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花よりも花の如く:日本文化について知りたいならコレ

【花よりも花の如く:成田美名子】

日本人が日本について詳しいと思ったら大間違いだ。

たいていの日本人は相撲を見に行ったこともなければ、歌舞伎を見に行くこともない。柔道や剣道などの武道や茶道、華道に触れ合う機会も実はあまりない。もしたまたま機会があったとしても、学校の授業で柔道があった、とか修学旅行先でお抹茶をいただく機会があった、友人に誘われて歌舞伎に行った、という程度。それについて深く学ぶ人はごく一部。
日本文化はごく少数の人で守られている。もう少しその面白さを知る機会が増えると良いと思っている。

たまたま私は、比較的日本文化に触れ合う中にいたような気がする。生まれが焼き物の街だったこともあり、家用の茶道具があり、日常的に抹茶を飲んでいた。普通にティータイムに抹茶を点ててダイニングでそのまま飲む。お茶菓子はその時にある甘味なので、チョコレートだったりすることもあった。「お点前」とかいう概念はなく、点て方は結構適当だった。まあ、生活に根差した文化は悪くないな、と思っている。剣道と空手を習う機会があったので、そちらの方面からの知識も入った。ただ、残念ながら、田舎だったので舞台がなく、歌舞伎や能、狂言、人形浄瑠璃といった芸能と触れる機会はなかった。

気になりつつも間口が狭くなかなか勇気が出なかった「能」。そのハードルを下げてくれたのはこの物語。

花よりも花の如く

前作NATURALに登場する重要なキーマン西門さんのお兄ちゃんのお話。能楽師。能の世界ってこうなっているんだ、とか番組や芸能の言葉の成り立ちは能か。とか目から鱗の初心者知識から、能の演目の内容、解釈の仕方、世界から見た能の世界など、読んでいると自然に知識が深まってくる。

読んだ後で能観劇デビューしたら、とても楽しめるので、日本文化について知識を身に着けたいなら、コレ。

ちなみに知識習得抜きで、物語の人間模様がとても面白いです。


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