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再 老ナルキソスと舞台挨拶

書きたいことが山ほどあるけど、今日は昨日のすごい経験を残しておかなくては・・

(書きたいこととは、企業の課題解決の授業が始まった!内容・構造がすごくてわくわく。そしてみんなどれくらいコミットするかが勝負!大前提として私たち教職員のコミットは大事だと思っている話(私も個人でやってみようかなと企ててみる)、8時間かけて自己PRにFBしている話、大経大の歴史について前学長と若手の先生が発表した講演会がとても興味深かった話(研究的視点)、漫画家の川口真目さんとお話ししたのが楽しかった話(3時間くらい1人の人と話す贅沢)、男女共同参画社会のカリキュラム決めにかなり苦戦している話(法律や最近の動きが難しくて、なかなか理解ができない)19歳の留学生に英会話を教えてもらっている話、相対性理論の話を聴いて子どもが興奮した話)

で、それは置いといて、昨日はこれ、いってきました!

東海林監督のことを知ったのは、関学のレインボーウィークの「人権問題講
演会」に参加した時。
HPより・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「トランスジェンダー女性の生きる姿を描いた『片袖の魚(』2020年制作/34分)の上映後に「トランスジェンダー役を当事者の俳優に」を実践し感じたこと、見えてきた課題などについてご講演いただきます」

前にも書いたように、私はマイノリティ・スタディーズという講義を担当していることもあり、いわゆる現代日本における「マイノリティ」の現場や当事者にできるだけ会う、一緒にいる等を大事にしようとしており、そういう研究や発信をしている人や当事者を尊敬している。

で、関学のレインボーウィークの時に、東海林監督が現場の話をものすごく丁寧に聴いて作品を創っていることがよくわかって(マイクロアグレッションのリアリティよ)、役者さんとの対話を大切にしながら創られたことがよくわかって、スタンスが素敵!と思ってました。学生からの質問も的を得ており、素晴らしい講演会でものすごく感動しました。

最近トランス女性(出生時には生き物として男性としての性を割り当てられたが、本人は女性としての性同一性・性自認をもっている女性のこと)に対するバッシングがすごいな、と思っていたんだけど「表象」(イメージ)として「トランス女性ってこんな感じだよね!」と、メディアが流す印象の影響がとても多いんだな、と感じた。「片袖の魚」は、このような作品があることによってトランス女性の固定化したイメージが変化することがあるだろうな、と思わされた。イシヅカユウさんは前から素敵だなと思っていたけど、映画を見てより素敵だなと思うようになったのです。

という経験があったところ、東海林監督の新しい映画が封切られるとのこと。これは見よう!と思っていたら、このポスター。前、他の所で観たことあったけどその時は「なんか重そうな、ちょっと見るのに躊躇してしまうかな」という印象で、へえ、こんな映画があるのだな、くらいで見ようと思わなかった作品でした。でも東海林監督作品だし、久々に大好きな十三の七藝にいける!と思って、仕事帰りに行ったのです。

老ナルキソスの感想は、「またもや丁寧に創られていて、よくこの時間でこれだけ盛り込みまとめられましたね!笑って泣いたよ・・多くの人に見てほしい作品」です。

HPより・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゲイでナルシストの老絵本作家山崎は、自らの衰えゆく容姿に耐えられず、作家としてもスランプに陥っている。ある日ウリセンボーイのレオと出会い、その若さと美しさに打ちのめされる。しかし、山崎の代表作を心の糧にして育ったというレオ −自分以外の存在に、生涯で初めて恋心を抱く。レオもまた山崎に見知らぬ父親の面影を重ね合わせ、すれ違いを抱えたまま、二人の旅が始まる…。

パートナーシップ制度は「ある」が同性婚は「ない」中で、家族とは?
「ゲイ」という呼び名もまだ一般的ではない時代から日陰者として社会の方隅で生きてきたナルシストの老絵本作家。差別や偏見との闘いの時代を経てすでに性的マイノリティが可視化されたLGBT世代のウリセンボーイ。世代も考え方も違う二人の個人的な関係の中から立ち現れる、同性愛者たちの過去と未来の「家族」にまつわる葛藤の物語。

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マイノリティ・スタディーズでも言っていますが、「時代や国によってもマイノリティの現状は異なる」なあと再認識。映画の中にも出てきたけど、「同性愛」については「そういう時代だったんだよ」「今の日本ではまだ・・」ということを扱っていて、さらに「老い」の中で、人生の最後にあがく姿の美しさと醜さが描かれていたように思う。そして、何かを選んで、何かを捨ててきた人生を振り返り、今の人生に満足はしているはずなんだけど、どうしても、捨てたもの・人・ことへの気持ちを消化・昇華しきれない部分を思い出してしまう、ということ。

それからパートナーシップ制度の現実や捉えられ方のちょっと皮肉の入った苦笑いの描写も面白かった。それから舞台挨拶で語られていた性愛と日常生活の関係も。映画になるとストーリーを理解しやすくするためにも、ぱきっと分けられてしまう「日常」は実際は連続しているものであるということ。仕事をしている自分も恋人といる自分も同じなんだけど、全然違う人みたいな日常はあるということに納得した。

監督は48歳!その年齢にも意味があるって言ってた。パンフレットにも48歳💛ってサインと一緒に書いてくれた。やっぱり、40代って、経験豊富なんだからいろいろできちゃうんだけど、ちょっとこれからについては迷う、でも本当に大事だと思うことには率直に向き合えるからおもしろいけど体力や気力ややる気は下降気味・・という中年の危機があると思うんだけど、監督は自然体でこの作品の作られ方や考え方を語られていてやっぱりとても素敵でした。

そして若さがまぶしくなってきたな〜!レオをはじめ出演している若き俳優さんが美しかった。そして主人公の喜寿?だったかな?の設定の田村泰二郎さんや村井國夫さんも美しかったです。

一緒に見に行った夫はあまり同性愛のテーマに慣れていないけれど、とてもよかった!と言ってました。よかった〜




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