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会社員である限り、キャリアの主導権は会社にもたれる

トレードオフが成立しているのが、日本の雇用

フリーランス、ノマドが増えているけど、正社員になりたいという人も多い。

この先法律改正があるのであればこの話はご破算になってしまうけど、現時点では正社員になると安定をする。

労働人口の不足とグローバル経済が緩やかな成長曲線が描けているからいいのですが、これが世界経済が鈍化をしたら、バブル後、リーマンショック以降のように大量のリストラということもあり得る。

有効求人倍率1.5倍に上がり、完全失業率が下がっているが、エンジニアや介護スタッフなどは10倍を超えています。

事務職、人事職については、0.5倍という狭き門になっています。

管理職系については採用枠が決まっているから、退職による欠員補充がメインになっているからです。

就職が難しいと言われていた沖縄も現状として、1倍を越える有効求人倍率になっている。

複業を解禁している企業もあるけれど、それが生き残る道になるかも知れません。

正社員であるうちに、複業を経験しておくことで個人としての力を身につけることが必要な時代です。

日本企業のほとんどは正社員で雇用を守る代わりに、転勤や人事異動の権利を会社に与えているのが現状です。

自分の思い描いているキャリアを歩めるかどうかは会社の判断だということに気づいてください。

最近では地域限定社員での採用で総合職の7割の給与と出世を捨てることが条件になる雇用形態や、産休育休明けに職場復帰をする際にお子様の成長に合わせた働き方など、多様化をしているのが現状です。

大体3年に一度は人事異動が発令されるのが日本企業である。

新しい支店をつくるから立ち上げをしてほしいとか、将来の幹部候補としていろいろな業務を経験することが糧になるという理由から、いろいろな部署を経験させるのがセオリー。

たいていの場合、中途採用よりもプロパーが出世をしている。

よくある面接の質問で、「5年後、10年後はどうなっていたいのですか?」という質問は愚問である。

先日も書きましたが、5年後の世界が読めたら天才である。

こんな質問をしてくる面接官がいる会社は、平均的な会社であり、やりたい仕事ができる環境ではないでしょう。

キャリアの実現できるかどうかは会社次第

人事として変えなければならない事実はたくさんあるのですが、自分のキャリアを作るのであれば言い続けることが必要でしょう。

人事評価面談で半期に1度、人事面談で上司に自分のキャリアプランを言い続けることも必要ですし、隣のチームリーダーに自分のキャリアプランを話すのも必要になりますし、社外の友人、知人に自分のキャリアプランを話すことも必要でしょう。

