オープンキャンパスとは?チェックしておきたいポイントも徹底解説!
前回はオープンキャンパスの素朴な疑問や参加メリットについて記事にまとめました。
オープンキャンパスでは、パンフレットやウェブサイトを見るだけでは気づかない生の情報を知ることができ、大学生活をイメージしやすくなります。子どもにとっては、憧れのキャンパスライフを目指して、勉強のモチベーションもアップする手段の一つ。
一方で、保護者的にとっては、学費や就職に関する情報を入手でき、担当者に個別で相談する大切な機会です。オープンキャンパスは、家の購入で考えると内覧みたいなものです。4年間の大学生活を考えると大学入学は非常に高額な買い物です。内覧せずに家の購入にはリスクがあるように、せっかくの情報入手の機会を活用しないのは機会損失になります。保護者目線で、事前調査もしておきましょう。
今回は、オープンキャンパスの基本的な内容と、オープンキャンパスでチェックできるポイントについて解説します。
オープンキャンパスとは
オープンキャンパスとは、大学・短大や専門学校などが一定の期間や特定の日に、受験志望者に向けてキャンパスを公開するイベントです。国公立大学・私立大学を問わずほとんどの学校で開催されています。大学を訪問することで、学校やキャンパスの雰囲気を肌で感じられ、また在学生の「生の声」を聞くことで大学生活の具体的なイメージを思い描きやすくなります。
「オープンキャンパスって絶対行かなきゃいけないの?」
昨今、ウェブサイトやSNSなどで幅広く情報発信を行っている大学は少なくありません。「時間もないし、わざわざ大学まで行かなくても情報収集はできる」と考える人もいることでしょう。
しかし、写真や動画で見るだけの情報と、実際にキャンパスへ行って自分の目と耳、肌で感じることは大きく異なるものです。例えば、写真だと新しい校舎の写真だけが切り取られていたり、実際に大学に行くには駅からかなり山を登らないといけなかったり・・・(私のいる関西はこれがめっちゃ多いです!)。やはり、現地に足を運んでいないとわからないことがたくさんあるなと思っています。
入学してから「思っていたのと違う」とがっかりすることのないように、志望する大学のオープンキャンパスへは一度足を運ぶことをおすすめします。オープンキャンパスへ行ってから、志望校や志望学部を変更する人も少なくないですよ。
オープンキャンパスは一人でも、保護者と一緒でも参加可能のイベントです。もしタイミングが合うなら、ぜひ保護者も一緒に参加してみましょう。大人の立場からの的確なアドバイスが必要なこともあります。
「オープンキャンパスはどんなことをするの?」
オープンキャンパスの内容は、学校説明会や入試説明会、キャンパスツアーなど、大学によってさまざまです。
大学説明会、学部ガイダンス
大学や学部の教育方針やカリキュラムについて、あるいは資格取得、留学、就職情報などの幅広い説明を聞ける定番のプログラムです。基本的な内容はウェブサイトやパンフレットに書かれていますが、補足情報や受験に役立つ情報などが聞けるため、志望校であればぜひ参加しておきましょう。このほかにも、入試説明会を開催するところや、過去の入試問題などを無料配布する大学もあります。
キャンパスツアー
担当者や在学生が構内を案内してくれる定番プログラムです。実際に通っている学生の「生の声」を聞けることが多いので、大学生活や入試に関して質問があればこの機会に直接聞いてみましょう。
公開授業
大学の授業に参加できるプログラムです。「百聞は一見にしかず」ということわざがあるように、実際の講義を受けてみなければわからないことがたくさんあります。興味のありそうな授業が開催されていれば、参加を促してみましょう。理系学部などでは、研究室見学や実験体験ができるところもあります。
個別相談会
気になることを教職員や学生に個別に相談できるプログラムです。入試情報や勉強方法についての相談、受験や入学時にかかる費用、在学時の資格取得状況や就職・留学支援など、不安に感じていることがあれば相談してみましょう。
まずはオンライン開催から
「オープンキャンパスに行きたいけど時間がない」と悩んでいる人は、まずはオンラインのオープンキャンパスが開催されていないかを確認してみましょう。
オンラインオープンキャンパスは、ZoomやYoutubeなどを利用して開催されています。学部紹介や研究紹介などがメインですが、学部教員による雰囲気がわかる紹介動画を流すところもあります。
遠方の大学の場合、いきなり足を運ぶのも勇気が入りますよね。オンラインなので自宅から遠く離れた大学へも参加可能。オンラインでまずは様子を掴み、それから実際に訪問するか考えるのも方法です。
総合型選抜や学校推薦型選抜ではオープンキャンパスは重要!
