DXに欠かせないIT人材の採用手段とは?
こんにちは。
株式会社Careerchipsの宗俊です。
昨今、日本経済成長のため国が「企業のDX」を推進していることはご存知かと思います。
DXについては他の記事でも紹介していますが、DXを社内で推進するためにはいくつかの障壁があり、中でもIT人材不足は深刻な問題です。
私もお客様とお話しさせていただく中で、「DXを推進したいけど、IT人材と呼べる社内メンバーが少ない」といった状況で、DXだけでなく既存業務のデジタル化すら滞っているケースは多くあります。
こういった状況の解決のために、今回はIT人材をどうやって採用するか、をテーマにお話しさせていただきます。
IT業界について
DX化に伴いIT業界だけでなく、多くの業種で必要となっているIT人材採用の人気は衰えません。しかしIT人材採用は他職種に比べ非常に難しいと言われています。
IT人材を採用するためには、まず業界の動向について知ることが重要です。
Q: IT業界の業績と求人状況はどうなっているのでしょうか。
A: 他業種と比べかなりIT業界は好調で今後も更に伸びていくことが予想されています。
<業績が好調>
IT業界は2020年4月の第1回緊急事態宣言により一旦景気が後退しました。
コロナ禍によるリアルイベントの中止、営業制限、業務効率の低下などにより他業種同様、業績が大幅に低迷しました。
しかし、これをコロナ渦を転機にテレワークなどのニューノーマルな働き方の台頭により、その状況は一転しました。
IT業界では元々テレワークが浸透しており、比較的早く移行できたことや、元々リモートでも対応できる業界でもあり、短期間で低迷期を脱せられたからです。
また、テレワーク化にはITの力が必要でもあるためITツール導入の需要が増加したこともIT企業の業績向上につながりました。
<DX時代到来に伴い、今後も上向きの予測>
テレワーク需要に伴う業績高な波が来たことに加え、DX時代到来により、各企業のデジタル化推進が更に活発に行われています。IT企業へのニーズは高まる一方であり、今後も上向き傾向が予測されています。
DX化やAI、IoTなどはコロナ禍前から注目されていましたが、コロナ禍も相まって需要が拡大しています。
慢性的な人材不足が課題
しかしながら、これらに対応するIT人材の不足が深刻な問題となってきています。
理由はDX化による需要拡大に対応できる人材が足りていないからです。
<要約>
・IT業界の業績は好調で既に良い人材獲得競争は始まっている。
・DX推進のためIT人材を採用する企業が増えたため人材確保競争が更に激化している
・IT人材にとっては正に売り手市場
IT人材の採用が難しい4つの理由
理由①ペルソナ・Job Description作成が難しい
ペルソナとは採用したい人材の人物像、Job Descriptionは求人詳細のことです。つまり採用したい人材のスキルや条件、責任範囲などを指します。
採用活動を行う時には、どんな人材を採用したいのか、その人物像や採用要件を決めます。IT人材を採用する際も同じことをする必要がありますが、求人票の作成がとても難しいのです。
例えば「ITエンジニア」も採用難易度が高い職種です。
また、ITエンジニアにも専門分野があります。
求人を出す前に必要なエンジニアの種類や役割を明確にし採用する理由をハッキリさせましょう。
<ITエンジニアの専門分野の例>
インフラ
サーバー
フロントエンド
難しい理由は、IT人材と一言でいってもそこには多くのポジションやスキルがあり、その中のどの経験・スキルが必要なのか、理解することが難しいからです。
更にDX人材となれば企画能力やチームマネージメントなどIT以外のスキルも必要になるため、そもそもの母集団は限られており、難易度が高いのです。
求めるスキルに対するバランス感覚も大切です。要求する人材のレベルを上げると該当する人材は絞られてしまい、さらに採用の難易度を上げてしまいます。
理由②優秀な人材は転職市場に出てこない
IT人材は売り手市場であることに加え、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用が「当たり前」となっているため、優秀な人材は既に好条件で企業に採用されていることが多く、転職市場に現れにくくなっています。
転職希望者をただ待っているだけでは、優秀なIT人材には会えないことが多いのです。
また優秀なIT人材にはフリーランスという選択を取ることも多くあります。
ITエンジニア市場はフリーランス向けの仕事も非常に多く、好条件の仕事があふれています。よって企業を退社したい優秀なIT人材がいたとしても、よほどの条件でなければ採用には至らないケースもあるのです。
理由③働き方の違い
優秀なIT人材は裁量労働制の働き方を希望する傾向が高くなっています。
彼らは短時間で高い品質の業務をし、残った時間を有効に使う傾向にあるからです。
日本企業はまだこれら制度を取り入れている企業は少なく、一定時間の拘束を前提とした仕事のスタイルが多くなっているため、IT人材が希望する働き方を企業側で準備できていないことが更に採用難易度が高くなる理由となっています。
理由④応募者スキルの見極め
これはペルソナやJob Descriptionにつながりますが、採用したい人物像に対し、どのスキルがどの程度あればよいのか判断が難しいのです。
