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【ドイツ駐在妻2名にインタビュー!】キャリアのモヤモヤとの向き合い方

今回は「キャリアのモヤモヤ」というテーマで、ドイツ在住歴2年以上のメンバー2名にインタビューをしました。二人のモヤモヤは何なのか、モヤモヤとどのように向き合い行動してきたのか、キャリアに悩む駐在妻(以下駐妻)の飾らないリアルな姿を綴っていきたいと思います。

1. プロフィール

あゆみ(フランクフルト)
 ■ドイツ在住歴:2018年10月~
 ■家族構成  :夫、4歳息子、2歳娘
 ■仕事の経歴 :総合商社に9年間勤務。インフラ部門でヨーロッパ地域の再生可能エネルギー発電事業やブラジルのガス関連インフラ開発を担当。ロンドンに2年間駐在経験あり。夫の駐在のため退職しドイツに帯同。 
 ■日本での仕事のやりがい:多様な国や企業と協力し、ひとつのプロジェクトをつくりあげていくことや、仕事を成し遂げたときの大きな達成感に面白さを感じていました。「生活に必要不可欠なものにたずさわり、多くの人に喜ばれる仕事がしたい」と考えており、勤務当時は大変だったけど、自分のやりたいことをさせてもらっていたと思います。
   ■現在の主な活動 :
・前職の経験を活かし日本企業の仕事をリモートワークでフリーランス勤務
・キャリアメンター資格取得済み

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(フランクフルトのクリスマスマーケット)

ようこ(デュッセルドルフ)
 ■ドイツ在住歴: 2018年12月~
 ■家族構成  : 夫、4歳息子、1歳娘
 ■仕事の経歴 : 証券会社に6年間勤務。名古屋、仙台、東京にて個人向け営業を担当したのち、本社の統括部門を経験。夫の駐在のため退職しドイツに帯同。
 ■日本での仕事のやりがい:  営業時代はどうすればお客様に話を聞いてもらえるかを研究して行動し、その結果としてお客様に認められたり、営業成績や報酬に数字として表れることにやりがいを感じていました。本社の統括部門では、役員会議や決算の資料作成、ITツールの利用促進などにたずさわり、運営側の視点が得られて勉強になりました。
 ■現在の主な活動 :
 ・CAREER MARKの広報インターンとして活動中
   ・日本語教授法の勉強中

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(デュッセルドルフ旧市街)

2. キャリアのモヤモヤとは?二人のモヤモヤとの向き合い方

現在、仕事やインターンなどに取り組み、アクティブに前向きにドイツ生活をエンジョイしている二人。でも、これまで様々なモヤモヤに直面し、悩み、もがき葛藤してきました。お二人はどうやってモヤモヤと付き合い行動されてきたのかを聞きました。

●ドイツ帯同前の気持ちと、帯同後の気持ちのリアル
_________お二人とも帯同を機に退職する決断をされていますが、ドイツ帯同が決まり、退職を決意する時どんな気持ちでしたか?

ようこ:決まった時は、前向きな気持ちでした。仕事はもちろん続けたかったけど、あまり深く考えていなかったのかもしれません。私自身が幼い頃に海外で生活した経験もあり、子どものアイデンティティ形成においても海外生活は良い経験になると思っていました。なので退職し帯同する頃には当時あまり迷いはなかったです。

あゆみ:夫の駐在が決まったのがちょうど育休から復帰する約1カ月前。復帰後の仕事も決まっていた状態でした。夫の仕事柄、いつか海外駐在になることは理解もしていたし、家族で生活することを最優先したいと考えていたので覚悟はしていました。そんな訳で私も帯同することに迷いはなかったです。ただ育休で一時的に仕事を離れ、自分にとっての仕事の大切さを実感し自分史上Maxに仕事をしたい頃だったので、「今か~!!」というのが正直なところでした。行くって決めた後は、ずっとモヤモヤしていました。

_________お二人とも「仕事は続けたかったな」という気持ちを残しながら渡独されていますね。ドイツ生活がスタートしてからはどうでしたか?

ようこ:ドイツに来る1カ月くらい前まで働いていたので、バタバタ忙しくドイツ生活がスタート。でもドイツでの生活が少し落ち着いた頃、これまで大学を卒業してから当たり前のように働き、お金を稼ぎ、自立していた自分と違う姿の自分に、少しネガティブな感情を抱くことがありました。それに冬のドイツの天気はご存知の通り、寒くて暗くて、、、子育て家事中心の生活に不慣れな自分と、このままでいいのかというキャリアに対するモヤモヤがでてきました。でも比較的すぐ子どもの保育園が決まり、語学の勉強をしたり、ママ友ができたり自分のコミュニティが出来ていったので、モヤモヤが少し薄れていきました。

あゆみ:渡独してしばらくは新しい環境が新鮮で楽しく過ごしていたのですが、引越しのバタバタも落ち着いてくると、「〇〇さんの奥さん」「〇〇くんのママ」でしかない自分や、何か始めたいけどどうしていいかわからない、かつ息子の幼稚園もなかなか決まらず、自分の時間を取れないことにモヤモヤしていました。将来のキャリアの為に何かしなきゃと思うけど、何をしたら良いのか分からないしそれを考える時間もない、そのようにすぎる毎日が不安で…自分の時間ができたら、私の不安を解消するためには、何ができるのか、まず考えたいと思っていました。

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(秋のフランクフルト市内の公園)

●モヤモヤの変化と、取ったアクション
_________モヤモヤはその後変化しましたか?変化するきっかけは何かありましたか?