総合型選抜や学校推薦型選抜を狙っている場合には、オープンキャンパスへ足を運んでおくべきだと思います。というのも、これら二つの選抜方式では志望理由書を書く機会がかなりの確率で発生します。
志望理由書は簡単に接目すると
・なぜ、この大学にいきたいのか?
・この大学で何を学びたいのか?
というのをまとめた文章になります。これらの作成には大学研究は必須です。そういう意味でもいくつかの大学を比較しながら、それぞれの大学にの魅力を調べておくことはとても大切です。
オープンキャンパスでチェックすべきポイント
オープンキャンパスではチェックすべきポイントがいくつかあります。ここでは、まずは基本的なポイントをご紹介します。
就職・留学・資格取得の支援体制
卒業後の進路についてはしっかり確認をするようにしましょう。
私は薬学部でキャリアの授業をしていますが、同じ薬剤師という資格をとっていても、大学によって卒業後の進路は大きく異なっています。病院に強い大学、企業に強い大学などさまざまです。今は就職率はどこも100%に近い大学が多くなりました。就職率よりも就職先をチェックしましょう。
※専門分野になると歴史があり、OBOGを多数輩出していることも重要なケースがあります。卒業時の進路に影響することがあります。
理系の場合は院への進学率も確認が必要です。例えば、研究職などは、4年生大学では希望する進路に進めない場合もあるためです。同じ学部であっても大学院について力の入れ度合いも異なります。
その他、海外留学を考えている場合は、在学中に留学できる環境や制度があるかどうかも重要なポイント。士業などを志す人は資格取得できるかどうかも確認が必要です。
大学の雰囲気や立地、周辺環境
大学がどのような雰囲気か、周辺にどんな施設があるかなどをチェックしましょう。ウェブサイトやパンフレットで見た写真と実際に自分の目で見た景色とでは、受け取る印象や雰囲気がまったく異なるかもしれません。
<図書館を見てみよう>直接学ぶ内容とは関係ないですが「食堂」「図書館」「部室」はみてみるとオープンキャンパスでは見えにくい特徴が垣間見えます。近年、経費削減の影響でこうした部分の充実にかける費用を抑えている場合もあります。逆にかなり力を入れている大学もあるので差が顕著です。
家からのルートと所要時間、交通費
次に確認すべきなのが、場所と経路です。自宅から大学までどのくらいの距離があるか、どのようなルートで学校までたどり着くかをチェックしましょう。公共交通機関を利用する際には、定期券を購入することも考えて交通費も要チェック。ラッシュ時の電車の込み具合、遅延した際の迂回ルートなども確認しておくと安心です。
<通学時間の混み具合>土日と平日では混み具合が全く異なることが多くあります。また、山の上の大学などはシャトルバスがでていることがあります。もし、余力があれば、平日の授業のある時間帯のシャトルバスの混み具合もみておきましょう。想像以上に混んでいたり、人が並んだりする大学もあります。また、キャンパスが複数ある大学は1、2年生と3、4年生で通うキャンパスが異なる大学もありますので要注意です。
通学は毎日の生活に影響があるため、思ったよりも負担が大きくなることがあります。本質的な学びとは異なりますが、悩んだ時にはこうした点を比較してもいいでしょう。
奨学金制度
保護者の視点としてはチェックしておきたいのが奨学金制度です。奨学金というと「貸与」をイメージされる方もいらっしゃいますが、実際には民間が提供する奨学金や、大学独自の奨学金など給付型の奨学金制度が多数あります。所得によっては授業料の「減免」という形で授業料が下がるケースもありますので確認をしておいてもいいでしょう。
学部によっては情報が少ないケースもあります。気になることがありましたら気軽にみらぴかまでご相談ください。
著者プロフィール 松田剛典
一般社団法人キャリアラボ 代表理事 https://kokoswitch.com
株式会社みらぴか 代表取締役 https://mirapika.jp
X(旧Twitter):https://twitter.com/goten_m
株式会社ベネッセコーポレーションで高校生の進路選択の部署に配属。全国の高校の進路相談会の運営や入試判定業務などに携わる。人材紹介会社の大阪責任者をを経て独立。現在は、複数の高校や大学でキャリアデザイン講座の講師をしながら、北海度から九州まで実践型キャリア支援家として活動中して20年目。多くのキャリアコンサルタントとチームを組みながら、年間3000件前後の面談と、5000件前後のキャリア講座の企画に携わっている。
2023年保護者向けオンライン相談サービス「みらぴか」をリリース
著書:「はじめての課題解決型プロジェクト」ミネルヴァ書房
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