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キャリコン未経験者を面接するときに見ていること

みなさん、こんにちは。キャリアラボの松田です。選考がようやく一段落し、2月から新しく社員が入社します。基本的に採用は年に1−2名と決めているのですがどんな方がこられるのか少し楽しみです。

ちなみに今回はお二人ともキャリコン未経験です。面接でどんなところをチェックしているかお話します。あくまでキャリアラボの場合なので、他の会社はそれぞれ採用基準があることご了承ください。


採用で求める人物像

キャリアラボが採用で求める人物像から解説します。僕らの業務は仕事の8割以上が高校生や大学生などの若者支援です。学ばないといけない知識もいろいろありますし、最近のトレンドを追いかけ続ける必要もあります。そのため、重視するのは若者向けのキャリア支援を長く続けていける方になります。

キャリア支援の業界は「未経験者が大多数」です。そのため、経験よりもややポテンシャル重視の採用になります。

経験や知識は働き始めてから

というのも、月から金までまとまって仕事をしていけば、経験はすぐに積むことが可能です。知識は学ぶことがたくさんあります。であれば、働き始めてからじっくり身につけてほしいと思うのが本音です。

例えば、キャリアラボで仕事をすると早い人だと3ヶ月もしないうちに面談回数100回はいくと思います。講演でも年30回を超える方も多いです。だから、あまり経験の有無は気にしていません。それよりも、自社との相性や3年先の成長した姿を想像しながら採用することが多くなります。

見ていること①支援したい理由がある

最初に面接で見ているのは、若者支援をする動機の部分です。

・いろんな高校生が進路選択で悩むのを見てきたから
・若者のキャリア支援は人生の選択に大切だから
・大学生のうちにいろんな社会を知って欲しいから

など、キャリア支援の理由は様々。僕は若者支援のプログラムをどんどん改善していきたいので、「こんな支援をできたらいいね」とか、「こういう若者を取り巻く社会課題を解決していきたいよね」という話が盛り上がる方はほぼ一次面接は合格にしています。

「実務経験を積みたい」はありなのか

ちなみに選考を志望される方の中には「実務経験を積みたいから」という志望理由があります。間違いではありませんが、これは自分がその業務を通して得たいことになります。その場合は、経験を積んだ後に何をしたいかをお聞きするようにしています。経験を積んだ先に、どんな若者支援をしたいかがあるかたはものすごく応援したくなります。逆に「経験を積めたらなんでもいい」だけだと、相談に来る若者へのビジョンが見えないのでマイナス評価になることもあります。

見ていること②傾聴姿勢

次に見ているのは【普段の傾聴姿勢】です。キャリコンにとっての武器の一つは傾聴力。質問や聞く姿勢にから見えることがたくさんあります。そのため、非言語コミュニケーション能力やどんな質問を投げかけられるのか?など、自分が学生になった気持ちでその人と会話するようにしています。

日常の傾聴力が高ければ、基本の進め方や業界の知識を学んでもらえば、話しやすい魅力的なキャリアコンサルタントになることもできます。キャリアラボの場合、講座に必要なものはコンテンツとしてまとめています。面談や講演のノウハウをマニュアル化しており、勉強会の動画も200本以上あります。OJTも含め知識や経験など積み重ねはこちらでフォローできるので、知識よりも土台となる傾聴姿勢を重視しています。

質問する力

僕の場合は面接で最後に10分程度、質問の時間を設けています。そこでの質問を見ていると、個人差がかなりあります。質問を通して相手の関心がどこにあるかも見えてきます。この質問内容を見ていると、その人の相手への関心や質問力も見えてくるので、僕が面接をする時には見ている項目の一つです。

見ていること③チームでの関わり方

最後に見ているのがチームでの関わり方です。面談の時間では高校生や大学生と話をしていただくことになりますが、準備の段階や仕事の相談はスタッフや他のメンバーとしていたくことになります。この部分は周りとのコミュニケーションの取り方、と置き換えていただいてもいいかもしれません。

この話をするといつも思い出すのが、映画撮影で「スタッフから好かれる俳優」という話です。演技のうまさや華があるという土台のスター性の部分は別にして、長く業界に生き残っていく人は観客だけでなくスタッフから好かれる方が多い、という逸話です。キャリコンにも言える、と思っています。土台となるキャリア支援の知識やスキルも大事ですし、相談相手から信頼されることはとても大切です。同時にお客様である高校や大学の先生や職員の方、一緒に仕事をするキャリコン仲間からも慕われる方というのは、いろんな機会が回ってきやすいと思います。

余談ですが、僕はこの周りとの関わりがとてもとても苦手です。だから、デビュー当時、仕事がなくて苦労しました。ちなみに今も克服できていません。だから、周りとの距離感が上手い方は憧れると同時に尊敬しています。

なんで、未経験からの採用もしているの?

たまに、なんで経験者でなくて未経験の方も採用するのですか?と聞かれることがあります。実はそんなすごい理由はどこにもなくて、「僕がデビューの時に苦労したから」というのが答えです。

30歳でキャリア支援を未経験で始めたのですが、最初は本当にチャンスが回ってきませんでした。周りの人もすごすぎて自分の力不足に萎縮していました。

そんな中で、たまたま人に恵まれて僕は1年ぐらいかけてデビューすることができました。キャリア支援の実務経験を通して、仕事の面白さと奥深さを感じたことがこの仕事にハマったきっかけです。だから、これからキャリア支援を始める方にもこの楽しさや感動を共有できたらいいな、とよく思います。

長くなりましたが今回はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございました。

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著者プロフィール 松田剛典
一般社団法人キャリアラボ 代表理事 https://kokoswitch.com
株式会社みらぴか 代表取締役 https://mirapika.jp 
ツイッター:https://twitter.com/goten_m
株式会社ベネッセコーポレーションで高校生の進路選択の部署に配属。全国の高校の進路相談会の運営や入試判定業務などに携わる。人材紹介会社の大阪責任者をを経て独立。キャリア支援の仕事を始めて約20年目。複数の大学でキャリアデザイン講座の講師をしながら、北海度から九州まで全国の高校大学を訪問する実践型キャリア支援家。年間3000件前後の面談と、5000件前後のキャリア講座を運営。
2023年保護者向けオンライン相談サービス「みらぴか」をリリース
著書:「はじめての課題解決型プロジェクト」ミネルヴァ書房

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