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時代とともに変わってきた消費者心理の3段階

時代とともに変わった営業手法

私も社会人として営業経験をはじめて積んだ時期には、飛び込み営業、訪問営業が当たり前であった時代。

訪問販売や電話営業が非常に多くの利益を支えていた時代でもあったのかも知れない。

今は飛び込み営業はビルのセキュリティーによって、できなくなってしまいましたし、アポなし訪問はご法度であるというような暗黙知にも変化をしてしまった。

今ではメールやSNSのメッセージなどを利用して、コミュニケーションがないまま売り込んでくる人も増えるようになった。

ご時世柄というのもあるけど、WEBで商談をするのとリアルに商談をするのでは疲れ方が全く違うから不思議である。

古典的な部分は変わっていないのだが、方法と手段が時代とともに変わっているから、それに合わせていかないとあっという間に時代遅れになってしまうものだ。

今でも多くの企業がKPI(行動指針)として、比重を置いているのが、訪問件数や電話件数においている。

昔は訪問件数の売り上げが、見事に行動と結果が正比例をしていた時代だからだ。

訪問販売の成約率が高い日本とは

世界的に見ても、日本のように訪問販売が高い国はない。

なぜかというと、日本独特の文化がそこにあるから。

訪問販売や電話営業の成功率が高かったのかというと、日本人は「断れない」「ノーと言えない」文化があったからだ。

ところが最近ではこうした日本独特の文化が変化している。
今や日本人も欧米人のように平気で「ノー」といって断れる文化になっている。

それによって、営業の常識が大きく変わりつつある。
訪問販売や電話セールスなどによって代表されるプッシュ型の営業から、ショールームや広告を使ったブル型の営業に変わりつつあるし、「お客様は神様」といわれてきた価値観も「顧客を選ぶ」という姿勢に変わってきた。

私が営業としてデビューをしたころ、当時の会社社長は「営業マンは足で稼ぐんだよ!」とか、「断られてからが本当の営業なんだよ!」とかいっていた。

既存のやり方で業績を上げてきた企業経営者や営業パーソンの中には、変化のスピードについていけない人がたくさん出てきているのが現状である。

実際に未だに訪問件数や電話件数で営業パーソンを査定している会社は、軒並み売り上げがダウンしている。

それなのに、その状態を景気の悪化が原因として考えてしまうようでは、回復は全く見込めない。

この状態は明らかに「不景気」ではなく、「変化」ととらえるべきもの。

消費者の価値観や心理が変化した

例えば、年配の経営者には営業経験者が多いので、断られても何度も足を運ぶようなタイプの営業が好きだったりする。

その結果、顧客も自分と同じように「いらない」という言葉にもめげずに何度も通い続けてくる営業が好きなはずだと思い込んでしまい、自社の営業マンにも「断られてからが営業だ」というような指示を出してしまう。

たしかに一昔前まではそのような営業がたくさんのモノを売っていたし、今でも年配の経営者については通用するやり方かも知れない。

しかし40代以下の若手の社長の場合、拒絶するタイプかも知れない。

強引に営業をされるほど辟易としてしまう。

これは経営者だけの話ではなく、一般の人にも通用することである。

例えば、家電量販店でパソコンを探していると、「最近の売れ筋はこちらの機種です。」とか「お探しのパソコンってどんなものですか。」など、声をかけてくる店員が多くいる。

わからないことがあった時に質問をしたいが、売り場をぐるぐると見て、値段や性能などを確認しているだけで、いろいろと声掛けをされるのは迷惑な場合もある。

折角その店で買おうかなと思っていても、他店でこちらの質問に誠心誠意答えてくれて、困ったことがあったら声をかけてくださいといわれた方がかなり楽な時があるのは事実である。

消費者の心理としては「売られる」ことが大嫌い

誰かに営業にされるのも、誰かにクロージングをかけられるのも
気分が悪いのだ。

彼らはあくまでも自分の意思で選んで、自分の意思で決断したいと思っている。

だからといって何もしなければモノはうれない。
変わりゆく消費者心理に合わせた営業戦略が、これからの時代には必要不可欠なものである。

つまり、すべての消費者を「お客様」と崇めるのではなく、自社の製品、商品を欲しいと思ってくれる顧客を見つけ出して、そしてその商品の良さを自ら感じ取ってくれる機会を作り出す戦略だ。

最近業績を伸ばしている会社の特徴として、プッシュ型の営業をするのではなく、マーケティング課をつくり、「問い合わせがたくさんくる仕組み」をつくっている。

わかりやすい例でいうと、街中で配られているティシュだったり、広告である。

ダイレクトメールとは違い、興味をもった人が、手に取った広告を自ら手に取るアクションが必要になる。

勝手に送られてきたダイレクトメールよりも、興味、関心度が高いのは事実である。

売上がダウンしているにも関わらず、
「気合で売ってこい」
「もっと訪問件数を増やしてこい」
「俺は苦しい時、気合で乗り越えてきた。
お前らが結果が出ないのは、気合がたりないから」などと、
時代遅れな、むちゃくちゃな理屈を社員に押し付ける社長には、こうした時代の変化がみえていない。

廃れていく企業の特徴であったり、ブラック企業という特徴にもなりうるので気をつけなければなりません。

離職が多くなってしまう原因にもつながっていくので、会社の社長の態度や雰囲気をしっかり見ていないと、騙されたということにつながっていくかもしれません。

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