これまでIT人材の採用経験のない企業では、人材のスキルが採用したい人物像とマッチしているか判断できる人も少なく採用は更に難しくなります。
時には、履歴書だけでは採用可否を判断できない場面もあるはずです。
例えば「経験◯年」のような年数による表面的な表現では、応募者のスキルや得意とする分野がわからないことも多いものです。
迷ったら会ってみる、というスタンスで臨むことをおすすめします。
優秀なIT人材を採用する3つのポイント
ポイント①ペルソナ・JDをしっかりと作り込む
自社の企業体制や業務内容を明確にした上で、出来るだけ具体的な求人像を作り出すことです。
IT人材採用に限らず、求人募集をする際の鉄則は、「仕事内容を具体的に記載する」につきます。
<HINT>
・なぜ、その職種を募集することになったのか
・社内で使用する業務システムはどのようなものがあるか
・現在抱えている課題と、どのように改善していきたいかというビジョン
など仕事内容が明確になることで、自分の持っているスキルを活かせると判断した人材からの応募が増え、マッチング率の高い採用が実現できます。
仕事内容を深掘りすることで、他社との差別化もでき、オリジナルの求人情報になるメリットも大きいです。
ポイント②母集団形成:優秀な人材と出会える方法を使う
優秀なIT人材になればなるほど転職を考えていない割合が高くなるのも事実です。つまり、求人掲載をして応募者を待っているだけでは優秀なIT人材はそう簡単に現れません。
自らアクションを起こし、優秀なIT人材を探し出す活動が必要です。
<ダイレクトリクルーティング>
ダイレクトリクルーティングは企業が直接求職者にアプローチする手法です。最近では、ダイレクトリクルーティングに特化したサービスが増えてきています。
これらのサービスには求職者のプロフィールが掲載されており、企業側が閲覧し、マッチしそうな人材に直接アプローチすることが可能です。
<リファラル採用>
社員や関係者からの紹介による採用方法です。
自社内の社員は自社の状況や求める人物像をよく理解していることから、よりマッチした人材を紹介してくれる可能性があります。
<アルムナイ採用>
一旦離職した社員(他社や他業種を経験した人材)を再度採用する手法。
自社の制度や状況を理解していることから、教育時間などを省略できることもあり、双方にメリットをもたらすことができます。
<転職サイト・人材紹介>
IT求人に特化した転職サイトを利用して優秀なIT人材を探し出すことは有効な方法です。例えば、WantedlyやFindyなど
ポイント③柔軟な採用基準作り
3つ目は、柔軟な採用基準づくりです。求める採用基準ですが、多くを求めればその分採用は難しくなります。
複数のスキルが必要であれば採用種別を増やす、MustとWantに分けて考えるなど、柔軟に考えることも必要でしょう。
また働き方や評価要件なども柔軟に考えるべきです。リモートワークはもちろん、裁量労働制の導入など求人側にあわせた働き方も準備が必要です。
内定辞退されないために
選考を終え内定を出すことができてもまだ安心してはいけません。
IT人材の方々は売り手市場なこともあり複数の内定を持っている可能性が高いです。そこで内定辞退を防ぐためのアクションが更に必要になります。
選考を終え、候補者が感じている不安は大きく下記3点になります。
不安①活躍できるのか不安
これまでペルソナ作成、求人票作成などで見えてきた「採用したいIT人材に求めること」を的確に伝えることが重要です。
また下記についても明確にすることで候補者の漠然とした不安を払拭するきっかけになります。
入社してまず何をすればいいのか?
何を期待されているのか?
いつまでに達成してほしいのか?
1日インターンをしてもらうのも内定辞退を防ぐ+入社後のミスマッチも防げる効果的なアクションです。
不安②社内の雰囲気が合わないかもしれない
社員とのカジュアルランチなどを設定しどんな人材が社内にて、どんな理由で入社をしたのか共有する機会をつくると、入社前の同じ不安を持っていた社員と出会えるかもしれません。候補者の推測で判断される前に、実際に会う機会を設定し決断いただくのも良い手です。
不安③年収や条件面が合わない
どこに課題を感じているのかをまずはヒアリングをおこないましょう。
また他社からの内定後の年収提示額などもヒアリングする必要があります。
他社の提示年収があまりに高い場合は合わせる必要はないですが、努力できるところがないか、できないところはどこかを明確にしてお互いが納得のいく年収・条件を確認していきましょう。
リモート勤務などを希望される場合は社内のルール見直しの機会として検討してみましょう。
まとめ
本記事では「IT人材をどうやって採用するか」に焦点を絞り執筆させていただきました。
今後労働人口が更に減っていく日本では「お金をかければ人は来る」はもう成り立ちません。
採用活動を始める前に是非一度「どんな」について考えてみてください。
どんな人材に
どんな仕事を
どんな働き方で
どんな責任範囲で
「どんな」を追求した選考活動を行うことでミスマッチ人材を採用するリスクも減り、貴社にとっても求職者にとっても有意義で価値のある選考となるでしょう。
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