーでお願いしています。しかし、カバーをかけると「かっこいい」半面「取扱い注意」になります。カバー部分がとても折れやすく傷つきやすく、書店さんに納入する際や、宅配搬入・搬出の際に、少しでもずれると折れてしまうことがあります。
※裏ワザ
「A5サイズ印刷→変形断裁」をお願いできることもあります。何かの企画やキャンペーンでとてもお得なパックがあった場合、文庫サイズに断裁できるか聞いてみるのも手です。
最後になりますが、文庫サイズ同人誌は、印刷料金的な意味でまったくの道楽です。
ただ自分が楽しいからというつもりでやるのが気楽です。
他に、問い合わせをしたり色々と調べたり周りの声を聞いた印刷所さん
しまやさん http://www.shimaya.net/
文庫テンプレートを配布している。
文芸セットあり。一括でお願いできる。
緑陽社さん
http://www.ryokuyou.co.jp/doujin/campaign/ondemand.html
ねこのしっぽさん
https://www.shippo.co.jp/neko/
本、カバー、しおりのセットあり
くりえい社さん
http://www.kurieisha.com/
ノベルズセットが豊富。糸しおりオプションあり
※2018年のリニューアルで、オンデマンドお試しとして非常に手ごろなパックがあります
他にもありましたら追加していきます。
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