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ダイレクトソーシングと人材紹介

ここ1ヶ月程ヒアリングしたり調べたりしている中で、所謂エンジニアの採用意欲の高さと、彼ら自身のガジェットに対するリテラシーの高さの二つが相俟って、この領域の採用は他よりも圧倒的にサービス数(とりわけ、企業が自らスカウトを送るダイレクトソーシングのサービス)が多く、しかもUIUXもレベルの高いサービスが多い、つまり、独自の進化を遂げている、ということに気付かされた。

一方で、同じサービスを他の領域の採用サービスにそのまま転用が出来るものも少ないと感じる。それは新たなサービスが生まれるビジネスチャンスであると同時に、人材紹介というビジネスモデルのすごさを一周回って感じる。

・スクリーニング
・母集団形成
・意向醸成
これらを何より、「採用担当の方の労働負担が、他のサービスよりも少ない形で」行う人材紹介。これに代わるサービスは今のところまだ存在しないと感じる。

ダイレクトソーシングも上記3つの価値はあるが、労働負担という点においては人材紹介に叶わない。

エンジニア領域においてこの労働負担をもクリアするようなダイレクトソーシングサービスが出てきているのは人材紹介にとって脅威だが、他の領域においては未だ出現しておらず、かつエンジニア領域においても労働負担を軽減するサービスを活用出来る企業は一握りと感じる。

「負担」を請け負う人材紹介はまだ伸びる。

一方、その価値を提供出来ない人材紹介サービスは淘汰されるとも思う。DB以上の価値がない場合、そのDBを活用してスカウトを送るダイレクトソーシングサービスに取って代わられる。
と考えると、人材紹介業を営む我々が磨くべきスキルは、
・要件定義力(把握&構築)
・魅了力
の二つに集約される。

この価値の重要性は、僕がこのビジネスを始めたリーマンショック時点から、変わっていない。いや、むしろ他のサービスが台頭してきたことによって、際立ってきたとも言える。

そしてこの二つの力は、構成する変数の数も種類も一つのものとして定義が出来ないから、現状のAIでは代替が出来ない。

代替されるとしたら量子コンピュータ×AIの時代かもしれぬ、と勝手ながら思っている。

僕たち人材紹介業を営むエージェントが、採用ビジネスの奥深さに敬意を払い、複雑性の高い2つの力を身につけることを諦めずに向き合えば、まだまだ業界全体が発達していくと信じている。

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