その他には社長への直談判、ソーシャルネットで発信し続ける必要もあります。

自分は所属していた組織でやれることに満足していて、このまま自身の成長をここで積み重ねていきたいと考えていました。

直属の上司も「(ここにおいては)理想的なキャリアパスを積めているので、このまま進んでいこう」という状態でした。

しかし、会社全体の方針が変わり、「力を入れる部署」ができました。

そして、人事異動は突然に通告をされ、問答無用で転属することが決定してしまったのです。

私個人としては所属している部署でこのまま経験を積んでいきたいが、会社の指示は絶対です。

いわば会社の意向により、希望のキャリアパスをねじ曲げられることとなったのです。

選択肢は2つ残っています。

1つは新しい部署でがむしゃらにもがくこと。

もう1つは自分自身のキャリアプランを貫くために転職すること。

その時の私は、後者を選択して新しい会社でがむしゃらにやることを決意しました。

会社に所属している以上は、会社のいいなり

この件に関して、恨みがましい気持ちはまったくなく、「会社員は会社の都合に合わせざるをえない」という当たり前の事実を体感しただけと言えます。

自分が10年後の未来を描こうとも、会社にとっては必ずしもそれを叶えてあげられる状況にあるとはかぎりません。

業界の動向によっては方針は変わっていくでしょうし、あるスキルセットを持った人材の必要性の絶対数だって変わってきます。

組織に属しているかぎり、その影響を受けざるを得ません。

われわれ個人が生き物であるのと同様、その環境になっている会社だって生き物です。

健全な会社ほど淘汰されないように変化していっています。

そのなかで「10年後」というのがどれだけ悠長なタイムスパンかは言うまでもないでしょう。

別の側面からお話します。身もふたもないことを言ってしまうと、いまの自分に見えている10年後なんて信用ができないものです。

仕事ひとつを取っても、着手して初めて見えてくるものがものすごく多いものです。

目標からトップダウンして着手できるのが理想ですが、多くの場合はミクロなものをボトムアップで「やりながら把握」していかないと「緻密な全体像」を構築することは難しいです。

就職活動のときに想像(妄想)していた会社の仕事と、いまの仕事の実態に乖離(かいり)を感じる人は多いのではないでしょうか?

別の言い方をすると、未経験のときに想像している「未来」なんて的外れである可能性が非常に高いです。 それでは未来に向かってできることとは何でしょうか?

現状を分析して、目の前に課題を徹底的にやるだけ

自分の10年後の未来を明確にセットすることは難しいです。

だけど、日々のなかで出会っているものへのセンサーを鋭敏にしていくことは誰にでも可能です。

私は「この人(出来事)に出会った意味は何なんだろう?」ということをよく考えます。

対象に対して良しあしを判断してしまいがちですが、それをなるべく排除してみると意外に見えることが多いです。

たとえば昔、かなりやりづらい客先の方がいました。端的に言うとムカつく人でした。

彼を攻略していた先輩に、僕も彼を攻略することを期待されていたのですが、たびたびキレそうになるのを堪えていたものです。

が、よくよく考えてみると彼が認めない人間というのは「仕事の意識が低い人」だったのです。

そのことに気づいてからは、自分の仕事のスタンスを見直すことになりました。実際に自分の意識が低かったのです。

プロとして最低限の知識、非常時における誠実で迅速な対応、過剰なまでのサービス性。それらが欠けていました。

別の例を挙げると、仕事を楽しいと思えなかったときに出会った先輩がいます。

当時、よく就業時間後の飲みを誘われては「めんどくせえな」と思っていたのですが、彼と時間を積み重ねるうちにシンプルな事実に気づかせてもらいました。

プライベートではオープンな気質の自分が職場においては人間関係を深める気持ちを排除していて、「一緒に気持ちよく仕事をしよう」という思いを持っていなかったのです。だから仕事が楽しくなかった。

そう、彼は職場の後輩がどんな人間性を持っているのか、個性を持っているかを把握するのは就業時間で見える範囲では不十分だと認識して、就業時間外に積極的に知ろうとしてくれていたのです。

それを踏まえた上で、個々に合わせた接し方で人材を伸ばしていこうとする思いを持った人だったのです。

それは「仕事は人と一緒にするものである」「どうせなら楽しく仕事をしよう」という彼の信念に裏打ちされた行動でした。

自分が心を閉ざしていたがゆえに仕事で人間関係の妙を感じられなかったことを突きつけられたのでした。

もしこれらとの出会いを、新人時代に自分の妄想だけで設定した「10年後の未来」のためにすべて切り捨てていたとしたら? おそらくいまの自分は存在していないと思うし、かなり独りよがりなキャリアを積んでしまっていたと思います。

小さなことからコツコツと

中長期的な目標設定自体は悪いことではありません。

ですが、往々にしてミクロな経験を欠いたそれは的はずれなことが多いです。

そこで必要なのは「いま置かれた環境」でできる目の前のことに全力で取り組んでいき、理想と現実のギャップを知っていくこと。具体的に見えるようになってきた展望をもとに中長期的な目標設定を改良していくこと。

そして出会っている物事や人から与えられる気づきに敏感になること。自分の描いている未来の直接の参考になるかもしれないですし、そうでなくてもいまの自分に見えていないヒントを与えてくれる可能性は非常に高いです。

つまりは「将来の自分像」と「目の前の人・出来事」を往復することで、その精度を高めていく必要があるということです。


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