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キャリコン視点で読み解く『岡田メソッド』④

「自分はみんなを引っ張るタイプじゃないからリーダーには向いていない」「リーダーシップを発揮した経験がない」企業のエントリーシートに書くネタに悩む就活生をこれまでたくさん見てきました。

みんなを強烈に引っ張るカリスマみたいな人=良いリーダーかと言うと必ずしもそうではありません。一方で、周りの言うことばかり尊重しすぎて自分では何も決められないのもリーダーシップを発揮しているとは言えないでしょう。

では元日本代表監督の岡田さんの考える『リーダー』とは?

リーダーの仕事は「決断」することです。それも答えの分からないことを「決断」しなければなりません。たとえば、AとBのどちらの選手を使うか?「Aを使えば勝率60%、Bなら75%だ」などとわかるわけではありません。またコーチを集めて多数決で決めるわけにもいきません。たった1人で、全責任を負って決めなければなりません。これがW杯出場がかかっている状況だったりすると心底、恐ろしいものです。どれほど考えても答えが出ないので、最後は直感で決めることになります。もちろん、直感は何もないところからは出てきません。さまざまな情報の中で、何かが化学反応を起こして直感が出てくる気がしています。(中略)そんな経験をしてくると「覚悟」もできてきます。私も、人から「いい人だ」と言われたいし、好かれもしたい。でも23人しかW杯に連れていけません。11人しかピッチに送り出せません。これは、嫌われることを恐れていてはできないことです。(『岡田メソッド』岡田武史著2019年英治出版)

カタールW杯出場がかかっている現在の森保監督の苦悩が、岡田元監督のエピソードからもよく伝わります。わたしは自分のキャリア選択に迷う時、これまでの経験や自分の「感覚」を頼りに最後は直感で決めてきました。自分で覚悟を決めて進む道に後悔は少ないと感じています。

サッカーに関わらず、誰からも称賛される決断などないと私も思います。どんなに考えても答えが出ない時は直感で決める。リーダーは孤独で全責任を背負って決断する。その腹の据え方、覚悟の強さに周りはついてくるのだと思いました。

(おしまい)


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