見出し画像

葬式サバイバル②葬儀屋さんとの打ち合わせ


家族が死んだら葬式をする。
病院で亡くなったらまずうちか、葬儀屋さんの安置所に向かいます。
そこまでは
葬式サバイバル①に書いています。

さて、そこからです。
ここから葬儀屋さんとの打ち合わせが始まります。
遺体を横に、どんな葬式にするかを具体的にすぐ決めねばなりません。
決める内容はこんなところです。

①寺(というか坊様)or他
②会場の大きさ
③宿泊の有無
④祭壇・棺・骨つぼ・花
⑤流す音楽
⑥死装束・お棺に入れる物
⑦分骨の有無
⑧予算感
⑨遺影+写真


①寺(というか坊様)or他

日本は摩訶不思議な国で、生まれたらお宮(神社)に詣ってお祝いしてもらうのに、死んだら仏様(寺)に送ってもらう、が結構一般的です。
この世の入口と出口違う、っていう。
誰もたいして疑問も持たずに大丈夫というとてもおおらかな国です。
地域によりますが7割前後が仏教葬式だそうです(私の地域は9割仏教式)。残りの3割のうち多くは無宗教で、わずかに神式とキリスト教式。
年々無宗教式は増えているとのことです。
葬式を「無宗教」で行いたいという場合は、①は不要です。
お話は過半数を占める仏教式ですすめます。
それほど宗教心がなくてもやっぱりお経が、とか、戒名(法名)が、という気持ちになる方もいます。
そうなるとお寺さんにお願いすることになります。

書くのを忘れておりましたが、一つの宗教のみを行う葬儀屋さんもありますが、多くの葬儀屋さんは複数の宗教、宗派の葬式に対応してくれます。
葬儀屋さんとは結婚式におけるウェディングプランナーと一緒です。
結婚式場で式をしてくれる牧師さんと、葬式の際の坊様が同じ立ち位置。
結婚式場は基本取扱いが一つの宗教だけだと思うのですが、葬儀屋さんはフレキシブルです。

亡くなられた方が初代の場合は家の菩提寺がありません。
本家筋の宗派にする必要はないですが、どこでもいいやと決めたところが本家と違うと、葬式に参列した親戚がハテ?と疑問に思ったりします。
そういったことが気にならない場合、葬儀屋さんが提携しているお寺さんがあります。こだわりがない場合はそこにお願いするというのも手です。

ところで、お寺さんにお支払いするいわゆるお布施はお経、戒名(法名)などの代金で、これは葬式代には含まれません。
お布施金額の目安はイマドキは葬儀屋さんが教えてくれるところが多いです。

②会場の大きさ

さて②。このご時世「家族葬」を選択される方は多いと思います。
が、たとえばその個人が現役世代であったりお友達が多い方だったりすると、葬式に関係者に来ていただいた方が家族の負担は圧倒的に少ないです。
それぞれの方が故人とそれなりの関係を築いていると、みんななんらかの方法で故人とお別れをしたい、と感じるのだと思います。
普通はそのお別れを「葬式」で行います。
でも葬式という形がないと、せめて仏前で拝みたい、せめてお墓にまいりたいとの希望が上がり、遺族はあとからその対応に追われることになります。
亡くなる前の看病から怒涛の葬式で疲れ果てたところに多方から「せめて」と連絡があると正直シンドイです。
葬式に来てもらえば葬儀屋さんの手助けの元、その大半に対応できる。
これが葬式をするメリットなんじゃないかと思います。
そのあたりも踏まえて会場の大きさを決めるのが良いです。
故人が元気なうちに、誰に知らせてほしいのか、誰を呼んでほしいのか、話し合っておくと悔いずに済みます。

③宿泊の有無


葬儀場には大抵少し泊まれるスペースがあります。
家から近いし泊まらなくていいや、と思うかもしれませんが、葬式の前日に意外と夜遅くまで弔問客があったりします(このあたりも自宅でやるより葬儀場の方が楽な理由です)。誰かひとり守りとして宿泊するのが安全だったりします。来れないと言っていた親戚が遠方から頑張って駆け付けてくれたりします。そういった急な宿泊にも対応できます。

④祭壇・棺・骨つぼ・花

祭壇はぶっちゃけ「値段」です。
ニュースで見るような祭壇はそれなりのお値段ですし、小さくても「お買い得!」という感じはあまりしないかもしれません。
うん百万~十数万、みたいな感じです。
大抵パンフレットを見ると、一番安いのは選びにくいくらい簡素に見えるような気がします。
お財布次第、です。

