見出し画像

アフリカでNo.1スマホを知っていますか?

現在、大企業育ちの末にスタートアップのVoicyで現在奮闘中のAYAです。
現在は、経営企画的な仕事もしつつ、メディアチームでパーソナリティ支援やトークテーマ企画、メディア企業の対応をしているメンバーと働いています。

音声コンテンツの面白さを伝えるため、色々な取り組みを考えて日々チャレンジしています。日本に比べて、アメリカや中国では音声コンテンツを楽しむ文化が先行して広がっていますが、単純に真似すれば良いというものでもないんだな…と感じる日々。

そういえばコンサルタント時代に、アフリカでもっとスマホを売るためにはどうすれば良いか?というケースがありました。その時のリサーチがかなり面白かったので、ちょっとご紹介。


アフリカで人気のスマホブランド

昨年(2021年)の世界のスマホ出荷台数ランキングTop3は、1位サムスン電子、2位Apple、3位Xiaomi。ちなみに、XiaomiがTop3入りは初めてで、前年まではHuaweiでした。

では、アフリカで売上1位のスマホは?
サムスン電子(Galaxy)でもなく、Appple(iPhone)でもなく、中国のXiaomiやHuaweiでもありません。
中国のTranssion (伝音科技)という会社が展開するTecno(テクノ)というブランド。なんとそのシェア40%と見られています。

これほどグローバルのシェアとは異なったメーカーが躍進するマーケット。
ここから考えることは…

  • 法規制などで流通網が特殊?

  • 他地域とは異なった機能が人気?

流通網は?

アフリカは、人口12億人を誇り、広さは3,037万平方メートル。
中国もすっぽり入ってしまうぐらい世界で一番広い土地なのです。ちなみに、日本の国土の80倍。

そんな広いアフリカですが、アフリカでスマホを買う場合、街中のショップで購入できます。ただ、日本と違い、ビックカメラやヨドバシカメラのような全国展開の大手量販店はないので、個人商店のネットワーク化による販売網の構築は必須。ここがポイントの1つ。

また、料金プランは、銀行口座やクレジットカードの普及率が高くないため、プリペイド式でカバー。プリペイドカードは、パパママショップ(キオスク)で販売されていて、さらにはスマホ充電サービスなども展開されていました。

個人的にはベトナムやインドネシアと同じような流通方式だと思いました。

アフリカ特有の機能は?

アフリカでのシェアをとるために、端末代は廉価版クラス(260ドル〜300ドル程度)を狙うことにしたようです。そのため、とにかくコアな機能に絞って注力し、その他は最低限のレベルを確保する戦略を取ったTecnoです。
Tecnoが独自に開発したコアとなる機能は次の4つでした。徹底的に現地調査を行い、生活習慣や既存スマホに対する不満などを丁寧に吸い上げた賜物だったようです。

1. やっぱりカメラ機能は大事

他地域で販売されているスマホのカメラで人物写真を撮ると暗くなってしまい、綺麗に映らなかったそうです。
そこで、現地の人たちの美意識を調査し、ちょうど良い具合の「チョコレート色の美肌」に映る機能を搭載。これ女子的に嬉しい機能!
カメラ機能が重要なことはグローバルで同じでも、同じ機能展開ではカバーできなかった部分をしっかり改善したことが勝ちポイントでした。

2. 音楽大好きに応える機能

実際、私もアフリカに行った際、日本では考えられない使い方をしていてびっくりしました。
ボリュームを最大音量にして音楽をスマホでかけて、みんなでダンスをして楽しんでいたのです。日本で同じことしたら騒音問題になりそうなレベル。

もともと音楽を演奏してみんなでダンスをして楽しむ文化のアフリカなので、音楽を自由に楽しめるスマホでも爆音でみんなで楽しみたいというのは自然な流れ。

そこで、爆音で音楽を流すことができるオクタスピーカーを搭載したTecno。これが大ヒットしたそうです。

3. 停電対策の充電機能

アフリカの電気事情はやはり良くありません。安定しておらず、停電もしばしば発生。都市部以外では、夜間は電気使用ができなくなる地域もありました。

そんな環境でも使いたい時に備えて充電は必須のスマホ。
ということで超高速で充電できるモードを開発。「ミサイル充電」というネーミングで打ち出しました。

4. 頑丈であること

舗装されている道も限られており、車に乗っていても、バイクに乗っていても、結構お尻が痛くなるようなアフリカ。もちろん自転車の人や徒歩の人も多く、なかなかハードな環境です。

そこで、価格帯としては十分な頑丈さを売りにしました。
強化ガラスを採用し、割れにくい画面を謳いました。


このように、販売網の構築と現地の人々の生活からマーケットフィットする機能をしっかりと織り込んだプロダクト展開で、アフリカで確固たる地位を築いたTecno。

改めてTecnoの話を思い出し、私たちも生活習慣をもっと丁寧に観察しながら、Voicyを広めていきたいと思いました。
スタートアップで働くこと、新しい事業の立ち上げに興味がある方、ぜひMeetyでお話しませんか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?