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50代経営者【相談できる相手がいない…経営者は孤独】問題は解決できるのか?

50代経営者・人生後半ミッションコンサルタント>の中川麻里です。

今回は、よく言われる
経営者には相談する相手がいない、経営者は孤独
問題について考えてみます。


1.「経営者の孤独」問題は、放置してはいけない

「経営者には、相談できる相手がいない」
「経営者は孤独な存在」

よくそう言われますよね。

実際、多くの経営者が”孤独な状況”にあるのではないでしょうか?
(皆さんはいかがでしょうか)

しかし、
経営者はそこで思考停止し
自己憐憫に浸っていてOK!
ではありませんよね。

なぜなら一人で悩み
頭の中でぐるぐる同じところを行ったり来たりしても
何も解決しないからです。

2.経営者が困りごとを誰かと分かち合う難しさ

実際、私には経営者の孤独と苦悩を
目の当たりにするシーンが結構あります。

私はコンサル業と並行して
「経営者向け駆込み寺ボランティア」的なこともしているからです。
(電話でお困りごとを伺うスタイル)

その活動の中でよく伺うのが

⚫︎こんなことは誰にも言えず、本当に困っていた
⚫︎相談できる人がいなくて、一人で抱えて苦しかった

という、経営者からの言葉。

苦しい状況に直面する経営者の気持ちを考えると
「気の毒だな」と感じる反面、
ここまで追い詰められないと誰かに話せないのだな
とも思います。

経営には、
成長とともにいくつもの波があり
一人では手に負えないことも時には起こりますよね。
これは当然のことです。

成長に伴い問題が起きることは当たり前なのに、
なぜ経営者は困りごとを人に話せないのでしょうか?

その理由として、

⚫︎悪い噂が広がるのを恐れている
⚫︎人に弱みを見せたくない
⚫︎経営者とは孤独な決断をする役割だという思い込みがある

など、さまざまな要因が考えられます。

3.安心・安全な場でなら、困りごとは口に出せる

一方、
経営者が困りごとを安心して人に話せる場
の実例についてもお話ししたいと思います。

私は、ある経営者コミュニティに所属しているのですが
そこでの話です。

先日、グループごとに分かれて
過去数ヶ月を振り返っての成果発表会をしました。

そこでは各自が、
「実行したこと・なぜうまくいったのか」
「もっとうまくやるためにどうしたらいいと思うか」を発表します。

そして、お互いに知恵を出し合い気づきを得るような
有意義で中身の濃い時間を皆で作り上げます。

メンバーは、業種も規模も地域もさまざま。
起業直後で、商品設計に奮闘する人、
月間億越えの売上にチャレンジする人、などなど。

実はグループ内の発表の場では
うまくいってない。どうしたらいいのか?
という話もふつうに話題に上ります。

たとえば
「売上が作れない」「集客がうまくいかない」「挫折した」
それで「落ち込んでいる」etc…。

なぜその場では、
「うまくいってない」「困っている」が言えるのでしょうか?

それは
安心・安全・ポジティブな場であることが保証されているからです。

何を言っても否定されない。
いったんは、受け止めてもらえる。

が、メンバーの了解事項なのです。
(もちろん秘密も守られます!)

否定されることがなければ、
恥ずかしい思いをせずに済みます。

そんな、自分の発言を受け入れてもらえる環境であれば
「うまくいってない」という気持ちを言葉にすることができます。

実はそのことには大きな意味があるのです。

4.「うまくいってない」という事実を素直に認めることの効用

困っているときに
「今、うまくいってない」
と感じている自分がいるのは、まぎれもない事実ですよね。

ですので、これは単なる事実として受け入れるべきでしょう。

実は、「自分が困っている」という
事実を認めること自体がとても重要なのです。

なぜなら、この認識があるからこそ
経営者は問題解決のプロセスの出発点に立つことができるからです。

問題解決のプロセスは具体的には、
下記のように進行していきます。

①まず自分が「うまくいかず困っている」ことを自覚する。
(ここが出発点!)