もお値段ピンキリですが、これは結構趣味もあります。
一番シンプルなのは桐の棺だと思いますが、それ以外はサテンっぽい生地の花柄で、複数のの色から選択、みたいな形になります。
故人の好きな色にするか、送る側の思いの色にするか、意見の分かれるところです。
私の姉の時には母の意向で薄ピンクの棺でしたが、私も姉の友人も「〇さんらしくない」と口にしました。
別に誰の意向でもよいですが、腑に落ちないと後々まで「あれでよかったんだっけ?」と感じます。

骨つぼも同様に趣味によります。
一番シンプルなものは素焼き、あとは色、柄、で選びます。
骨つぼを見るのはお骨拾いと納骨の時くらいで、基本は箱に入っています。入れる箱は棺桶と同じ色柄が通常だと思います。

とは供花のことです。祭壇にお花があるので喪主はそれでよい、とする場合もありますし別途供花として出す場合もあります。
家族葬で事前に誰にも言わないと供花がない場合もありますで、その場合には出した方が寂しくないかもしれません。
喪主以外の同居の家族(成人)は自分の名前で供花を出す場合が多いような気がします。

⑤葬式で流す音楽

数時間前に家族が死んだ、という状態で「葬式で流したい曲があれば」と聞かれます。
正直、事前に考えていないと思いつかないかもしれません。
自分の葬式でかけてほしい曲は自分で選んでおくに限ります。
家族に曲名を渡しておくのが良いです。
姉は事前に葬式でかけてほしいとSpotifyで選んでいたので、そこから数曲を選びました。

⑥死装束・棺に入れる物

家族が亡くなった数時間後には何を着せるか、棺に何を入れるか、を決めねばなりません。
入れる物はあとから多少追加できます。
でも何を着せるか、は、葬儀屋さんとの打ち合わせの後、いわゆる化粧師の方が来るまでには決めて用意しておかねばなりません。
着物だったり故人のお気に入りの服だったり趣味の服だったり。
家族が亡くなって数時間後に、何着せよう、と考えるのはなかなか頭が働かないかもしれません。
故人が元気なうちに話し合っていると良いです。

⑦分骨の有無

宗教によるのかもしれませんが、「分骨」を希望されることもあります。
おうちに少しお骨を置きたい、とか総本山に先祖代々分骨してる、とか、自分も最後はそこに行きたい、とか。
分骨、というのは「分骨証明書」という書類が必要です。
火葬場でもらいます。
分骨をする、と最初から決めていると、分骨用の小さな骨つぼが用意され(別料金)、お骨拾いの時に、のどぼとけの骨を分骨用の骨つぼに入れます。
骨つぼの蓋開けて自分でちょっと取り出して、というわけにはいきません。
あと親族の中に分骨反対、という方がいる場合もありますので、そのあたり事前調整が必要だったりします。
「故人の意向で」が一番スムーズですので、元気なうちに話し合っていると安心です。

⑧予算感

亡くなった時点では相続も、保険もまだ手続できてません。
でも、支払いは否応なしに発生します。
いったい何度目の言葉か分かりませんが、「故人が元気なうちに」、話し合って、何なら現金で用意しておくと安心です。

こんなあたりを家族が亡くなってすぐに葬儀屋さんと打ち合わせます。
事前に色々決めておくと心労が少なくて済みます。

⑨遺影


この場ではないですが、葬儀の日程次第でいつまで、という期限付きで「遺影」+「故人の写真」を送ってくれと言われます。
打ち合わせの際に遺影の背景は決めます。
亡くなって数時間後に「遺影どれにしよう」と考えるなかなかメンタル削られる行為があります。
いっそ毎年撮っておく、くらいしておくと精神的に楽です。
葬儀屋さんによっては他の写真をデジタルスライドで飾ってくれたりします。10-15枚くらいでしょうか。きっと誰しも携帯に写真データがあることと思います。ちなみに私自身は写真に写るのが好きではなく一人で写っている写真がほとんどありません。どこかに行った折りや日常などリラックスした写真を撮るのを習慣にしお気に入りにためておくといざという時助かります。

さて次回は、ようやく葬式当日のお話し、です。


応援いただけたらとてもうれしいです!いただいたサポートはクリエイターとしての活動費にさせていただきます♪ がんばります!