あせとせっけん:コンプレックス克服をめざすならコレ
【あせとせっけん:山田金鉄】
だれしも人に言えないコンプレックスを抱えているのだと思う。
なにが「コンプレックス」になるかは、子供の頃の刷り込みだったり失敗だったり、なにがしかの心の琴線に触れる体験が元になっていることもあり、そう簡単には乗り越えられない。
それが特に身体的なものの場合、努力で補い難い部分が多く、根が深くなる気がする。
なんて、真面目に書き出した、今回のマンガは「あせとせっけん」。
このマンガ、なかなか手に取れなかった。
どう見てもこれ、エロマンガの表紙じゃん。いや、エロマンガはそれはそれで好きだし、読むけど(!)、この表紙、どう見て「女教師と男子高生」的じゃん。
女教師と男子高生シュチュエーションをバカにするつもりはない。エロサイトでもよくありそうな設定のような気もする。ただ、単に、私の萌えじゃないってだけ。
そんなわけで、長いこと気になりつつも読んでなかったのを後悔する内容だった。
もうマジ、萌える。
いやもう、ホント、エロもちょいちょいあるし、男ってアホだなとか思うんだけど、なんかもう愛すべきアホっていうか、ここ押さえてるなら、他がアホでもいいや、っていうか。
とある化粧品・バス用品メーカーの商品開発プランナー名取香太郎さんと、経理部、八重島麻子さんのお話。
香太郎さんは社内でも有名なヒットプランナー。恐ろしく鼻が良く、何の石鹸を使っているのか、複数種類のデオドラントスプレー(無香料)すらかぎ分ける。
片や麻子さん、あせっかきなことで子供の頃にいじめられた経験があり、あせの匂いに強いコンプレックスがある。
そんな二人はその匂いをきっかけに出会う。
コンプレックスはそれぞれが今生で越える業(ごう・カルマ)なのかもしれない。そう簡単に乗り越えられないし、フタをしようとしてもなくなってくれないし、かといって直視したら張り替える為に絆創膏はがした直後の生傷みたいに、生々しい。それでもどうにかしようと試行錯誤。
もしかしたら一人じゃ乗り越えられないようにできているのかもしれない。
出会うべくして出会う誰かの助けを借りて、滑ったり転んだりしながらえっちらおっちら乗り越えて、どうにかこうにか峠を越えてふり返った時はじめてそのコンプレックスを受け入れ、愛せる様になるのかも。
決してただのエロマンガじゃない。
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