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大きな夢を小さな目標で実現させるために


〇目標は、大きいほうがいいのか、小さいほうがいいのか

目標設定については様々な意見があり、どのやり方良いのか分かりにくいと感じる人も多いでしょう。その一つに、目標の大きさについての議論があります。果たして目標は「大きい」方が良いのでしょうか、それとも「小さい」方が良いのでしょうか。

私は「どちらも正しいけど、両方使ったほうが実現しやすい」と考えています。

そもそも目標とは夢や理想を現実化させるための道標であり、通過点です。つまり、あなたの夢や理想を現実にする道具の一つであって、誰かに評価されるものではありませんし、大きさを競うものでもありません。

会社から示された目標ならば、他人と競うことや達成度に優劣をつけることもあるかもしれませんが、夢実現のための目標は単なる通過点です。あなたがモチベーションを維持して行動し続けられる形であれば、どんな大きさでも良いのです。

〇大きな目標と小さな目標のメリット・デメリット

ところが、「夢がない」「自分は将来何がしたいのかわからない」という人も多いようです。そのような人には「夢は大きいほうがいいし、目標も大きく持ちましょう」と伝えます。ただし、「行動計画は限りなく小さくしましょう」とアドバイスします。大きな目標と小さな目標には、それぞれメリットとデメリットがあるからです。

◆大きな目標
メリット: 自身の限界を超える成長と成果が期待できる/高いモチベーションが維持できる/長期的視点で人生を見つめられる/たとえ未達成でも、目標が大きければ大きな成果が得られる
デメリット: 強いストレスを感じる/達成感が得にくくモチベーションが下がる/途中で挫折しやすい/未達成が習慣化し自己肯定感が低下する可能性がある

◆小さな目標
メリット: 頻繁に達成感を感じられモチベーションを維持しやすい/成功体験を積み上げることで自己効力感が高まる/新しいチャレンジに自信がつく、変化に柔軟に対応できる
デメリット: 現状維持に満足しがちで高い成長は期待できない/大きな成果を感じられず長期間モチベーションが維持しにくい/自分の可能性を過小評価し大きな挑戦を避けがち

〇目標の種類

目標を時間軸で考えると、「中・長期的な目標」「短期的な目標」に分けられます。そして、中・長期の目標が「大きな目標」で、短期の目標が「小さな目標」と整理できます。この区別は、達成までに必要な時間数やステップ数で区別したものであり、規模の大小や優劣を示すものではありません。

このように考えると、大きな目標(≒夢)を実現するために、小さな目標(≒行動計画)が重要なことが分かるでしょう。成功者と言われる経営者やスポーツ選手も、大きな目標を掲げながら、日々の行動を非常に重視しています。

例えば、「経営の神様」といわれる松下幸之助氏は「社員に夢を語らない社長は失格」と言い、「革新の心得十カ条」に「大きな目標を掲げる」という項目を挙げています。その一方で、「日々の積み重ね」や「平凡なこと、当たり前のこと、ささいなことの積み重ね」を非常に大切にしていました。

また、プロ野球界のレジェンド、イチロー氏は「目標」という言葉の捉え方について、雑誌のインタビューで次のように答えています。

「自らを高めていくために不可欠なものと捉えています。基本的には遠くに設定するものと、近くに設定するものの2つがあり、日々意識するのは近くにある目標で、それをクリアしていくことで遠くにある目標に近づいていく、そんなイメージです。これってよく耳にする話ですよね。でもやってみると結構難しいんですよ。ひとつ言えるのは、遠くの目標だけを見ているといずれは挫折します。難しいけど頑張ればできる距離感を大事に、僕は形にしてきました」

NumberWeb 《独占インタビュー》イチロー50歳が語る「人生最初の目標とは」https://number.bunshun.jp/articles/-/860863?page=1

通常では考えられない大きな夢や野望を実現するために、大きな目標を掲げることは有効なようです。しかし、遠くにある目標(≒大きな目標)を追いかけるだけでは、挫折します。挫折せずに目標を達成する秘訣が、日々の小さな行動を積み重ねていくことのようです。


〇5ステップで夢を行動計画に落とし込む

では具体的に、目標=夢を実現するためにはどうすれば良いのでしょうか。以下の5ステップで考えてみましょう。

1、目標達成のための要素を見つける
まずは、目標を達成するために必要な要素を洗い出しましょう。メジャーリーガーの大谷翔平選手も高校時代に使用したマンダラチャートなどのツールを使うことも、目標を細分化することに有効です。例えば、ダイエットなら食事、運動、ストレス管理などのほか、メンタル面や人間関係なども要素として挙げられるかもしれません。

2、特に重要なものを1つ選ぶ(優先順位を明確にする)
要素を洗い出したら、その中で特に重要なものを1つ選びましょう。あれもこれも手を付けたくなるかもしれませんが、優先順位を明確にすることが大切です。例えば「運動」を最優先にするなら、それに集中することで効果を最大化できます。目標達成のためには行動し続けることが何より重要だからです。その中で、毎日の食事に気を付けることやメンタルを整えるなど、最重要の目標に関連づいて並行して行うことは、差支えないでしょう。ただしその場合でも最優先すべきは1つとしておきます。

3、日々の行動に落とし込む
選んだ重要な要素を日々の行動に落とし込みます。目標は可能な限り小さくして具体的な行動に変換しましょう。大切なことは、どんなに疲れていても、メンタルが不調であっても達成可能なレベルまで落とすことです。「毎日30分ランニング」などとしがちですが、仕事で疲れ果てているときや体調が思わしくない場合にも行動可能でしょうか。最初は、「ランニングに行くために靴を履く」や「家の中で1分間歩き続ける」などのレベルから始めても良いのです。

毎日の小さな目標を達成した後、その先の行動に取り組むことは全く問題ありません。「靴を履く」を達成したら、「家の周り1周くらいしてみようかな」とか「近所の公園まで歩いてみようかな」など、その日の気分や状況に応じて続けてみましょう。外に出るモチベーションが無ければ、靴を履くことで終了しても良いのです。そして時間をかけてゆっくりと習慣化しいき、少しずつ行動のレベルを上げていきましょう

4、行動計画をメモし、毎日見る
やるべき行動内容や目的を紙などに書き、毎日見える場所に置きましょう。手帳やスマホのメモ機能、目標達成アプリなどを活用しても良いでしょう。これらを見ることで目標達成した後の自分をイメージし、モチベーションを維持できます。また達成した日に〇をつけるなど、成果を見える化しておくこともモチベーション維持には効果的です。ときには頑張ったご褒美をあげてもいいかもしれません。

5.行動し続ける
最初の2~3週間、できれば1カ月は毎日継続することを目指します。ただし、私たちは人間ですから、どうしても無理な場合もあります。その時には気持ちを切り替えて、次の日にしっかり取り組みましょう。落ち込まず、これまでの努力を自分で褒め、気持ちを新たに続けていくことが重要です。

〇まとめ

大きな目標や夢は、想像するだけでワクワクして楽しいものです。しかし、夢は見るものではなく、叶えるもの。現在の自分には無理だと思える夢・大きな目標も、小さな行動を日々積み重ねていくことで成功に近づきます。成功は小さな行動の総和です。確実に行動していく地道な作業が、大きな成功・夢の実現への近道なのです。

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