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苦楽をともにした友人たちの幸せを願う

半年ぶりの帰省をした。コロナの影響、そして故郷・京都を離れ、東京に居を移したこともあって、「直接会って話したい」という友達はぐっと減った。でも、その分価値観の近い友達と必ず会うし、その時間をより大切だと感じるようになった。

高校の頃の友人で今も「直接会って話したい」友人は、本当に片手ほどになった。でも、大学時代の友人とは違う、あらかじめ決められたルートを共に走り、共に叱咤激励した仲だからこそ、紆余曲折あったけれど手に入れたキャリアやパートナーなどの幸せな話を聞いて、200%ハッピーな気持ちで、素直に”にんまり”できるんだと思う。もちろんこれが人生のゴールではないのだけれど、苦労を見てきた分、今がとても幸せそうで、わたしも幸せだと感じられるというか。

今日も、昔から音楽が好きで、そして絶対に教える仕事が向いている!と感じていた友達がフリーランスのギター講師として、好き×得意を実現している姿を見せてもらった。10代の頃の「きゃぴきゃぴした幸せ」な姿を知っているだけに、年上の彼女との30代目前の「落ち着いた幸せ」な姿にも頬がゆるんでしまう。もちろん、企業に属しているわけではないから、日々の税金等の管理でお金の計算は年々早くなるという苦労話も耳にしたが、それを話す彼の顔は過去に見たどんな顔より生き生きしていた。

大学時代の友達も少なくなったなあ。どれだけ貧相な生活を強いられても結婚式に出たい!という友人は数人だ。でもこちらもリアルに1万人いる同級生の中からびびっと来て声をかけ、10年の付き合いになるだけのことはある…望んでいたポストへの異動や価値観を尊重し、対話できるパートナーとの出会いが自分のことのようにうれしい。

 パートナーがいなくても立派に働き、幸せそうにしていた友人が、パートナーを見つけて、よりやわらかで朗らかになっていて、泣いて喜んだり。4年半の苦手な業務に耐えて、ようやく彼女が望む業務に就けた話に顔がゆるんだり。

 一方で、今この瞬間にも心にしんどさを抱えている友人がいることも事実。好き×得意で仕事をしている彼女がのびのびと働けるようになれば、きっと彼女が関わる人々もしあわせになるはずなのに。大好きな彼女の、毎日のささやかな幸せを取り戻せるように、わたしはわたしにできることをやりたい。


 ちなみに数はさらに減るが、料理教室や写真教室の一期一会のレッスンで声をかけた友人もいる(笑)不思議なことに、ひとりとは世界を回ったり(なんと5カ国)、ひとりとは半年毎にキャッチアップをし、またひとりとは出会いから3回目で鈍行で三重まで「たこやき合宿」をしに行ったりしているのだから、

「恋に落ちる=時間じゃない」
https://www.uta-net.com/song/62072/

と唄ったGReeeeNは正しいのだと信じてる。



みんなが進む道は、それぞれ異なっている。
人生が始まった瞬間から異なる道を進んでいるかもしれないけど、それを自覚し実感してきたのは最近のこと。異なっていることで、羨望や嫉妬が生まれることも多いこの世界で、純粋な他愛を感じられる相手に出会えた。

友人のことを当事者のように喜べるのは、自分にとって彼・彼女らがわたしにとって単にsignificant others(重要な他者)だからだろうか。

わたしが感じるに、もちろん自分にとってsignificant othersであるということもあると思うが、羨望も嫉妬もなく友人の幸せを切に願えるのは、自分自身も幸せだからなんだろうなと思う。ある意味両親よりも信頼できるパートナーがいて、彼と居と生活をともにして、好きなことを仕事にできている。収入は思うように増えないし、不安はあるけれど、大好きな読書が単なる趣味ではなく、仕事の一部になることで時間を費やすことへの罪悪感は減った。フルタイム勤務でなくなって時間的・身体的・精神的余裕が生まれたことで、友人や教え子の悩みやのろけ話に耳を傾ける余裕があることが一番嬉しかったりする。わたしのやりたかったことはsignificant othersに思うように時間をかけて大切にすることなんだ、と心の底から感じる。

占い師に「2022年に過去背負ってきた10年間の闇から抜ける」と言われた去年は何のことだろうと思っていた。でも、新しい道を歩み始め、人間関係も断捨離して、コロナに罹って後遺症の絶望を感じてから1ヶ月経った今、本当に闇から抜けた感覚がするのだから不思議だ。またあの占い師さんに見てもらおう。

自分の性格や'must' 'should' 'had better' 'want-to'の価値観は変えられないけれど、それをどのように共存させていくかを考えていける柔軟さを手に入れつつある。生涯で悩みがなかったことはないから、これから先も悩み続ける人生なんだろうけど、果てない悩みを吐露しながら「これが年の功」って、10年苦楽を共有した友人と笑える今が幸せだ。HSPのわたしは未来の不安ばかりに目線と思考を奪われがち(だから常に身体的・精神的・時間的余裕を持って生活したい)だけれど、美味しいものを食べて、大切な人と笑いあえる「今の幸せ」を大切に、生きていこうかな。


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