②その次に「私、困っているんです」と率直に口に出すことで、
周囲に「あなたは、今そのことで困っているんだね」と
理解してもらえる状態をつくる。

こうした「受け入れ」の状態が整うと、
経営者は「うまくいかない」現実を
安心して受け入れられるようになります。

この状態になれば
経営者はやっと一息つけるようになります。
うまくいかない自分であってもいいんだ
と、感じられるからです。

③そうなれば、
問題解決のために「じゃあどうしようか?」と
前を向いてポジティブに解決策を考えることができるようになります。

このプロセスの中で
周囲との分かち合いの力」は大きいです。
安心して自分に向き合う助けとなり、とても心強いものだからです。

5.私自身が、悩みから解放された例

私自身も悩みを吐露することで楽になった経験が最近ありました。

とても卑近な例で恐縮なのですが
一時期の私はこんなことで悩んでいました。

テーマは「コンサル業と(いずれ仕事にしたい)趣味の両立問題」。

具体的には、
「趣味が楽しすぎて没頭してしまうと、
コンサル業の頭に切り替えできず苦しい」という内容でした。

↑「他の人からすると、"あんた何お気楽なこと言ってんの?"と思われちゃいそう…恥ずかしくてそんなこと人に言えない!」と、
昔の私なら感じたであろうことです。

こんな話を
先日、経営者コミュニティの仲間に話したとき
(結構思いきって話した)
メンバーは誰も笑わなかったし
真剣に耳を傾け私の気持ちを受け入れてくれました。

その上で、
・この人に相談するといいよ
・こんなふうに考えてみたら?
というアドバイスもしてくれました。

その場ではこの悩みは解決できなかったのですが、
自分の困っている気持ちを否定されなかった。
安心できた。
と、すごくほっとした
のを覚えています。

そして後日、
「相談するといいよ」と紹介されたある方に
この「両立問題」の相談に乗ってもらいました。
その人はうんうんとうなずきながらこう言ってくれました。

話を聞いていると中川さんは
「お金を生むコンサル業のお仕事が上、お金をうまない趣味が下」
と、二つを分断しているように聞こえます。
でも、中川さんにとってはどっちも大切なことなんですよね?
その両方があって中川さんなんですよね?
そう思うと、何かが違って見えませんか。

あー確かにそうだ。
私は趣味を下に見ていた。
「お金を一円も生まないのに、そんなことをする価値があるの?」って。
でもそうじゃない。
お金を生もうが生まなかろうが、
趣味に全力で取り組むことも私自身なんだ。

そう思った途端、
仕事も趣味も両方がとても大事に思えてきました。

結果として、
1日や1週間の中での両者の切り替えがスムーズになり、
変な罪悪感(仕事をせず趣味に没頭する時間を持つことへの)も
なくなりました。

このように
頭ごなしに否定されない「安心・安全な場や人」を持ち、
そこで自分の「困りごとに安心して向き合う」ことができれば、
経営者は現実を受け入れ乗り越えながら
さらにパワーアップすることができるのです。

6.それでも誰かに相談することに抵抗がある場合、どうしたらいいか?

しかしながら、
やはり人に相談するのは抵抗がある
とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。

そういう方の場合、
冒頭に挙げた「相談できない理由」のほかに
次のような事情も考えられます。

あなたは過去に困りごとを誰かに相談した際に、
その人からこんなことを言われた経験がありませんか?

・そんなことないよ
・それは違うよ
・そんな後ろ向きなこと考えるのやめなよ
・もっと楽しい前向きなことを考えなよ etc…

おそらくその相手の方に悪気はないのです。
あなたを励まそうと、
そう言ったに過ぎないのです。

しかし、上記のように言われると

「もうこの問題を考えるのをやめよう」
「人に話すのもやめよう」

と思ってしまいますよね。
(悩んでいる自分を否定された気になり、悩んでいること自体に罪悪感を感じてしまいます)

経営者の皆さんの周りには
商工会議所、法人会、業界団体の集まりなど
いろんなコミュニティがあると思います。

50代経営者の皆さんでしたら、
複数の団体や集まりに参加されている方も多いでしょう。

しかし、せっかくの他の経営者との触れ合いの場が

「ウチの方が売上も利益も上だ!」というマウントの取り合い
「ライバル会社は何をするつもりだろう?」という腹の探り合い
「とりあえず顔を売っとかなくちゃ!」という自分だけの都合

だけになってしまっているとしたら、
自分の困りごとの分かち合いができないとしたら、
それは本当に残念です。

ですから
自分の困りごとを表現する相手や場は選ぶ必要があります。

安心・安全な場でこそ、
周囲からの協力や助言を通じて
より良い解決策や自分に合った方針を見つけることができるからです。

7.まとめ

経営者には、なかなか相談できる相手がいない。
経営者は孤独だ。
そう思っている経営者は多いでしょう。

しかし、経営者が悩むのは当たり前、
困りごとは自分だけが抱えているわけではなく
誰もが直面するものです。

そんなときは
安心・安全な場で
悩みや困りごとを分かち合うことで、
経営者は新たな視点や解決策を得ることができます。

そんな「分かち合い」が
当たり前な世の中にしていきたい、
と思い今回の記事を書きました。

いかがお感じでしょうか。
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