ようこモヤモヤはずっと薄~くあったんだと思います。でもそれに対してきちんと向き合うことはしてなかったと思います。一時帰国した際に、仕事をしている友人とキャリアについて話をして、帰国してから仕事に役立つことを何もできていないのではないか、という不安がでてきました。薄れていたモヤモヤを再認識することになりました。最初のモヤモヤとは違い、キャリアに対するモヤモヤが明確になったというんでしょうか。

あゆみ:ちょうどモヤモヤを抱えていた頃、現部長のヒロコさんのInstagramの「キャリアカフェをドイツでやりますが、興味ありますか?」という投稿を見て、思い切って連絡をし、このドイツ部が始まるきっかけとなったキャリアカフェに参加しました。そこからですね、モヤモヤが良い意味で変化していったのは。これまで渡独してから身近にいなかった、自分と同じような悩みを抱え、仕事をしたいと思っている仲間と出会えたのはとても良いきっかけでした。そこで色々な頑張る方法を知れたのは、自分にとって刺激になりました。

________あゆみさんのモヤモヤの変化のきっかけは「同じ悩みを抱える仲間との出会い」だったんですね。そのほかに、今のあゆみさんに良い影響を与えたものは何かありますか?

あゆみ:やはりこのドイツ部のキャリアカフェとの出会いはとても大きかったです。あとはドイツに住む仲の良い駐妻友達から仕事の継続方法を聞いたことですかね。私がやっていた業務と似たような仕事内容を、ドイツに帯同してからも以前と変わらない条件でリモートワークしているんです。自分の仕事を海外に持ってくる、という発想がなくて、「そんな方法もあったのか!!」と衝撃を受けました。友人の話を聞いて、私も諦める必要はなかったし、今からでも何かできる、と思うようになり、海外でリモートワークの方法を模索するようになりました。そして現在、実際フリーランスとして働いており、多少なりとも仕事をしているということが精神安定剤になっています。何かしているのが、自分にとっては大切なんです。

_______ようこさんは抱えていたモヤモヤに対して取られた行動は何かありますか?

ようこ:私はあゆみさんのInstagramでドイツ部の存在を知り、イベントに申し込んだことで、CAREER MARKを知ることができました。今はCAREER MARKの広報インターンとして活動しています。私も同じ立場の同じ悩みを抱える人との出会いが刺激となり、新しいことをはじめる原動力になっています。あとは、日本語を学ぶ人への教え方である、日本語教授法を学びはじめました。将来役立つかどうかは分からないけど、今だからできることだし面白そうだなって思って。
行動することで、キャリアのモヤモヤが薄れていった感じです。前は漠然とした「仕事どうしよう」「キャリアどうしよう」だったのが、その不安や悩みを相談できる相手がいることで不安は少なくなったと思います。
まだ私のキャリアの方向性は決まっていないけれど、本帰国して仕事をはじめたいと思った時の対処法(相談相手など)が分かったので、キャリアのモヤモヤが軽くなった。それにキャリアについて定期的に話せる場もできたので、心の安定が保てている気がします。

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(デュッセルドルフ ライン川近くの広場)

_______今、このドイツ生活をキャリアという観点でどのように捉えていますか?また今後のドイツ生活をどのように送りたいですか?

ようこ:キャリアという観点で考えると、このドイツ生活は履歴書上はブランクになってしまうと思っていたけど、そう捉えるのではなく、いま経験していることを人生、さらにはキャリアにとっても、自分なりにプラスに変えられるんだと思うようになりました。
あとは、残りのドイツ生活で目に見える形で何か残したいなって。例えばドイツ語の試験を受けるとか、何か一つでも証を取りたいなって思っています。

あゆみ:この期間はブランクではないと思っています。日本ではできないドイツでの経験を、いかに自分のものにできるかかなって。ドイツ生活では、視野を広げ、自分の可能性を試す期間にできたらいいなって思っています。そして自信を持って帰国したいです。

3. 編集者コメント

キャリアのモヤモヤは簡単には解消されず、きっとこれからも付き合い続けていくものだと思います。でもモヤモヤをそのままにせず、何か少しでもアクションを起こすことで、自分らしくポジティブに帯同生活を楽しむきっかけを得られるのではないでしょうか。また、お二人の話を聞いて、自分と同じ悩みを抱える仲間との出会いが、もっと挑戦してみようという勇気を与えてくれるのだと感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました😊

(ゆき、まりこ)